公立中学校教師の辛口教育コラム。一般の方に分かりやすく心がけてます。真面目なだけのセンセは服用に際して十分ご注意下さい(笑)
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昨年に引き続き2回目の、2008年度全国学力テスト。
俺のいる現場では、昨年のような初回のドタバタもなく、恒例行事のひとつとして組み込まれて淡々と流れていった。はっきり言って、もうあんまり興味ないんですけど、という状態だった。

今年は2学期が始まる前に結果が出た。内容についてはまたいずれ書くと思うが、あまり新鮮味はない。結局、上位下位は昨年と同傾向で変化なし。と言うか、

そう簡単に変わるなら誰も苦労しないんだよ

今回は、テストそのものでなく、我らがヒーロー大阪の橋下知事が、香ばしいネタを投下してくれている。

【学力テスト】「このザマは何なんだ」橋下知事が大阪府教委批判 (2008.8.29 産経新聞)
 全国学力テストの大阪府の結果について、府教委や府の関係者からは落胆や怒りの声が相次いだ。

 橋下徹知事は「教育委員会には最悪だと言いたい。これまで『大阪の教育は…』とさんざん言っておきながら、このザマは何なんだ」と述べ、26日の教育委員との懇談の際と同様、府教委を厳しく批判した。

 そのうえで教員の意識改革が必要との考えを示し、「現場の教職員と教育委員会には、今までのやり方を抜本的に改めてもらわないと困る」と注文をつけた。

 綛山(かせやま)哲男教育長は「昨年の結果を受け学力向上を喫緊のテーマとしてきたが、改めて大変厳しいと認識した」とのコメントを発表。小中学校の放課後無料学習や習熟度別授業推進など新たに取り組む施策の充実を目指すことを強調し、「保護者、子供たちをはじめとする府民の期待に応える教育の実現に全力を尽くす」とした。

 今月6日に府特別顧問に就任した東京都杉並区立和田中学校前校長、藤原和博氏は「全国第2の都市としては考えられない結果。先生方は熱心で頑張っていると感じるが、システムが成り立っていないのだと思う」。課題として、国際学習到達度調査(PISA)に対応した学力の育成を挙げ、「先生方の熱意が効果を発揮するシステムを作れば大阪でも不可能ではない」との見方を示した。


橋下知事「学力調査の市町村結果、公表すべし」 (2008年8月31日 朝日新聞)
 大阪府の橋下徹知事は30日、同府貝塚市で開かれたシンポジウムで、文部科学省が29日に結果を発表した全国学力調査で大阪府が昨年に続いて下位だったことに触れ、市町村ごとの結果を公表するよう府教委に「指示する」との意向を示した。文科省は「過度の競争を招く」として、都道府県教委に対して、市町村や学校別の結果を公表しないよう通知している。

 橋下知事は子育てをめぐるシンポでのあいさつで、大阪の結果低迷の一番の問題点として、市町村ごとの結果が公表されず、府民の目に触れないことを指摘。「市町村の教育委員会は甘えている。結果が表に出ないから」と話した。ただ、学校別の結果の公表については、「競争になる」と慎重な考えを示した。

 そして、「調査結果はみなさんのもの」として、市町村に情報公開請求をしてチェックするよう会場に呼びかけた。

 橋下知事は週明けに府教委側に電子メールで「指示」する考えを報道陣に明らかにした。

 ただ、教育委員会は中立性を守るために首長から独立した合議制の機関で、首長の指揮・命令は直接は及ばないとされている。府教委の幹部は「指示ではなく、『要請』の形で届くだろう。だが、文科省の通知は重い」と話している。

 鳥取県では、市町村別と学校別の結果を非開示とした県教委に7月、県情報公開審議会が「開示すべきだ」と答申。しかし、県教委は07年、08年度の結果について「序列化が進み、点数至上主義を招きかねない」といった学校現場の意見を尊重し、開示を見送った。



橋下知事のあとさき考えない暴言は、いまさら始まったことではない。
彼の場合、単に過激なのが問題ではなく(問題だけど)、きちんと裏も取らずに思いつきでポンポンものを言うのが難儀なのだ。ご本人が公教育についてド素人なのに加えて、悲しいかなブレーンにも教育畑の人間がいない。

大阪府が下位にとどまっている根本的な理由は、教育委員会をはじめ俺達教師もちゃんと分かっている。ただ、諸団体からの圧力や、自分で自分の首を絞めたりして、それを語ることはタブー視されてきた。結局は、臭い物にフタで問題解決を先送りしてきた感もあるのだが、教育だけで何ともできない部分が多いのも事実。

一般の方々には、何のことだか分からないかもしれない。歯切れが悪くて申し訳ないが、一応俺も現役の教師なので、いくらブログでも書けないことはある。昨年の学力テストの分析記事でその一端に触れているので、興味のある方は読んでみて欲しい。

特定の地域や層は、学校や勉強どころではなく毎日の生活に精一杯。今日一日をなんとかしのぐことが最優先なのだ。そんなもの、大阪に限らず全国あちこちにあるわけだが、決して均一ではない。西日本、特に大阪に激しく集中している。

その地域を切り捨てれば平均点は一発で上がる

教育関係者は公には誰も語ろうとしない、いや、語れないその事実を、橋下知事は自治体ごとのテスト結果を公表することで白日の下にさらけ出そうとしているわけだ。

それでいいのか橋下君? 地雷踏むぞ

「このザマは何なんだ」という発言は、裏返せば「地域の土壌や歴史的背景に関係なく、
学校や教師がちょっと頑張りさえすれば順位が上がるはずだ」ということだ。
橋下知事はきっと、賢い自分を基準にしてそう思っているのだろう。
だから、まるで10年も前からそこにいたような顔で大阪府の教師を罵倒するのだ。

教育の力だけでこの地域差を何とかできると思ったら、それは大間違い。
そんなもの教育素人の幻想にすぎない。勝手なときだけ教師の力を過信してもらったら困る。
俺達には、滞納された給食費を徴収する権限すらないんだから(笑)

橋下知事が、そういう地域住民の生活状態や雇用対策までまとめて面倒見てくれるつもりで、
越権行為を承知で激を飛ばしているならかまわない。府民の生活をトータルでてこ入れして、
その結果として教育にも効果を及ぼすつもりをしているなら、「このザマ」発言も、
若気の至りということで苦笑しながら聞き入れよう。しかし、とてもそうだとは思えない。
本当に大変な部分は見て見ぬふりだろうな。叩きやすいところを叩いておくというわけだ。

これは何も、俺達教師の言い訳でもサボり願望でもない。
日々現場で、ドロドロの家庭やすさんだ生徒の生活に直面して、一緒になってもがいている俺達教師の実感だ。

そして橋下知事も文部科学省の偉い人たちも、そういう公教育の薄暗いリアルはご存じないまま、現場に責任をかぶせて世の中を動かそうとしている。素人の思いつき暴言で簡単に改善されるほど、世の中は甘くないんだがな。

夜スペ藤原校長、「全国第2の都市としては考えられない結果」って、人口多かったら
無条件で賢いとでも? 的外れなコメントしてないで、守備範囲外に口を出さない方が賢明ですよ(笑)


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全国学力テストの結果が発表されてから1か月たったが、その後この件に関する報道はほとんど見かけない。分析といっても分かりにくく、なかなか記事にならないからだろう。
読者の皆様のご子息が通う小中学校ではどうだろうか。個人票が返ってくるのは当然だが、
本校の結果は云々という発表や分析のプリント配布があっただろうか。

というか、

もうみんなすっかり忘れてるのでは?(笑)

各学校で分析をしていようが放置していようが、別にそんなもの興味ないというのが
本音ではなかろうか。そんなの関係ねぇ状態だ。巨額の費用を投じて実施した側にすれば、
どうでもいいではすまないが、なにしろ初回だし、来年度以降も続いていくわけだから、
今後は分析も進んでいくのだろう。

ところで生徒たちからは「あんな問題、簡単だったよ」という声をよく聞いた。
そこで、どれくらい簡単で、どれくらい良く出来ていたのかを分析してみることにする。

テストの出来具合を見るのに、俺は度数分布表を良く使う。
偏差値は個人の成績を見るには良いが、全体の傾向は見えない。
最近は平均点もあてにならない。正規分布でなく、二極分化の度数分布になっているからだ。
このあたりのことを、グラフを使って解説してみる。

正規分布と二極分化 まず、グラフ1。横が点数、縦が人数を表す。正規分布というのはこんな感じになる。
中間層が多く両極端にいくほど少なくなるという釣鐘型で、山の頂点が平均点になるのが理想。
実際のテストの場合、いつも平均点が50点とは限らず、問題の難易度によって山が左右に動く。実力テストがこんな感じの度数分布になる。

簡単な問題のテストだった場合はグラフ2のようになる。最近は教科書も薄くなっているので、
定期テストの問題もあまり複雑なものは出さない。それに成績も、定期テストだけではなく、
小テストや日頃の授業で評価する割合が多くなっているので、別にこれでもかまわない。
むしろ勉強をしたという満足感達成感を生徒みんなに味わってもらうためには、点が取れるテストの方が好ましいわけだ。まさしくゆとり教育スタンダードである。

逆に、難しすぎる問題だと、山は左(下)の方へ動いていく。
こういうずれを正規分布に換算すると、自分はどれくらいの位置にいるかを示すのが、テストで
使われている偏差値だ。

最近では、グラフ3のように、ふたこぶ型グラフとなり、二極分化を示すことが多い。
特に定期テストだと、範囲も決まっているので、やる子はきっちり勉強してくる。
塾でもテスト対策の勉強をやってくれている。そして問題は簡単。
その気で勉強している子は、当たり前のようにいい点を取れる。

反対に、勉強する気のない者は塾も行かず最初から投げているので、下のコブとなる。
平均点あたりをとっている人数が少ないので、平均点だから真ん中あたりとは限らない。
下のコブが足を引っ張るので、平均点の価値は低くなり、平均点を取っていても順位は
真ん中よりも余裕で下という現象が起こる。だから、平均点にこだわっても意味がないのだ。
また、これは正規分布が上下にシフトした形ではないので、偏差値も意味を失ってくる。

今回の全国学力テストでは、「簡単だった」という声を裏付けるように、グラフ2のような、
山が上に寄った分布が多い。たとえばグラフ4は、中学校国語Aの国・公・私立の正答数分布。
少々見づらいがグラフの形だけを見てもらえばよい。今回使用したデータとオリジナルはこちら。

平成19年度全国学力・学習状況調査 調査結果資料 (国立教育政策研究所)

発表されているグラフを見ると、二極分化の典型的なふたこぶ型グラフは見られない。
国語A、B、数学A、発表されているグラフを見ると、どれも簡単テストのパターンだ。
数学の応用にあたるBでも、簡単パターンとまではいかないが、正規分布ではなく右上がり。
これもグラフをはりつけておくので、形だけみていただきたい。

中学校数学B 正答率ところで、公表されているグラフを見て、俺はなんだか違和感を覚えた。

グラフにやたら余白が多いのである

不審に思った俺は、数値を拾ってグラフを書き直してみた。それが下の色付のグラフ。
縦軸の範囲を狭めてy軸方向を強調し、余白を減らしてみた。

オリジナルでは分からなかったのだが、途中にわずかなコブのような部分が見えてきた。
これは何だ? この程度で二極分化とは言いにくいが、なんだか気になる。

中学校数学B 公立・国立・私学の比較そこで今度は、公立・国立・私立の区別が分かるようにして、数学Bのグラフを描いてみた。
このグラフが今回の記事のメインなので、よーく見ていただきたい。
いかがだろうか。

上の方の正答率の高い部分は、私立と国立が占めている。
青と緑のグラフだけ見ると、明らかに簡単テストのパターンだ。
それに対して、頭打ちで下までダラダラ伸びている黄色いグラフは公立中学校。
黄色だけ見ると、二極分化の傾向が出ているのがお分かりだろうか。
少なくとも正規分布ではない。

わかっていたことだが、公立と私立の差はこれだけあるのだ。

そして、

下のコブもどきの正体は公立だったのだ

私学の参加率は6割だし、おそらく自信のある学校しか参加していないだろうから(笑)、
すべてを言い切ることは出来ない。しかし少なくとも公立は、ほぼ全校が参加しているし、
成績上位では、圧倒的に私学に負けているのは事実だ。

これを見て公立も私学に追いつけとか馬鹿なことを言う教師は、さっさと私学に行けばよろしい。
公立学校は競争原理で成り立つものではないし、私学とは根本から成り立ちが違う。
それは、以前の記事でも述べた。県別の成績に、家庭環境や経済状況が大きく影響している。

公教育がこれではダメだ、と嘆くのは誰だろうか。

まず、金をかけすに子供にそれなりに高いレベルの教育を受けさせたい親。
それから、公立だけでトップから底まですべてカバーできると勘違いしている自惚れ教師。
そして、国は公教育にお金をかけていると国民に思わせておきたい政治家、役人たち。

いいじゃないか、公立がレベル低くても。というか、そっちに合わせてきたんだから当然だろ。
え、こんなことじゃ国が傾く? 大丈夫だってば、そんな心配しなくても。

公立がダメでも上の私学がレベル保ってるだろ

もうね、無駄な金はかける気ないんだよ、国は。コスト重視。だから今回の結果発表だって、
差がついていることが分かりにくいように、妙なグラフでごまかしているとしか思えない。
こんな統計の初歩の細工したって、読める者には無意味なんだけどなあ。

あわてる必要もないというか、もう新聞記事も出ないようなので、こんな感じでぼちぼちと分析していく。

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全国学力テストについて、前回の続きと資料の補足をしておく。

学力テストの結果について、見たら分かる数字を言葉に置き換えているだけの報道が多い中、
この記事は都道府県の差について言及している。ちょっと読んでみようか。

【主張】全国学力テスト 競争封ぜず学力の向上を (2007.10.25 産経新聞)
 小学6年と中学3年約225万人が参加した43年ぶりの全国学力テストの結果が公表された。地域や学校間の差から目をそらさず、これを指導改善に生かしてほしい。

 都道府県別のデータをみると、差が意外に大きい。正答率を100点満点で換算すると、小6の国語で上位の秋田と下位の沖縄では基礎問題(A問題)で9点の差、応用問題(B問題)では16点の差がある。中3の数学では基礎、応用とも上位の福井と下位の沖縄で約20点の開きだ。

 なぜ学力の差がでるのか。例えば沖縄では、今回同時に行われた学習時間や生活習慣などの意識調査で、宿題を出す学校が少なく家庭学習の時間が少ない傾向があった。
 一方で成績がよかった秋田では、夏休みの補習などを行っている学校が多く、地道な学力向上策が効果をあげているともいえる。
 もちろん学力差の要因はこれだけではない。教師の指導法や学習環境、学校教育以外の地域状況などさまざまだろう。各市町村や学校にはそれぞれの成績データが送られており、各教委は学力の実態を把握、分析し、課題を明らかにしてほしい。

 今回は、昭和30年代の学力テストで自治体間や学校間の競争が過熱した反省から、文部科学省は市町村別や学校別のランキングは公表せず、都道府県のデータ公表にとどめた。
 教育界には相変わらず競争や評価を嫌う体質がある。今回の学力テスト実施前にも一部教職員組合が妨害するような動きがあったのにはあきれる。
 全国レベルと比べ地域や学校がどの位置にいるかが分かる全国一斉テストの利点を生かし、学力向上策を競ってほしい。成績の良い学校や教委の取り組みも参考になるはずだ。

 学力低下が懸念される中、今回は改善もみられる。平均だけみると基礎問題の結果は8割の出来だ。しかし三角形の内角の和(180度)のように相変わらず苦手な問題もある。
 さらに「ゆとり教育」が目指した問題解決型の応用問題が苦手な傾向も変わらない。

 教師が独り善がりの授業をしていないか、家庭でしっかり勉強しているか、今回の結果を率直に受け止め学力向上につなげたい。


要するに、学力の差は学校や教育委員会の責任だ、という論調だな。

宿題を出さないことや、夏休みの補習などを行っていることが、地域の格差につながった。
そしてこれは「教師が独り善がりの授業」をすることや「競争や評価を嫌う体質」がまねいた結果だそうだ。だから沖縄や大阪は順位が低いと。

全国学力テストの結果をうまく料理してものを言うのは、なかなか難しい。
新聞各誌の社説を見ても、どうもピンとくるものがない。どこも各項目に解説するのが精一杯というところだ。俺にしてみれは、社説に突っ込む気もおこらない。つまらない。

もちろん教師や教育委員会が改善すべき点はいくらでもある。
そして俺達の力ではどうにもならないシステム上の問題や、予算がらみの行政レベルの問題も。

今回の記事では、沖縄は学校が宿題を出さないから成績悪かったという言い方をしている。
そういえば、俺もほとんど宿題は出さないんだけどな。
宿題は、やるのが当たり前という前提なので、やってこない者が多いと授業が成り立たない。
だから出来るだけ授業の中だけで完結するようにして、宿題は出さないというのが最近の現状だ。

ただ、沖縄に限ったことではないが、過去には宿題を出せる雰囲気でない時代もあったんだぜ。
家で勉強できないような環境の子もいるから、それで宿題を出すのは人権問題だと
おっしゃった団体があったんだから。ま、あえてどことは言いません。
これも激しく地域差はあるので、分かる人にはわかる。西高東低。分からん人はごめん。

生活保護率と成績の関係 ところで前回は、失業率と成績が相関関係にある話を書いた。
この他に、家庭の経済環境を端的に示す数字が生活保護率。
今度はこの生活保護率と全国学力テスト成績との相関関係をグラフにしてみた。

都道府県別の生活保護率は、こちらのデータを使用した。世帯数でなく人数に着目した。
厚生労働省統計表データベースシステム 平成16年 被保護者全国一斉調査 より、
表3 "被保護人員、級地・都道府県-指定都市-中核市別"

失業率と生活保護との相関は、なんとなく想像はついていたが、実証しているのはこちら。
平成17年版 厚生労働白書より 生活保護の地域差とその要因

なぜ地域差が出てくるかという原因分析はこちら。釧路市、大阪市、高知市と、いずれも
学力テストで下位だった地域だ。ちょっと読んでみると教育どころではない実態が良く分かる。
厚生労働省「生活保護率における地域間格差の原因分析のための調査」

その中から大阪市について一部引用してみる。

(1)生活保護率(‰) : 39.0‰
(2)被保護人員(人) : 102,616人
(3)被保護世帯数(世帯) : 77,307世帯
(4)被保護世帯における高齢者世帯数及び構成割合(世帯・%) : 36,954世帯 47.8%
(5)  〃 傷病・障害者世帯数及び構成割合(世帯・%) : 24,060世帯  31.2%
(6)  〃 母子世帯数及び構成割合(世帯・%) : 5,993世帯  7.8%
(7)  〃 その他世帯数及び構成割合(世帯・%) : 10,222世帯  13.2%
(8)生活保護相談件数(H16年度) : 65,879件
(9)新規生活保護申請件数(H16年度) : 23,629件
                              (平成17年4月現在)


被保護人員の割合が資料によって違うのは時期の違い等によるが、ややこしいので説明は省略。
そもそも学力テスト実施と同時期のデータではないので、本当の意味で厳密な相関ではない。
県別の大雑把な傾向が分かっていただければそれでよい。

俺が言いたいことは、たとえば大阪なんてけっこう大変な所なのよ、ということだ。
生活そのものがやっとでは、教育にお金をかける余裕はもちろんないし、中学、欲を言えば
高校まで無事卒業できれば上等。成績がどうこうなんて、そんな腹のふくれないモノ興味なし。

昔は、だからこそ勉強をして這い上がるという夢があって、実際そうやって生活を向上させた。
だが、今は違う。二極分化、そして下流が親から子に遺伝する時代だ。

産経新聞、こういうの分かって物を言ってるのか?

「もちろん学力差の要因はこれだけではない。教師の指導法や学習環境、学校教育以外の地域状況などさまざまだろう。」などと書いているが、論調の体裁を整えるために、申し訳程度に
つけたしただけだろうと想像がつく。

こういう根深いところにある問題に目を向ようとせず、データの意味が読み取れないからと、
安易に学校や教育委員会の責任にして叩いて終り。話題性だけ煽って盛り上げたつもりが、
実は誰も本当の意味が読めないまま関心を失って通り過ぎていく。こういうのを空騒ぎという。

どこかで誰かが、成績と相関関係のある要素を見つけてくれないかと楽しみにしているのだが、
なかなか望み薄のようだ。産経新聞が宿題や補習日数との相関関係を出してくるはずもない。
想像で原因を推測することは出来るのだが、それを立証するとなると難しい。
それが分かったら、ひとつひとつ対策をしていけば、良くなっていくはずなのだが・・・

報道はもう下火だし、結局、話題になったのは都道府県別順位だけか。なんだかなあ。

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全国学力テストの結果がやっと発表された。アクセス解析でも、昨夜から学力テスト関係のサーチワードが激増している。教育再生会議は休眠状態なので、これからしばらく学力テストの結果をじっくりと吟味していきたい。

文部科学省にはすでに結果が公表されているが、生のデータを出されても、一般やマスコミの方々はなかなか読み取りにくいと思うので、できるだけ分かりやすく解説していくことにする。

サーチワードとしては「全国学力テスト 順位」が一番多く、関心の高さを物語っている。
このシリーズの序章として、順位や平均点に踊らされるなという話を9月に書いているので、
まだお読みでない方はそちらからどうぞ。

ということで全国学力テスト、手始めはこの話から。

【学力テスト】県民性反映!? 順位に泣き笑い (2007.10.24 産経新聞)
 全国225万人の小6と中3が参加し、43年ぶりに実施された全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)。24日、結果を公表した文部科学省は「競争意識があおられる」と、正答率の順位づけはしなかったものの、目に見える数字を突き付けられた各自治体からは「うれしい。地道な努力の成果」「厳しい結果。ショックだ」と悲喜こもごもの声が聞かれた。都道府県別の格差の背景には、家庭の経済状態が影響しているとみられ、子供たちの学力低下に歯止めをかけようと懸命な教育関係者の前に、新たな課題が浮かび上がった。(以下略)

家庭の経済状態が学力に関係しているなんて、いまさら言うまでもなく当然の話だ。
今回の結果発表はこれを実際に数字で裏付けることになった。

家庭の経済状態を表す統計資料はいろいろあるが、手っ取り早く都道府県別の失業率でいく。
これと全国テストの点数との相関関係を検証してみる。

失業率と成績の関係
まずこの散布図をご覧いただきたい。グラフは俺が独自に描いたものだ。使用したデータは以下の2つ。後者の表は産経新聞が独自に作成したもの。


・平成14年 就業構造基本調査に基づく完全失業率 (総務省統計局)
  都道府県,男女,年齢階級別完全失業率(摘要表)

・「知識定着 応用弱い 全国学力テスト」 (2007.10.24 産経新聞)の記事中にある、
 小中学校(公立)学力テストの結果(PDF形式) ←都道府県別順位を知りたい方はこれ

いかがだろうか。
中位の自治体では大きな差はない。はっきりしているのは上と下。
失業率が高い地域の理由は、各自で考えるなり調べるなりしてくれ。

俺が何を言いたいかって?

学力は、教師の資質とか教育委員会がどうこうとかいう、そんなちまちましたもので
簡単にどうにかなるもんじゃない。

根本にあるのは地域の格差、家庭の経済力だ

だから本気で考えだしたら、この国の社会構造がどうとかいう話になってしまう。
それを語るのはこのブログの仕事ではないので、識者の方にお任せする。

おい、そこの先生。順位なんかで一喜一憂してる場合じゃないぞ。
自分達の力量だけで学力を上げてやるとか挽回するとか妄想してたってダメだぞ。
そんなものは単なるうぬぼれだ。

そこの保護者さん。教師や学校や教育委員会を叩いてなんとかなると思ったら甘いっ!
そんなものは仕事や夫婦間のストレス解消にもならんぞ(笑)

俺達教師のなんとかできる範囲なんて、本当に限られている。
社会全体の歪を見てみぬ振りをして教育の上っ面だけいじくり回しても、効果は疑問だ。
安倍内閣が崩壊したあたりで、そのことに気づいてくれた人がどれだけいただろうか。

何にせよ、俺達公立学校の教師の仕事は、これからますますややこしくなっていきそうだ。

さて、まだ生き残っている教育再生会議がこの結果をどう読むか、楽しみにしておこう。

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「今日は期末テストの成績表を返すからなー」
「えー先生、そんなものいらねーし」
「何言ってんだ。お前が受けたテストだろうが」
「どーせろくな点じゃないし、持って帰ったら親や塾が見せろってうるせーんだよ」

これは学校ではごくありふれた光景だが、文部科学省と教育委員会の間で同じようなやりとりがあったとしたら、読者の皆様はどう思われるだろうか。

文科省、学力テスト結果「非公表」 悩むのイヤ…データ不受理も (8月27日 産経新聞)
■教委、開示請求「困る」
 4月に文部科学省が実施した43年ぶりの全国学力テストの結果公表をめぐり、各地の教育委員会が頭を悩ませている。9月にも結果が全国へ通知されるのを前に、文部科学省は各教委に「序列化につながる」とし、市町村別や学校別の結果を公表しないよう求めた。だが、各教委は議会質問や情報公開請求を受けた場合の対応に苦慮しており、中には、結果自体を受け取らないという苦肉の策を検討する教委も現れている。

 「(市町村名や学校名の公表を禁じた)実施要領に基づいて対応してほしい。情報公開を請求されたら、不開示情報として取り扱ってほしい」
 24日に開かれた都道府県教委と政令指定都市教委の担当者説明会。文科省初等中等教育局の金森越哉局長は繰り返し強調した。
 今回の学力テストで文科省は、全体の結果や都道府県ごとの結果は公表するが、市町村別、学校別の平均点などは「序列化や過度の競争につながる」ため非公表としている。だが、結果を受けた各市町村や学校が内容を公表するかは個別の判断に委ねられるため、改めてクギを刺した。

 これに対し、各教委の反応はさまざま。ある教委の担当者は「どうすべきか悩んでいたが、国が非公表の方針を明確に示してくれたので助かった」と安堵(あんど)。別の担当者は「議会で突っ込まれたとき対応に困る」とぼやいた。
 各教委が特に懸念するのは、情報公開請求を受けた場合の対応だ。大阪府枚方市が平成15、16年度に実施した独自の学力テストで、学校別成績を不開示にしたことの是非が争われた裁判では、大阪地裁、高裁とも開示すべきだとの判断を示し、市教委は応じざるを得なくなった。
 文科省は、「同様の事例で盛岡地裁は今年8月、開示請求を棄却する判決を下している。地方レベルと全国レベルのテストでは規模も異なり、不開示は当然だ」と強調する。

 各教委からは「外に出て困るデータは受け取りたくないのが正直な気持ち」(大阪府内の市教委関係者)といった声も出始めている。
 千葉県教委は「市町村別や学校別のデータは受け取らないことも検討している」という。同県は毎年、抽出方式で独自の学力調査を行い、市町村別の傾向などを把握しているため、「情報公開のリスクをおかしてまで入手すべきデータかどうか慎重に判断したい」という。
 鳥取県教委も「学校別データなどは受け取らない方向で文科省と相談している」。同県は昨年、関係部局で情報公開への対応を検討したが、「開示せざるを得ないとの結論だった」という。

 文科省はマスコミの動きも警戒する。市町村教委や学校から個別のデータを収集すれば、学力ランキングをつくることも可能になるからだ。

 非公表の方針に、批判の声も出ている。
 宮城、新潟など8都県は昨年度に実施した独自の学力テストで、市町村別のデータを公表しており、「なぜ今回は対応が違うのか」との不満が一部保護者らの間で高まっているという。
 テストや受験の実情に詳しい森上教育研究所の森上展安社長は「情報はすべて公開すべきだ。何のために全国規模の調査にしたのか。学校や先生は競争を好まないが、競争意識を持ち、学力向上につなげることが大切だ」と話している。


これは新聞各誌で大きく取り上げられたわけではないので、ご存じない方もいるだろう。
このニュース、一般の方は一読して意味がお分かりだろうか?
全国テストをやっておきながら、結果を公表するとかしないとか、挙句の果てに、教育委員会に結果を受け取らないとまで言わせているのは何ごとなのかと。

おそらく分かりにくいニュースだろうということで、俺がちょっと解説する。

まず、公表がどうのこうの言っているのは、県とか市とか学校レベルでのデータのことだ。
個人の成績、つまりシーサー君英語8点とかいうのは個人情報なので、これが晒し物になる心配はない。ちゃんと保護される。

問題なのは、たとえば学校ごとの平均点。各校の平均点が分かれば順位もわかる。
○○中学校は市内で1位とか最下位とか、はっきりと結果が出てくるわけだ。
教育の成果というのは数字で表しにくい。
だから平均点なんていうのは、一般ウケしやすくとても分かりやすい数字なのだ。

だけどだな、

いまどき平均点じゃ本当のことはわからない

以前は真ん中くらいの成績を取る人数が一番多かった。いわゆる正規分布。
最近では二極分化していて、真ん中が薄く上と下に塊がある分布になっている。
すると平均点あたりの人数が少なかったりして、あまりあてにならないのだ。

それから、二極分化の下の塊だが、ここに不登校生がけっこういる。
不登校状態だと、まあ成績も悪いことが多い。テストでも点は取れない。
クラスに1人や2人の不登校は珍しくない状況で、試験当日欠席が多いと自動的に平均点は上がる。平均点の足を引っ張る者がいないからだ。
逆に、教師ががんばって指導して、不登校生がみんな出てきてテストを受けていたら、平均点は確実に下がる。
どちらが良い学校なのだろうか。考えてみて欲しい。

次に順位。
学校ごとの平均点が分かれば、自然と順位がつく。こんな例があったとしよう。

市内に5つの中学校がある。A中学平均点67点、B中学66点、C中学55点。
D・E中学校は、テスト当日修学旅行で後日受験、結果は統計から除外。

A中学校は市内1位。C中学は最下位。順位ではそうなる。
しかしA中とB中の1点差は、前述の不登校生の出席状態くらいですぐに入れ替わる。
そして修学旅行に行っていたE・F中学校は、実は45点と50点だったらどうなるか?
最下位だったC中学は実は中位だったということになる。

順位にはこういう実情がまったく表れないで、数字だけが一人歩きする。

順位データが欲しいのは誰だろうか。

塾や予備校は、もっと実戦的なデータを自分で持っているから、こんな張子の数字は不要。
市議会などでは、たとえ最下位でも、良いようにも悪いようにも使えて一見説得力のある主張が出来る。議員さん、この数字、難しくないし、いろいろ重宝しますよ。
不動産業者は、新規分譲のパンフレットに使える。
「校区のA中学校は市内1位の実績を誇る文教地区。お子様の教育環境も抜群です」

学校はというと、中身を伴わない順位や平均点の数字で、あそこの生徒はアホだとかダメ教師が多いとか言われてろくなことがない。公立にそのまま競争原理を持ち込むと、足立区のように暴走した校長が処分されたりする。公表しなければ開示請求を受けて裁判沙汰になって金と時間を使ってむなしく敗訴。そんなことになるくらいなら、結果なんか受け取りたくない、というのがこのニュースの背景だ。

実際には、問題の単元別のデータは公表とか、バラバラにしてしまうようだ。
俺は別に、平均点でも何でもケチらず公開すればいいのにと思う。
欲しい人にはあげればいいじゃないか。

たとえ最下位だからって、それがどうだというのだ

どんな環境の悪い地域の学校でもやっていくのが俺達公立の教師だ。
俺達は、ひとつの学校に就職したのではない。市なり町なり自治体の職員なのだ。
辞令が出れば最下位の学校だって1位だって関係なく行くだけだ。

世間の皆様に望むことは、平均点や順位みたいな仕掛けのある数字だけに惑わされず、中身を見る目を持って欲しいということだ。そんなに順位だけが気になるなら、最初から住む場所と行く学校を選ぶべきだ。
今の世の中は金をかければ選択肢が広がるのだから。

2学期が始まった現場では、各教育委員会から実際の対応にいついての指示が下りてきているところだ。ぼちぼち職員会議で校長が報告するだろう。教師諸君は良く聞いておけよ。
校長の言うとおりにしておけば、各自治体での取り決めに従うことのなるので、諸々のトラブル処理は学校でなく上のほうでやってくれる。考えもなしにあちこちでしゃっべて情報をもらすと、あとでえらい目にあうぞ(笑)

報道発表も9月中だそうだが、果たしてどんな反応をするやら。
空騒ぎで手間を取られるだけにならなければいいのだが。


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