公立中学校教師の辛口教育コラム。一般の方に分かりやすく心がけてます。真面目なだけのセンセは服用に際して十分ご注意下さい(笑)
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7月29日参議院選挙。
年金問題に大臣辞任と、もはや教育再生会議で話題づくりをする必要もないほど話題満載な
安倍内閣だが、今度の選挙で結果はどう出るか。そちらの予想や政治談議は余所に任せて、
俺は自分の専門分野を語ることにする。

ということで、今回は各党のマニフェストから教育関連部分を読んでみる。
ヤフーが良くまとめてくれているのでそちらを使わせてもらうが、原典を知りたい方は
各党のサイトで詳細を確認していただきたい。
各党の歴史や背景や過去の経緯などそのあたりは一切抜きにして、マニフェストに書かれている内容そのものにコメントするので、そのつもりで。

2007参議院選挙特集 分野別マニフェスト概要・教育 Yahoo!JAPAN

●自民党
教員免許更新制や不適格教員を教壇に立たせないシステムを円滑に実施する。24時間の電話相談体制を整備し、いじめの早期発見・対応に努める。
学習指導要領全体の見直し、習熟度別指導の充実などを通じ「確かな学力」を約束するとともに、規範や礼儀を教える。学校評価を一層推進し、教育水準の向上を目指す。


前にも書いたが、教員免許更新性や不適格教員の排除は、マイナスをゼロにするのがせいぜい。
つまり道路に空いた穴を埋めるだけのことで、悪いとは言わないが建設的な意味はない。
特に免許更新制は、膨大な人と時間と金がかかるのが目に見えている。対費用効果は疑問。

指導要領の見直しとか習熟度別指導に目新しさは無く、それが確かな学力を約束できるほどの
決め手とはならない。学校評価も一般へのアピール度が欠け、規範や礼儀という言葉も「美しい日本」を背景とすると一貫して怪しさと胡散臭さが漂うものとなっている。

何にせよ根本にあるのは教育予算と教師数の削減だ。そんな安上がりにいくなら苦労しない。

え? 教育再生会議? 無い方が良かったと言われるとメンバーもあまりに気の毒だが・・・

●民主党
地方公共団体が設置する学校では、保護者、地域住民、学校関係者、教育専門家らが参画する「学校理事会」が主な権限を持って運営する制度に改革する。教員の質と数の充実のため、養成課程は6年制とする。教員の資格、身分の尊重、適正な待遇の保障は、国が責任を持つ。
高等学校は希望者全入とし、無償化する。すべての人が生まれた環境にかかわりなく、意欲と能力に応じて高等教育(大学・大学院など)を受けられるよう、無償化を漸進的に導入し、奨学金制度など関連諸制度を抜本的に拡充する。


あのねえ、学校理事会って言うけど、結局長期にわたって責任取れる人間は誰なのよ?
ずーっとそこにいるのって町内会会長の爺さんだけだよ。保護者は子供が卒業したら終りだ。

教員養成課程を6年にすれば優秀な教師が製造できるなら、一般学部も6年制にすれば
優秀な企業戦士が養成できる理屈になるが本当か?
初任者の年齢が上がり初任給も上がり自治体は予算確保に苦しむことになるのでは?
教員希望者は一般企業へ就職する道は絶たれ、採用試験に受かるまで講師の口を待って
就職浪人を続けることに。それで適性がなかったら悲惨だ。教員への道は厳しい。

そのかわり、なってしまえば国が適正な待遇を補償し、教員を煩雑な事務から解放し、
教育に集中できる環境をつくってくれるそうだから結構なことなのだが。

高校の希望者全入無償化って本気ですか!? 高い入学金払っても中退者が大勢いるのに。
大学院まで無償化って、貧乏で大学行けない世の中じゃないと思うがいかがなものか。
むろん意欲はあるが本当に経済的に困っている者への援助にはおおいに賛成する。
しかし、下流志向とか二極分化とかの時代にポイントはそこじゃないと思うが。

●公明党
新たな少人数教育システムの導入や学校運営協議会の全国展開などにより、教員人事、学級編成の権限を抜本的に地域・学校に移す。小中学校で保護者、地域住民などが授業で教員をサポートする「教員サポーター制」を導入する。
すべての小学生が農山漁村で1週間以上の体験留学ができる機会を提供する。小学校で英語教育を必修化する。子供や親などからのSOSに即時に対応できるように第3者機関による「いじめレスキュー隊」を設置する。


人事権だけを各学校に与えられても、私立じゃないので単独ではどうにもならん。
人事も学級編成も、結局は教員数、つまり給与に関わる予算を自由に動かせないとダメ。
だから全体を見回して統括する意味で行政機関である教育委員会が人事をしてるわけ。
その内容については検討の余地ありありなのが現状ではある。

教員サポーター制、既に実施しているところもあり、予算をつけてくれればOK。
ボランティアを動員なんて甘い考えはダメだぞ。責任が薄くなるだけだから。

村へ体験留学はいいとして、小学校で英語教育って、もうやってるんですけど。

●共産党
国が介入する競争・ふるい分けの教育に反対し、憲法に立脚した教育を進める。少人数学級を実施し、すべての子供が分かるまで丁寧に教える。就学援助への国庫負担金制度を復活し、抜本的に増額する。教職員・保護者・子供・住民が学校運営に参加する。

原典を読んでみると、根本は「貧困と格差から子どもと教育を守ります」というところだと思う。
学校以前に「安心して子育てできる社会」が目標としてあって、そういう方向は結構なことだ。
教育問題は今は学校ばかりが取り上げられているが、教育予算増額で環境が整ったとしても、
次は社会構造の根深い問題が浮き彫りになってくる。ニート、フリーター、派遣、パート。
「勉強やって何になるの?」と生徒に聞かれて、返答が苦しくなってきているのが今の世の中。
「がんばって勉強したらいい暮らしができるぞ」と生徒を励ますことができた時代が懐かしい。

子供が学校運営に参加? 笑止。教えるのは大人だ。児童会や生徒会と一緒にするな。

●社民党
教育予算を他の先進国並みの対国内総生産(GDP)比5%水準に引き上げる。20人学級と教職員の30万人増で、一人ひとりを大切にした教育を実現する。高等教育の無償化を目指す。ソーシャルワーカーを各校に配置する。

概要にしても短いが、もともと社民党のマニフェスト自体も非常にシンプル。
具体的な数字が挙がっているのが目を引く。他党では意外と数字は明記されていないものだ。

20人学級というのはちと少なすぎる気がするが、目標としては豪気で良い(笑)
もし学年の生徒数が21人だったら10人と11人の2クラスになり、クラスと言うより班だな。
学習には良いが社会性を学ぶにはもう少し多い方がいい。必要に応じてその人数でいける程の
教師数を揃えてくれたら言うことはない。教師を含め学校のスタッフは、多ければ多いほど
行き届いた教育が出来るのは誰の目にも明らかである。

●国民新党
ゆとり教育を抜本的に見直し、人間力を鍛える教育、基礎教育の充実を図る。先進国並みの教育費を確保するとともに教員数を大幅に増やし、きめ細かな学校教育を展開する。時代に見合った道徳教育を充実させる。

オリジナルも読んでみたが、どうも網羅的一般的で印象に残る部分がない。あ、いやいや、あったあった。
今日的な武士道精神や礼節を実践する個人や団体を表彰するため、日本版の「フェアプレー賞」を創設する。
うーん、武士道精神って、これだけが目立ってしまっていいのか? それからもうひとつ。

「美しい日本語」の普及に取り組む。
美しい日本ではないので間違えないように。ひょっとして洒落? 皮肉?


●新党日本
教員採用試験の受験年齢制限を全廃し、豊かな人生観を持った社会人を教育現場に積極投入する。専用電話相談のチャイルドライン、児童虐待・配偶者による暴力(ドメスティックバイオレンス=DV)の24時間ホットラインを創設する。

マニフェストには、教育という項目は挙がっていない。「食料自給率を高め、こどもを守る 暮らしの安全保障を」という見出しの中で、長野県知事としての実施実績の延長として教育が語られている。
今は教育が流行りだから、マスコミをにぎわしている単語を並べておけば形は出来上がる。
しかしこのマニフェストは、そういった流れとは違うアプローチを感じる。
文面を見る限りでは「視点を変えて日本を見直す」という言葉も飾りではなさそうだが、
しかしこりゃ、教育はマニフェストの目玉でもなさそうだな。お金かからなそうだし。

               * * *

皆様よくご存知の通り、マニフェストに書いてあることが全て実行されるわけではない。
しかし、そこに書かれてもいないことは、期待するのも野暮というものだ。

街宣車で昔ながらの「お願いします」をわめきまくる候補者はいいかげんうんざり。
それが有効な投票者も確かにいるわけだから、無下に責めるわけにもいかないが、
あれが前の道路通ると授業中断するんだよな。
思わずこっちからもメガホンで怒鳴り返してやろうかと思うことがある。
勘違いされて「授業中の先生生徒のみなさん、ご声援ありがとうございます」って
思いっきり白手袋振って言われたら悔しいからやらないけど。

さて、俺の貴重な一票をどこに入れるかって? それは内緒(笑)

今回で100エントリー達成。去年の夏休みから始めたのでもうかれこれ1年になるが、
書いても書いてもネタは尽きない。読者の皆様、今後とも教育毒本をご贔屓に。


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保護者から「子供に携帯電話を買おうか迷っているんですけど」と相談を受けることがある。
すでに担任に聞いてみた、という方もいるだろう。あるいは学校でプリントが配られたり、
全体保護者会で話があったり。学校で携帯電話についてどんなことを言われただろうか?

「小中学生に使わせるな」という話だけだったら、俺に言わせると問題外。
それは指導とは言わない。臭い物にはフタ的な思考停止である。
「交通事故に会いたくなかったら、車に乗らず道路も歩くな」というのと同じ理屈だからだ。
問題を先送りしただけで、なにも根本的な解決になっていない。

ではどうすればいいのか、今回は携帯電話についてのお話。
特に小中学生の保護者の皆様、ぜひぜひ読んでいただきたい。

その前に、ちょっと見ておいていただきたいものがある。

本当に知っていますか、子どもとネットの関係 Yahoo! JAPAN

こういう警告はあちこちにあるのだが、ヤフーの記事は読みやすくまとめてくれている。
悪い噂で不安になる前に、まず予備知識としてこれくらいは仕入れておかないと。
保護者対象の記事だが、生徒諸君も見ておいて損はない。
ここからあとは、予備知識があるものとして書いていくのでそのつもりで。

さて携帯。いきなり具体例からいく。

「出会い系サイトでの被害やメールいじめなど危険性もあり、学校では携帯禁止」という
学校側の主張と、「登下校の安全確認や塾の送迎の為に、携帯電話を持たせたい」という
保護者の気持ちが対立することがある。

しかしこれ、本来は対立なんかしないはずの別々の事項なのだ。

携帯を使う時間帯も場所も目的も違うから、2つの主張はバッティングしないはずなのに、
なぜかごちゃまぜにされてしまいがちだ。テレビの教育バラエティ番組でも、携帯に反対か賛成かという強引な集計を目にしたことがある。そんなイエスかノーかの問題じゃないだろ。

TPOを無視した携帯論議など無意味だ

さすがに「授業中に必要ない」という意見に反対する保護者はいないだろう。
モンスターペアレントなら「授業中でもすぐに連絡が取れないと、帰りに買い物してもらうのに困る。こっちも仕事で忙しいのに学校の休み時間に合わせてメールを送るなんてできない。第一、マナーモードなら授業中でも迷惑はかからないだろう」と吼えるところだ(笑)

たとえばPTAの会議で、保護者の主張と生徒指導の主張が対立して平行線になり、結局、妥協点を見出せずに「学校には必要ない。とにかく禁止!」と、生徒指導担当教師が無理矢理
押し切ってしまうのが、よくあるお決まりのパターンだ。

両者とも児童生徒の安全の為を主張しているのだから、どちらも正義である。
PTA役員の保護者達は、釈然としない気持ちのまま「えーなんでダメなのー」とこぼしながら
学校をあとにする。

賢明な保護者と教師のいる学校では、
「届出制で携帯を持たせるが、学校に着いたら職員室に預け、帰りに受け取る」
という形で落ち着いている。そうやってうまくいっている学校がちゃんとあるのだ。

ここで保護者の皆様にちょっとアドバイス。
学校というところは「PTAで意見をまとめたから許可してくれ」とか、ことを大きくして
持って行くと逆に拒否反応を示すことがある。
教師のつまらんプライドとか校則化するのが面倒だとか理由は色々あるが、
ひっそり個別対応だと、案外なんとかなることもあるものだ。

たとえば俺が親ならならこんな具合にやる。
こういうのは担任に頼んでも決裁権を持っていないので、直接校長に行く。

「登下校の安全の為に、子どもに携帯を持たせます。授業中は必要ありませんので、
 朝、職員室へ行かせますから、お手数ですが校長先生か教頭先生が預かってください。
 帰りに取りに行かせます。万一破損等があっても学校には一切ご迷惑はおかけしません。
 友達に公言したり行き帰りに携帯を見せたりしないようよく言って聞かせます。
 守れなかったり皆さんに何かご迷惑をかけることがあったら即やめさせます。
 念のため携帯の番号もお知らせしておきます。実物はこれです。GPS機能つきです。
 誓約書も持ってきましたので、許可よろしくお願いいたしますm(_ _)m」

小学生だったら説得力を増すためにGPS機能は必須。もちろん実際にも非常に有難い機能だ。
通話とメールだけでネットなんか見れない方がグッドだが、最低でも子供用フィルターを通す。
ストラップをちゃらちゃらつけていくと印象が悪くなるので、つけたかったらあとでね(笑)
アドレス帳やメールも、教師に見られても大丈夫くらいの心づもりをしておこう。
中身(私信)を盗み見るなんてダメ教師のやることで、世の中の動きに敏感な教師なら
絶対そんな馬鹿なことはしないが、念のための用心だ。

それから間違っても眉間にしわ寄せて一触即発ピリピリ状態で行ったりしないように。
悪いことや無理難題じゃないんだから、にこやかにいきましょう。

ここで校長が難色を示したら、あなたは突如巨大化してモンスターに変身し、

「あ゛ぁ? 許可できないだと? 下手に出たら偉そうに。授業に迷惑かけないって
言ってるだろーが。俺の給料で買った携帯を学校の外で使わせるのに、何の権利があって
そんなとこまで口出すんだよ。何? 一存では決められない? はぁ?? お前校長だろーが。
校長のくせにこんなことも決められねーのかよ。ちょっと預かってくれって言ってるだけだろ。
うちの子が帰り道に変質者に襲われたらどーしてくれるんだ!? 責任取ってくれるのか? 
取れるわけねーよなあ。校長や教育委員会が土下座したってそんなもん何にもならねーんだよ。
子供が危険に晒されるのにそれをみすみす放置して貴様それでも教育者か!

それともなにか? 毎日登下校にガードマンでもつけてくれるのかよ。
言っとくけど月水金は帰りに塾直行だからな。そこまでお前送り届けてくれるんだよな? 
塾終わったら寄り道せずに家まで連れて帰ってこいよ。そうそう、帰りの車でいつも冷たい
ジュース飲ませてるからな、それもだぜ。あー炭酸はダメ。金は立替えといてくれ。
あ゛? それも出来ねえ? いってーどうしろってんだよ! うぎゃああああ

・・・書いていて気分が悪くなってきた(-_-;
善良な保護者の皆様、くれぐれもこんなことにならないように。

まあいくら学校への持込を禁止したところで、子供達はいずれ携帯を使うようになる。
だったら、その正しいマナーや自分を守るためのノウハウを大人がきちんと教えていくのが、
本当の指導であり教育であると俺は思うんだがな。交通安全教育と同じだ。
こういうのは責任のなすりつけあいしてたってダメ。学校と親と両方できっちりやらないと。

今回は保護者向けだったので、次回は生徒諸君向けの話も書く。
ただし授業中も携帯OKなんてバカな話にはならないからそのつもりで。


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最近は学力低下や教師の質の低下のほかに、トンデモ保護者の話もよく耳にするようになった。
給食費不払いはマスコミでも取り上げられ有名になったので、ご存知の方も多いと思う。

さてみなさん次はこれ。これですよ~、モンスターペアレント。怪物親。
もうクレームなどと言うレベルを超えてぶっ飛んでいる。

教師悲鳴「つぶされる」理不尽な保護者らのクレーム (2007/07/09産経新聞)
 モンスターにたとえられるほど理不尽な保護者らのクレーム。対応にあたる学校現場の悩みは深刻で、体調を崩す教員も出ているという。文部科学省が本格支援に乗り出す背景には、このままでは教員らが負担に押しつぶされてしまうという、深刻な実情があるようだ。

 「今から出てこい」
 関東のある中学教師は、受け持ちの生徒の父親から電話で怒鳴られた。時計はすでに午前2時を回っていた。
 教師の指導をめぐり、「うちの子だけに厳しすぎるんじゃないか」というのが父親の不満だった。電話では解決できないから、飲食店まで出てこいという。強引な言動に、教師は恐怖心さえ抱いた。
 学校現場がもっとも苦慮するのは、こうした強硬な姿勢だ。毎晩深夜に電話をかけたり、校長室で何時間も怒鳴ったりする“怪物”が、全国的に増えているという。

 要求の内容にあぜんとさせられることも少なくない。「集合写真の真ん中がなぜうちの子じゃないんだ」「毎朝、(母親の代わりに)子供を起こしてほしい」といった無理難題も。
 「不当な要求を突きつける保護者はごく一部にすぎないが、学校に1人でもいれば、その対応に振り回されて本来の業務に支障が出る。現場の校長や教員が抱えるストレスは、一般に考えられているよりはるかに深刻だ」

 クレーム問題などを考察する「学校保護者関係研究会」のメンバーで、立川第一中学校(東京)の嶋崎政男校長がこう指摘する。学校に押しかけた保護者が始業ベルが鳴っても引き下がらず、教員が授業に行かせてもらえないケースもあるからだ。

 文科省の委託で昨年7~12月に行われた教員勤務実態調査によると、全国の公立小学校教員の75%と中学校教員の71%が、「保護者や地域住民への対応が増えた」と感じていた。「授業の準備時間が足りない」と支障を訴える教員も、小学校で78%、中学校で72%に上った。

 何らかのトラブルで保護者から訴えられるかもしれないと考える教員も多く、東京の公立教員の3人に1人が、訴訟の際の弁護士費用などを補償する「訴訟費用保険」に加入しているというデータもある。

 かつて学校の先生は、保護者を呼んでしかりつけることはあっても、保護者から怒鳴られることはなかった。文科省幹部は「学校の権威が薄れ、不満をぶつけやすい場所になっている。地域ぐるみの支援が必要だ」と求めている。


当事者から見ると報道が事実のイメージと違っていることは多いが、これはそうではない。
何の違和感も無くすーっと読める記事だ。それどころか、

実際はまだまだこんなもんじゃない

具体的な話を書くと「貴様ブログで書きやがったな!」と、また大騒ぎになっても困るので、
涙をのんで実例はあげないことにする。本当は書きたくて仕方が無いんだけどな。

ところで、大騒ぎになって困るのは俺達教師ではない。一番の被害者は生徒達だ。
新聞の記事にもあるように、校長室で何時間も粘られると、まともな授業ができなくなる。
こういうモンスター親は、たいていアポ無しで学校の都合などおかまいなくやってくる。
そして担任や校長を呼びつけて校長室に居座り、頭から教師を見下して言いたい放題。
チャイムが鳴って、担任が授業に行こうとすると、

「貴様逃げるのかゴルァ!」

この調子だ。いっそ物でも壊して暴れてくれれば器物破損で警察を呼べるのだが。
しかし警察呼んだら「このクソ校長、親を警察に売りやがったなぁ!」となる(実話です)。

こういう輩は、理論も話の筋もなく妥協の余地も無いメチャクチャな要求をつきつけてくるか、
罵詈雑言を吐き続けること自体が目的なので、電池切れになるまで帰ろうとしない。

校長室でわめき続けて、担任の授業が丸1日自習になったことがある。終りの会にも行けない。
百歩譲って、俺達はまだ仕事だからいい。言われ無き誹謗中傷も拳を握り締め我慢して聞こう。

しかし、突然授業を受けられなかった生徒達はどうしてくれるのか。
毎日集めているクラスの生活ノートのコメントも書けなかったじゃないか。
今朝、妙に暗い顔をしていたあの子、帰るまでに声をかけておきたかったのにできなかった。
あっ、今日の授業でテスト範囲まで進むはずだったのに。問題作り直しだ(T-T)

このモンスター親は、多くの生徒の学習する権利を奪っているわけだ。

こうなるともう業務妨害を超えてテロだ

保護者のみなさん、あなたのご子息も、モンスター親のおかげでこういう損害を受けているかもしれませんよ。

「はい、今日は自習な。ワークブック出して~」
「あれ、シーサー先生来てたのに?」
「うん、ちょっと今な、あれだから。えーそれよりワーク忘れた奴いるかあ~?」

こうやって突然予定外の自習が入ったときは、何かトラブルがあった可能性がある。
生徒諸君に言っておくが、なにか変だなと思って教師に突っ込んでも、俺達は本当のことは
言えないからそのあたりは察してくれ。

「1組のシーサーの親父が来てなあ。3時間前から校長室で怒鳴り続けて困っとるのよ」

なんて口が裂けても言えない。

学校は優しいところだとつくづく思う。こんなわけの分からん奴に長時間相手してくれる所は、学校以外のどこにもない。世間では誰も聞いてくれない鬱憤やストレスのはけ口だ。

教師はサンドバッグではないのだよ

ところで記事の中で、夜中に電話がかかってくる話があったが、これには防護策がある。
教師の自宅電話や携帯の番号を公開しないことだ。

俺達教師は、本来「何かあったらいつでも連絡してください。飛んでいきますから」という
覚悟で、自分の個人情報を公開していた。もちろん今も公開している教師は多い。
しかしそれを悪用されるようでは、勤務時間外は一切お断りにせざるを得ない。
24時間交代無しのサポート体制なんて、残業手当て無しの安月給でやってられない。

俺も若い頃、休日に無言電話がかかったり、毎晩のようにかかってくる保護者からの電話で
悩まされた。生徒ではなくノイローゼ気味の母親の、無料人生相談室状態だった。
決まって食事時にかかってきて1時間から2時間のお相手。相手は延々としゃべり続ける。
受話器を当てている耳が痛くなる。家族も遠慮してテレビを消したり息を潜めたり。
やっとの思いで電話を切って、冷めたおかずをぬるいビールで流し込むと、ドッと疲れが来る。

教師は家に帰ってもリラックスしたらいけないのか?

そういうことがあって以来、俺はクラス名簿に自分の電話番号を載せなくなった。
時々、不信に思った親から理由を聞かれることもあったが、とぼけ通した。
自衛しないと、校長も教育委員会も、誰も俺や俺の家族を守ってくれないからだ。
今では名簿そのものがなくなっているので助かっている。

もう公立学校も私学のように割り切って、5時まわったら留守電にすればいいのかもしれない。
そしたら親の替わりに万引きの引き取りにも行かなくていいし、公園で煙草吸ってるガキも
警察に任せておけば済むからな。もう俺達は手一杯だよ、ほんと。

こんな捨て台詞で終わるのも悔しいんだが、なんだかな世の中だ。
自分に害が及ばないようにせいぜいうまく立ち回るのみだ。


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報道がすべて事実とは限らないことは、賢明な読者の皆様ならご存知だろう。
嘘ではなくても、真実とは違うニュアンスで伝えられることもよくある。
記者自信が真実が見えていないまま、思い込みで間違ったことを書いていることもある。

一般の方に誤解されていそうな微妙な記事があったので、ちょっと解説しておく。

学力テスト:障害持つ児童の答案を採点から除外 足立区
 東京都足立区教育委員会は7日、昨年4月に区が独自に実施した学力調査(テスト)で、トップの成績の小学校が、保護者の了解を得ずに情緒障害などのある児童3人の答案を採点対象から除外していた、と発表した。区教委は「保護者に説明せずに不適切だった。申し訳ない」とコメントした。

 区教委によると、学力調査は、小学2年~中学3年生を対象に04年度から区が独自に実施し、各学校ごとの順位を公表している。この学校は、05年度は44位だったが、06年度はトップになった。

 3人はいずれも6年生(当時)で、情緒障害などが見られる。普通学級に在籍しているが、週に何回かは別の学校の特別なクラスに通っていたという。

 3人はテストは受けたものの、「文章を理解する力が通常より難しい」などの理由から、校長の判断で採点対象から除外した。区教委は事前相談や保護者の了解があれば、問題の理解が難しい児童の採点除外を認めているが、この学校はその手続きをしなかった。校長は「怠った」と説明しているという。3人の児童の親のうち2人は校長の説明に納得していない。

 同区では、学校選択制を02年度から実施しており、成績の上位校に入学希望者が集まる傾向にある。この学校は、誤答している児童の机を教師がたたくなどの疑惑も指摘されているといい、区教委は、さらに調べる。区教委は「児童に対する配慮」を理由に、学校名は明らかにしなかった。

(毎日新聞 2007年7月7日)

さて皆様、この報道で問題点とされているのは何だろうか。
足立区の某小学校で良いことがあった記事でないことは分かると思う。

「えー、障害持つ子の答案は除外って、かわいそうじゃん。いっしょにしてやれよ」

そう思ったあなた、それは マ チ ガ イ ですっ。
出来ないことを無理矢理やらせたら、それこそいじめになってしまう。

今は特別支援という言葉を使うが、何らかの障害があって皆と同じことをするのが難しい場合、
その子に合わせた特別なケアをする。スタッフも大勢ついて「特別なクラス」を運営し、
それこそ採算や効率など度外視して取り組んでいる。一般生徒の何倍も高密度の教育だ。
それができるのが公教育のいいところなんだが、効率化とか民間を見習えとか力説している
偉いヒトたちはきっと気に入らないんだろうな。

障害を持つ子の答案を除外したことは問題ではない

記事をよく読んでいただきたい。
区教委は事前相談や保護者の了解があれば、問題の理解が難しい児童の採点除外を認めている
ってちゃんと書いてあるだろ? うっかり見出しにひっかかってはいけません。

肝心なのはそのあとだ。校長はその除外手続きをしなかった。
そして、3人の児童の親のうち2人は校長の説明に納得していない。

保護者と校長がうまくいってないのが一番の問題なのだ

そういう意味では読売新聞の見出しの方がまだ本質に近い。

区の学力テスト 保護者に無断で障害児の成績除外 (2007年7月8日 読売新聞)

たまたま障害児だったから、成績アップ工作と合わせてセンセーショナルに書いてやれと記者が思っただけだ。

そしてこういう事態を招いた背景には、学校選択制がある。

学力調査の順位が発表されたら、それが人気に影響するに決まっているじゃないか。
どこの親が進んで我が子をバカ学校(って言うそうな)に入れさせるものか。
たとえ我が子はバカだと分かっていても、せめてお友達はお勉強ができる子がいいと思うだろ。
学校名は区教委により伏せられているが、それこそ我が子の為に開示請求する親も出てくるぞ。
あ、そんなことしなくても、過去の結果が足立区ホームページに掲載されているから
トップなんてすぐ分かるじゃないか。「児童に対する配慮」ってその程度だったのね(笑)

といった具合に、実際はわずかな数の点の取れない子が平均点の足を引っ張っているだけなのに、
学校全体が馬鹿生徒のかたまりのように思われて、人気がなくなることが起こり得る。
わずかばかりの数字の差に振り回されて、生徒も保護者も教師も右往左往する。

それを避けるために、点の取れない子を休ませたり答えを教えたり、姑息な小細工をする。
学校選択制がない地域の教師は、そんな馬鹿げた小細工など思いつきもしないだろう。
ちょっと考えてみろよ。1年で44位からトップって、それ普通あり得ないだろ(笑)

これは学校選択制が産んだ新しい弊害のひとつだ

教育の成果を表現するのは難しいが、システムのほころびは実に分かりやすい形で露呈する。

いかがだろうか。この記事をこんな視点でもう一度読み直してみて欲しい。
そして学校選択制地域の保護者の皆様、くれぐれも数字に惑わされぬようご注意を。

この二極文化の時代に平均点ってもうダメなんだよ。
俺が親なら成績別度数分布の公開を区教委に請求するけどな。


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教育再生会議のサイトはいつも更新が遅いが、気がついたら第8回の議事録が掲載されていた。
第二次報告が出たときのものだ。その中に、陰山"百ます"先生のちょっと面白い発言があった。

第8回教育再生会議議事録 p.7
○陰山委員
今まで全然言っていなかったんですけれども、重要な問題が一つあります。といいますのは、管理職の任用の問題です。といいますのは、学校現場にいますと、本当にこの人は校長になれば、すごくいい実践をしてくれるんじゃないか、ものすごい実績があるんだけれどという教師がいるんですけれども、そういう人というのは、えてして子供と一緒にいるのがいいと。とかく、今管理職になってしまいますと、さまざまな大人同士のあつれきの中で、子供とかかわることが少なくなってしまうから嫌だという人が多いんです。

でも、そういう人に例えば、仮に管理職になってほしいというふうに思ったとしてみても、今は採用試験を受けるというハードルがありますので、その任用試験を受けないという決断をしてしまえば、どう言ってもその人を管理職に任用することができないわけです。

ですから、教育長が今度教育委員会に対して、何らかの形でその地域に対する責任を持つということができた以上、それを効率的に実施していくためにはその人事権が必要であると。そのときに、中でどう動かすかということよりも、実は非常に優秀な人材をそういうところでつけていくということが必要ではないかなというふうに思うんです。ですから、全体の1割とか2割とかという、それは御議論でいいとは思うんですけれども、やはりこの人を校長にしたいという人がなっていけるような制度構築が私はかなり大事だろうと思っておりますので、ぜひともそれをつけ加えていただきたいと思います。


俺はこの一節を素直にうんうんとうなづきながら読んだ。
これはまさにその通り。現場を良く知りキャリアを重ねた者が語るリアルな現実である。
辞めてしまった義家ヤンキー先生の経歴では、残念ながら知りえなかった状況だ。

優れた教師が校長になるとは限らない

民間なら、業績ある優れた人材が上からの指名を受けて管理職に上がっていく。
世間の皆様は、そんなものは当たり前だと言うだろう。

だが学校は違う。まず教頭試験を受けなければいけない。
それに合格した者の中から選ばれて、実際に教頭のポストに就く。
業績や能力以前に、自発的に試験を受けることが大前提になるわけだ。まず教頭試験ありき。

え? 教師は誰でも教頭や校長になりたいんだろうって? 残念ながら違うんだな(笑)

陰山先生の言うように、いくら素晴らしい人材でも「ボク担任がいいもーん(^o^)」で
試験を受けなければ、最後まで担任でいられる。たとえ担任でなくても、授業や部活で
毎日生徒の相手をできる。

校長教頭、つまり管理職は、原則的に授業はしない。教師や保護者の相手が仕事だからだ。
そういう意味では、教頭や校長は、もはや教師ではない。
だから管理職にはなりたくないという教師も多い。
まして最近は名誉は地に堕ち風当たりだけがやたら強い。

一方で、とにかく管理職になりたくて仕方がない教師もいる。
本当に出来る者ならそれでいいが、たいして能力も実績もないくせに口だけでのし上がろうとする奴もいて、こういう輩は本当にうざい。出世欲が汁になって全身からダラダラ流れ落ちている。

本当に能力のない奴なら管理職になれないだろうと思うかもしれないが、そうじゃない。
従来の校長は、新しいことを何もしないのが美徳だったり、危機管理能力も今ほど必要じゃなかった。人柄さえ良ければ十分だったりもした。それはそれでとても大切なことなのだが。
生徒指導の実績で教頭になったものの事務処理能力がなくて、自分の仕事を片っ端からまわりの
教師に押し付けて、怒鳴り散らしてしのいでいる教頭もいるくらいだ。
そういう人間でも通るような管理職試験をしているから、こうなるんだけどな。

だから教育委員会も心得ていて、ダメ校長のいる学校には出来る教頭が配置されていたり、
逆に切れ者の校長の下にはヘタレな教頭がいたり、人事で苦労しているわけだ。
特に小さな市や町だと、マジで管理職にふさわしい面子が足りなかったりするんだな。

校長になるのは優れた教師とは限らない

逆もまた真なりだ。

学校で不祥事があると、記者会見に校長が出て全国ネットのテレビで晒される。
こういうのを見ていると「ハァ? このヒトが校長??」と疑うほど情けないことがある。
不祥事でボコボコ状態で元気なオーラも出るはずはないし、真実も語れないからだが、
それ以前に、本当に人として器が小さすぎてみすぼらしい校長も実在するのだ。

もちろん素晴らしい校長もいくらでもいる。
そして、校長より素晴らしい人材が、役職に就かず生徒と一緒に転げまわっていることもある。
学校というのはそういうところだ。

免許更新制でふるい落とすことに膨大なエネルギーを使うのはいかがなものか。
それなら人材のピックアップにも金とエネルギーを使わないとバランスが取れなかろうに。


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前回に続いて、団塊と日教組その2。

日教組では、各学校の組合員組織を「分会」と呼んでいる。
その中に、30歳以下の組合員で構成する「青年部」、女性で構成する「婦人部」がある。
20歳代の女性教師だと、青年部と婦人部の両方に属することになる。

年度始めに、組合員だけが集まって分会長、青年部長、婦人部長を決める。
主任制に反対していた割には、こういう役職はきっちり決めるわけだ。
年度始めの恒例の組合行事だが、これが一種のパフォーマンスになっている。
職員会議のあとにこんな声がかかる。

「このあと引き続き分会会議を行います。組合員の先生は会議室に移動してください」

組合員が一斉に立ち上がり、職員室から出て行く。後には非組合員と管理職が残される。
組織率(加入率)の高い分会(学校)では、それだけで十分な示威行為だ。
分会会議が行われている間は、学校としての公式な業務はストップする。
だから分会会議は5時過ぎに開始したり、年度始めの春休み中なら休憩時間という扱いにする。

で、この青年部や婦人部で何をしているかというと、青年部ボウリング大会とか宴会とか、
土曜日の婦人部昼食会とかの活動がメインだった。

実質はレクリエーションのための組織だった

団塊の世代は、とにかくみんなで群れて何かするのが大前提だった。仕事も遊びもみんな一緒。
今や懐かしいストもお祭り気分だった。たとえば早朝2時間ストライキはこんな具合だ。

スト前日。朝の職員打ち合わせで連絡事項が出尽くした後、校長が職務命令を読み上げる。

「職員は明朝のストライキに参加することなく、職務にまっとうすることを何とかかんとか」

すかさず分会長が立ち上がり、よく通る大きな声で、

「ただいま校長より職務命令が出ましたが、明日のストは予定通りです。組合員の皆さんは
 職務命令に屈することなく!、明朝2時間ストへの参加よろしくお願いしまっす!」
おーっパチパチパチ(拍手)

この儀式はそこで終わって、特に険悪なムードもなく、さらりとその日の授業に入っていく。

そして教室では、「明日ストをするのでご理解ください」という保護者向けのプリントが
配られる。しかしこのプリント、組合員でない担任教師には当然配る義務はない。
替わりに組合員がよそのクラスで配布したこともあったし、
「なんで俺に配らせるんだ!?」組合員でない担任が怒ってゴミ箱に捨てたこともあった。

そして当日。

いつもなら出勤している時間、学校へは向かわずに各自で集合場所へ三々五々集まっていく。
たいてい大きな公園だ。前方のステージあるいは街宣車の上にはスピーカーが用意され、
○○教組とか◇◇支部とか△△分会とか描かれた旗が何本も立っている。
分会長が持つプラカードを目印に、学校ごとにかたまっていく。
団結ハチマキが配られたりする間に、だんだんと人が増え定刻が近づいてくる。
あちこちで「いやー久しぶり」「どう、元気してる?」などの声が聞かれ、同窓会的な
なごやかな雰囲気もかもし出している。

やがて前方では組合幹部の演説があり、最後は「団結がんばろう」で拳を突き上げて締める。
どこの労組のストも似たようなものだったろう。集会が解散すると、こんどは集団で
ぞろぞろと各自の学校に戻っていく。

学校には、校長教頭と組合員でない教師が残っている。通常の授業はできないので、
手分けして組合員が用意していった自習プリントを配って生徒の面倒を見ている。
今考えると、ストで手薄の間に生徒が暴動でも起こしたらどうするんだろうと思うが、
当時はなんとなく生徒は生徒でおとなしくしていた。保護者からのクレームもなし。
そういう時代だったんだろう。

学校に戻ってきてすぐに授業かというと、ここでワンクッションある。

「職場復帰は10時10分。遅れることがないように。ただし定刻までは職場に入らないように」

ということで、校門の前にハチマキをして並んで待つのかと思ったらそうではなかった。
「シーサー君どこ行くの。まだ時間じゃないよ、こっちこっち」先輩教師が手招きする。
ガランカランとカウベルを鳴らしてドアを開けたのは、行きつけの喫茶店だった。
学校の近所の喫茶店でモーニングなど食べ煙草を吸いながら、時間をつぶすのだ。
トラックが納品待ちしているようなものだな。
集会場所から一番遠い学校に戻るのに十分な時間を取っているので、近場ではこうなる。

教師が平日の朝っぱらから喫茶店にいても、教育委員会に通報する市民などいなかった。
「あれ。先生休みですか」「いえ、今日はストなんです」「ああそう、ご苦労さん」

学校に戻ると「ご苦労様です」職員室で残留組の非組合員教師や管理職に声をかける。
そして2時間遅れで、何事もなかったかのようにいつもと同じ一日が始まる。

団塊の先輩教師達に連れられていくストライキは、新人の俺にとっては、なんだかちょっと
遠足みたいにワクワクするイベントだった。
これで俺の給料が上がるのかとかいう期待感ではなく、「闘争」とか「戦術会議」とか
「職務命令」とか「断固として」とか物騒な言葉が飛び交う割には悲壮感のかけらもなく、
和気あいあいとしたものだったからだ。

今時こんなストライキをやったら、「授業時間を保障しろ」「2時間分給与を返還しろ」
「職場放棄の不適格教師は処分しろ」等々、非難ごうごうだろうな。ということで3に続く。


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「まいったな、なんで嫁さんより俺の方がボーナス少ないんだよ」

しきりと嘆いているのは某市教育委員会指導課勤務の指導主事。元中学校社会科教師。
ちなみに同い年の彼の奥様は、同じ市内の公立小学校の教師で5年生担任。
2人の子供がいて育児休暇もしっかり取ったので、本来なら旦那より給料は安いはずだ。

ボーナス出るだけマシだと思え、という突っ込みはちょっと置いといて、

指導主事よりヒラ教師の方が給料が高いこともある

教育委員会というと、世間一般の皆様はどんなイメージを持っているのだろうか。
なんだかスーツ着た偉そうな連中が時々学校に来て校長や教師を威圧していくとか、
「教育委員会に言うぞ」と言えば教師はビビるに決まっているとか。(註:都市伝説です)

教育委員会の中で、直接学校と関係あって事件があったときに対応しているのは指導課という
ほんの一部署に過ぎない。人数にすると、10万都市でせいぜい10人程度。
それまで学校で教師をしていた者が、教育委員会に異動になって行政の仕事をするわけだ。
だから、俺達現場の教師にとって特別に脅威だったり雲の上の偉い人だったりはしない。
管理職になりたい教師にとっての、キャリアの通過点にすぎない。

まあ、仕事も出来るかわりに偉そうにしている人であるのも事実だけどな(笑)

給料の話に戻る。教師になるには、県の教員採用試験に合格しなければならない。
教育実習は教員免許を取るための大学の単位のひとつにすぎない。教員免許があるだけでは
教師になれないので、知らなかった人は覚えておくように。
晴れて合格すると市立や町立の学校に赴任する。しかし採用は県なので給料は県から出る。
これを県費職員という。事務員や管理人は市費職員。

教育委員会は行政機関なので、そこに勤務している間は給料は市や町からもらうことになる。
教頭や校長になって現場(学校)に戻ると、また県費の給料に戻る。
財政豊かな市ならいいが、そうでないと教育委員会勤務になったとたん給料が下がってしまう。
それでこの時期、冒頭のようなぼやきが聞かれるわけだ。

その分、管理職手当がついていたりしたんだが、最近は財政難でどんどんカットされている。
教育委員会指導課の仕事は、膨大な事務処理から議会対応、地域行事への参加、トラブル対処まで多岐に渡る。役所で最後まで電気がついているのが指導課だと言われるくらいだ。
そして地域行事や学校の運動会で土日に出勤しても学校の運動会のような代休はない。

さらに、最近実施され始めた勤務評定。働き具合によって給料に差をつけようというものだが、
教育委員会は、遠慮して自ら一律「中」ランクに固定していたりする。
毎日5時に帰っている現場の教師より勤務評定ランクが低かったりするわけだ。

教師の中で能力のある者が、校長になる日を夢見て安月給と激務に耐え忍ぶ期間が、
教育委員会の指導主事だ。

教育委員会がなっとらんとか世間の声があるんだが、お飾りの「教育委員」は放っておいて、
実務をやっている者は、もうちょっとまともな待遇でもいいんじゃなかろうかと俺は思う。
ちょっとぐらい偉そうに出来るだけとかいう実体のないご褒美では、そんな割の合わん仕事、
誰もやらなくなるぞ。名誉職だった校長も、最近では風当たり強くてパッとしないからなあ。

え、俺か? 管理職やってたらこんなブログ書いてられんよ。
もっと給料高くて権限が多かったら考えないでもないけどな。もう好きにしちゃうぞ(笑)
まあ現場にいて毎日生徒とドタバタしていたら、時々、震えるぐらいいいこともあるから、
それで十分だ。なんと言っても俺、教師だし。

若い頃は指導主事が来たらビビってたけどな。おっさんになったら全然(笑)
なんでビビったかとか、教育委員会のお仕事についてはまたいずれ。


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