公立中学校教師の辛口教育コラム。一般の方に分かりやすく心がけてます。真面目なだけのセンセは服用に際して十分ご注意下さい(笑)
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教育関係のニュースというと、呆れるのや悲しいのや情けないのや、ろくでもないのが多い。
しかしたまにはいい話もある。

小・中教職員2万1000人増 3年間で文科省計画(2007年8月24日 読売新聞)
 文部科学省は23日、2008年度から3年間で、全国の公立小中学校の教職員を2万1362人増員させる定員計画をまとめた。

生徒との時間を確保
 計画に沿って、来年度予算の概算要求で、現場教員のリーダーとなる主幹教諭や事務職員など、計7121人の増員を求める。教員が子どもと向き合う時間を確保するための措置だが、計画通り増員するためには、教職員定数の削減を規定した行政改革推進法(2006年6月施行)の改正が必要となる見込みだ。年末の予算編成に向け、財務省との折衝は難航が予想される。

 7121人の増員の内訳は、主幹教諭3669人▽事務職員485人▽特別支援教育の充実903人▽栄養教諭157人▽習熟度別少人数指導の充実1907人。文科省は来年度予算の概算要求で、教職員給与のうち国が3分の1を負担する「義務教育国庫負担金」について、対前年度比約1・8%増の1兆6957億円を要求する方針だ。

 さらに、年5000校を対象にした不登校の児童・生徒への対応などを行う非常勤講師の配置(約77億円)や、学校事務の外部委託のための地域での体制作り支援(約204億円)なども盛り込み、教員の負担軽減につなげたい考えだ。

 教職員定数をめぐっては、行政改革の一環として削減が求められている一方、政府の教育再生会議や与野党から「教員が多忙すぎて一人一人の指導に手が回らない」などと増員を求める声が出ていた。


教師の数を増やしてくれたらそれだけで教育が良くなると、今までに何度か書いてきた。
この予算案が本当に通れば、3年間で公立小中学校あわせてなんと21,362名増。
事務や栄養職員も含まれているが、それでも実に喜ばしいことだ。
口先だけの教育改革でなく、たとえ1人でもスタッフを増やしてくれるのに文句は無い。

一般の方はどう思われただろう。
「うちの子の学校も先生増えるのかな」「国もちょっとは教育に力を入れてきたのかな」

と、その前に。ちょっと待って欲しい。
全国に公立の小中学校がいくつあるか、皆様ご存知だろうか。

公立小学校 22,420 公立中学校 10,150 計 32,570校 (平成19年5月1日現在)
  --文部科学省 平成19年度学校基本調査 在学者数 参考図表1より--

32,570校に対して増員21,362名。簡単な算数だ。

実際は1人も増えない学校もあるのだ

そして都市部や大規模校では、2人増えるような学校もあるだろう。
そうすると増員されない学校はさらに多くなる。
各都道府県に対して、どんな割合で増員されるのか。政令指定都市が枠をたくさん取るのか。
例によって地方は割を食って放置プレイになるのか。
何にせよ、国民すべてがその恩恵を受けるには、まだまだ足らないというところだ。

悪い話じゃない。しかし手放しで喜べる規模でもない。
世間の皆様も、うっかり喜び過ぎないように気をつけていただきたい。

少しずつでもいいから、こういう実質的な対策が積み重なっていくことを祈るばかりだ。

簡単な算数なのに新聞四誌とも書いてない。ちゃんと書いてくれよ。
でないと、ぬか喜びした自分が悲しいから(笑)


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俺は野球は全くの素人だし興味もない。野球部の顧問もしたことがない。
部活の顧問は、興味も経験もまったくない者が仕方なくやっていたりするのだが、
別に野球を知らなくても教師はできる。採用条件にもそんなものはない。当たり前か(笑)
しかしこれは業務上無視できない話だし、実際に身に覚えのある事例なので少し解説しておく。

少年野球監督、積極的に進学に関わる 特待生会議で報告(2007年08月20日 朝日新聞)
日本高校野球連盟の「高校野球特待生問題有識者会議」の第3回会合が20日、東京都内であり、硬式少年野球の監督らから事情を聴いた。選手の高校進学で学業成績が推薦基準に足りなかったときに、監督が高校関係者に働きかけて入学を後押しするなど、積極的に進学にかかわっている実態が報告された。

 関東と近畿の2チームの監督が状況を話した。両監督とも中学校の成績表を提出させて保護者と面談。生活態度や進路について指導しているという。

 第2回会合では中学校関係者から、中学を介さないで選手の進路が決まっていく現状を問題視する声もあった。それについては「高校側から直接話がくる」「中学と接点を持とうとしても持ってくれない」と説明した。

 第4回会合は9月14日に行われる。


中学校の3年生の個人保護者会。呼び名は個別懇談会でも三者面談でも何でもかまわない。
生徒と保護者と担任で話をする、あれだ。3年生では進路決定が控えているので真剣だ。
どの高校を受験するか、自分の成績資料を前にして理想と現実が怒涛のせめぎ合いをする。

値引き交渉や賃金闘争ではないので、生徒や保護者がいくら粘ってもそれで結果が変わる
わけではない。我々教師は、過去の卒業生のデータや高校の状況や生徒の様子から判断して、
合格可能性やその高校との適性をアドバイスする。それも担任個人の裁量や経験によるもの
ではなく、学年所属の職員を中心に、長時間の会議で検討した結果を元にして話をする。

早い話、進路の指導は、とてもじゃないが担任一人の技量でできるような代物ではないのだ。
進路指導主任という係は中学校で一番事務作業量が多く、段取りとスピードが要求される。

そういうことを前提として、ここから先をお読みいただきたい。
3年生の個別進路懇談会で、こんな会話があったとしよう。

保護者 「うちの子は○○高校を受けようと思います」
担 任 「前から進路希望は○○高校ですね。ところで、なんでそこがいいの?」
生 徒 「やっぱ野球したいし。夢は甲子園」
担 任 「なるほど。ところで進路希望には第1希望しか書いてないですね」
保護者 「はい。この子の成績だったら受かるそうなので」

ちなみにこの真っ黒に日焼けした野球少年は、野球の才能はあっても勉強はさっぱり。
まともに受験したら、憧れの○○高校に合格するには滑り込みアウトの成績である。

担 「おかあさん、受かるって、それどこで聞いてきたんですか。塾ですか?」
保 「いえ。(少年野球の)監督が『これなら大丈夫だ』って」
担 「そりゃ確かに、野球の技術は大丈夫でしょうけど、シーサー君英語8点ですよ。
  数学だって13点、国語はまあ34点とか取ってるけど、これ大丈夫じゃないですよ」
保 「いいえ先生、それがね、監督にちゃーんと通知表も見てもらって『ちょっときついかも
  しれんが、俺が高校の監督に話つけとくから安心しろ』って言ってもらったんですよ」
担 「いや、あ、あのですね」
生 「高校に行ったら部活も勉強もしっかりがんばります!(^-^)」
保 「そうよね。ということで先生、よろしくお願いします(^-^)」

親子揃って満面の笑みを浮かべている。どこを受験するかとかいう話じゃなくて、
完全に合格の内定をもらった気分で出来上がってしまっている。進路相談じゃなくて報告会だ。
少年野球の監督というのは、こういう場面で我々教師の前に突如登場するのだ。
しかも過去に何回かあった事例で、いつも同じようなパターンで。

はっきり言って、これ困るんだよな

登場するといっても、少年野球の監督が中学校へ来るわけではない。来ていただく必要もない。
「中学と接点を持とうとしても持ってくれない」と記事にあるが、これは納得できる。
俺は会ってくれと言われたこともそれを拒絶したこともないが、残念ながらお会いしても
我々の立場としてはどうにもならないのだ。

なぜか。

正規ルートのまっとうな進学指導に、第三者の少年野球の監督が介入する余地はないからだ。

生徒を取る私立高校側の参考資料として、生徒の技能について情報提供することは出来る。
それが「高校側から直接話がくる」ということだ。
高校は、選手が欲しいから情報集めをする。中学校で部活に入っている生徒なら、試合を見て
スカウトするなりツバをつけるなり出来る。顧問の教師に話を聞くことも出来る。
そうでない生徒、つまり少年野球で活動している子は、その監督に話を持っていくわけだ。

問題なのはそこから先。少年野球の監督が、進路指導と称して自分の守備範囲以外のことまで
生徒と保護者に吹き込んでしまうことがある。野球は野球、学校のことは学校のこと。
それぞれのテリトリーを守りつつ協調路線でいくべきところを、領空侵犯してしまうんだな。

たとえば学校の成績。その生徒が中学校の中でどんな生活を送っているかも監督は知らない。
当然のことだ。見ていないんだから。そのはずなのに、
「中学校の成績表を提出させて保護者と面談。生活態度や進路について指導しているという。」

あのさあ、俺は別に少年野球に恨みも何にもないんだけど、中学校の成績表って通知表?
いまどきの絶対評価5段階の通知表が、進学指導にどれだけ役に立つのか分かってる?

昔は相対評価で、4や5なら優秀で3は普通くらいで、それぞれ何%くらいか決まっていた。
今の絶対評価だと、生徒の半分以上が4か5なんて成績をつけている中学はいくらでもある。
4なんてついてたら、ふつう良く出来ると思うじゃないか。実は学年順位は中以下だったり。
受験対策でわざと成績をインフレさせて、内申書の数字を粉飾することだって合法なんだぜ。
まあそんな目先だけのモラル無視の小細工が、いつまでも通用するわけないんだけどな。

で、この記事の少年野球監督は、そういう通知表を見て進路指導をしているのだろうか。

あんた自分の立場分かってる?

データを山ほど持ってカリスマ講師をそろえている予備校や有名進学塾とは違うんだぜ。

そして俺達は、夏の総体が終わって引退してフラフラしかけている3年生連中の尻を叩いて
勉強させて、何度も個別懇談会をして保護者とも話をして、私立高校の営業担当教師と面談し、
生徒のための調査書(内申書)を書いて願書を点検して、時には親が忘れた受験料を立替え、
入試当日は朝早くから駅に立ち、高校の校門前で生徒たちを待ち構え、合格発表の日には
生徒と共にガッツポーズで叫び、落ちて呆然としている奴を学校に連れて帰って来るのだ。

そういう日々のすべてを俺達は進路指導とか進学指導とか呼んでいる。それが俺達の仕事だ。

すべての教師がダメ教師でないのと同じように、すべての少年野球監督がこうだとは言わない。
しかし、先にあげた個別懇談での会話のような、中学校を無視した安請け合いをしてもらうと、
生徒も保護者も勉強しなくなっちゃうんだよ。それに通すべき筋がどこか分からなくなるだろ。
そりゃあんたはいい顔ができて気分がいいだろう。

「あいつは俺が高校に入れてやった」ってね

それでもし受験に失敗したら、それは中学校が悪いって話にしておけばいい。
どうせ中学の先公が内申書ムチャクチャ書いたんだろう、とかな。なにしろ責任がないから。

私立高校の野球部顧問と話をする場合は、まるきり違う。相手は権限と責任を持ったプロだ。
生徒の野球の技量を見極めると同時に、営業担当でもある。たとえば成績が足らない場合、
「いくらエースでも英語8点では合格できない。受験までにしっかり勉強させてくれ」とか、
「最低30点取ってくれたら何とかなる」とか、高校としての準公式発言になるわけだ。
それは個別懇談会で保護者や本人に伝えられる重みのある発言でもある。

そして最後に。
「少年野球監督」という肩書きが、野球以外の世界で社会的にどの程度通用するかだな。
何度も言うが俺は少年野球に恨みはない。しかし、少年野球監督という肩書きだけで、
どこの誰とも分からない人間を無条件に信用することはないし、自分の子供を預ける気もない。
いったいどういう人間なのか、必ず会って話して自分の目で確認する。

ましてそれが、生徒の人生を左右するかもしれない仕事の上となればなおさらだ。
社会でプロが仕事をする時に肩書きが重要なのは、所属する組織の信用と責任を表すからだ。
それがない「少年野球監督」としての言動は、外の世界では慎重にしておくのが賢明だろう。

それを考慮せずに、野球の世界特有の倫理で私学や一部の「少年野球監督」が生徒を駒にして
動くなら、我々公立中学校の教師だけでなく、広く世間の信用を得るのは難しい。

もっとも最近では、教師という肩書きなんかで無条件に信用してはもらえないけどな。
それでも中学と高校、教師と教師の間に、プロとしての仕事や仁義はきっちりあるからね。

中学生だけでなく、近所の悪ガキ全部をたばねてくれている太っ腹の監督もいる。
「校外のことは任せとけ」と、俺達はどれだけ助けられたか。そういう立派な人もいるのにな。


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この話、終わりにしたはずだったんだが、各誌まだがんばっているようだ。
8月4日のエントリーに書いた、「一年度の入試でいったいどれだけ儲かるのか、公表してもらいたいものだ」に、応えてもらったような形になっているので、追加資料として記録しておく。

関関同立、入学率わずか1割…大学側もメリット (2007年8月23日 読売新聞)
 私立高校が合格実績水増しのため入学意思のない生徒を多数受験させたことが一因とみられる。同方式による今春の出願者は4校で延べ7万人を超え、受験料収入は総額約12億8000万円に上っており、大学側の経営上のメリットが大きいことも明らかになった。

全文は"続きを読む"に貼り付けておく。

いやーしかし、儲かるんだなあ、有名大学って。
入学者1人につき受験料だけで61万円入ってくる計算になる。

この国の教育システムは素晴らしい高収益だ

なあ、弱い立場の受験生諸君と保護者の皆様、そろそろみんな、無駄金つかうのやめない?
余分な金が無いと大学に入れないなんてなあ。ここでも格差社会の後押しをしている奴がいる。
でもみんなで節約すると体力のない大学がつぶれるのか。全入時代も程遠いな。

自分で取材したかったところだが、さすがに現役公立教師の身分でウロチョロするわけにもいかん。
しかしただの一教師が取材に行っても、おそらくまともに相手してもらえないだろう。
マスコミ取材はOKでも、教育者関係者はダメ。ま、そんなもんだ。


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合格実績「水増し」問題、もう報道されることはないと思っていたが、まだあった。
ちょっと面白かったので紹介だけしておく。記事全文は"続きを読む"に貼っておく。

私立高の大学合格水増し 背景に…進学校変身への「裏技」 (08/19 産経新聞)
大阪や埼玉などの私立高校が、生徒の受験料を負担して行った合格者の“水増し”は、生き残りのために「進学校」に変身する“裏技”が背景にあることが関係者の話で浮かび上がった。「合格実績を上げたい高校」「受験生を集めたい大学」「少しでもいい大学を望む親」の連鎖があるという。

8月4日に俺が最初に書いたエントリーとほとんど同じ内容なので、苦笑してしまった。
もちろん新聞記事にはあからさまな毒はないけどな。

尾木直樹氏がコメントの中でミートホープの偽装事件をたとえに出しているところまで
同じだが、彼は「偽装と同じ」と言っているので主張の中身は俺とは違う。

興味のある方は、もう一度俺の記事と読み比べてみていただきたい。

今回はこんだけ。俺の書くニュース解説もまんざらデタラメではないということで。

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団塊と日教組その3。その1その2を未読の方は、そちらから読んでいただくとよろしいかと。

団塊世代を中心にした職場の雰囲気は、組合活動に限らずすべての場面で同じ乗りだった。

たとえば職員旅行。民間では慰安旅行と呼ぶところもあるそうだが、校長が旅行代金を負担してくれるわけではないし、国民の皆様の血税で飲み食いするわけでもない。もちろん自腹。
以前、どこぞの校長会が研修と称して出張旅費で温泉旅行をやるという暴挙に出ていたが、
俺たち下っ端にはそんな権限も役得も勇気もない(笑)

この親睦旅行とも言われる行事は、職場会とか親睦会とか呼ばれる世話係が担当する。
もちろん公務ではない。組合員の多い学校では、ほとんど組合活動とオーバーラップしている。

そして職員旅行には、断固として全職員一致団結して決行しなければという雰囲気があった。
もう何がなんでもみんな連れて行かないと気がすまない。団塊の世代だけでなく、もっと上の
世代、特に管理職にもその傾向はあった。

職場の教師にも老若男女いろいろいるし、性格も家庭の事情もそれぞれにある。
子供が小さくて泊まりで家を空けにくいとか、お腹が大きいとか、親の介護をしているとか、
あるいは、仕事はそつなくやっているが寝食まで共にするのは堪忍してくれとか。
みんなで仲良く行けたらそれはそれでいいんだが、まあそうもいかない。仕方ないわな。

ところが職員旅行では、そういう弱者にも容赦なく参加しろというプレッシャーがかかる。
管理職から「なぜさぼるのか。職員旅行も仕事のうちだ」などという脅迫があることも。

こいつら仕事とプライベートの区別がついていないのだ

一緒に飲み食いして騒げば、それだけで仕事がうまくいくと信じて疑わないのだ。
実際それでなんとかなるなら話は簡単だが、世の中そんなうまい話はない。
誰もそのことに気づかぬふりをして「これも仕事のうちだ」と豪語する。
本当はただ一緒に騒ぎたいだけなのだ。それがあんた達団塊の世代の習性なのだ。

こういう公私混同体質が、公費で温泉旅行するバカ校長の集団を生むのである。

職員旅行の費用は、給料天引きで積み立てされていたりするのだが、なんと欠席者には
この費用が戻ってこないことが多々あった。
個人が出した数万円の旅行費を、出席者が平然と飲み食いしてしまうのである。

当日の急な欠席ならキャンセル料を取られても仕方がない。当日に近いほどその割合は増える。
しかし事前に欠席が分かっていても堂々とこれをやる。
「宿泊費だけは返金してやろう」と恩着せがましく言われることもある。
しまいには「金を出していて気の毒だから」と、千円たらずの饅頭の箱を土産に買って帰る。
欠席者はそれを有難くいただかなければならないのである。
「あの5万があったら、家族みんなで1日遊んでおいしい食事が出来たのに」惨めな気持ちで
バリバリとかたい包装を破って保存料たっぷりの観光地用饅頭を噛みしめるのだ。

組合は教員とその家族の生活を守るんじゃなかったのか? 

団塊世代が主要構成員の組合は、守るどころか、集団の和を乱す裏切り者という勝手な
大義名分をつけて、同じ職場の弱者から搾取した金で飲み食いしていたのだ。

こういう連中が差別や平和を語り、教えていた。だから教育は死んだのかもしれんな。

別にいーじゃん、無理せず行きたい奴だけで楽しめば? だいたい今時、職場旅行も
流行らんだろ。職場に娯楽なんか期待してないって。次回は組合の話に戻る。


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「携帯電話、持たせますか?」の記事では、携帯電話について保護者向けに書いた。
今回はその続編で、ちょっと生徒向けの話も書いてみる。

さて、夏休みも終りが見えてきた小中学生諸君。前にも案内したんだがこれは読んだか?
本当に知っていますか、子どもとネットの関係(Yahoo! JAPAN )
夏休み中に読んでおけよ。課題図書より役に立つぜ(笑)

で、本題。
携帯買ってもらったら、もううれしくてうれしくて、誰にでもメールアドレス教えるだろ?
実は大して仲良くもないクラスや部活の子に、お互いに携帯を持っているというだけの理由で
仲間になったような気分で片っ端から教えて、教えてもらって。
アドレス帳に名前が並ぶと、それだけでもう、私は友達たくさん楽しい学校生活!みたいな。

それがコドモだっていうんだよ

「仲良くしてね」の名刺代わりのアドレス交換は、実は同時に「気に入らなかったらいつでもいじめてね。24時間OKよ」の誓約書でもある。それわかってやってるか?

ふつうのリアルないじめなら、とりあえず学校を出れば大部分は回避できる。
でもメールでいじめをやられたら、布団の中どころか便所の中まで追いかけてくるんだぜ。

携帯の電源を切らない限り、死ねだのウザイだの臭い消えろ、心に突き刺さる悪意の破片が
大事に握りしめた携帯から次々と湧き出してくる。着信の振動音が鳴るたびに、ひょっとすると友達からのメールかもと読まずにいられない。開くと心臓が止まるかと思うような衝撃。
そしてまた震えながら力なく携帯を閉じる。相手は画面の向こうでへらへら笑っている。

いったい誰が送ってきたのだろうと、クラスや部活のメンバーの顔を順に思い浮かべて
あの子はにらんでくるからとか、あの子は学校ではニコニコしてるけど陰ではやるかもとか、
誰も信用できなくなって悩んでいるうちはまだいい。
自分のメアドや顔写真を勝手にどこかにさらされて、まったく知らない奴から面白半分に送られてきているかもしれないのだ。

パソコンは24時間握りしめていたりしない。メールアドレス捨てて、見るのをやめればいい。
「あんたこのごろなんで返事書かないの?」そうニセモノのトモダチから問い詰められても、
「ちょっと遊びすぎて家でパソコン禁止されてるし」って言っておけばいい。
でも携帯はそうはいかんわな。常時ONで持ち主本人が握りしめているのが分かっているから。
「あんたこのごろ返信しないよね? なんで? あたしが気に入らないわけ?」
「電源切って何シカトしてるのよ。あたしをいじめる気?」

最初に自分のメールアドレスを教えたのは、きみの友達だったんだろ?
え、違うって? それほど親しくなかった? 今さらそんなこと言ってももう手遅れだ。
メールで友達が増える、いつでもつながっていられる、なんて喜んだのは幻想だったことや、
本当の友達なんかいなかったことにやっと気づいても、もう後には戻れない。

結局、携帯を持っている限りどうやっても逃げられない。
ただひとつの救いは「親に取り上げられた」という理由で、携帯を手放すことだけだ。

それから、
自分から個人情報ばらまくバカは終りだ

ブログでもプロフでも、とにかく自分の本名とか電話とか住所とか誕生日とか顔写真とか、
ほいほい出してしまう奴は、いじめの標的、ワルい大人の餌食になること確定だ。
特に女子。あのねえ、君たちをつまみ食いして遊んで捨てる大人はいくらでもいるんだよ。
出会い系サイトやらで知り合って面白半分に出て行ってヤラれちゃって泣いて、性被害?

そりゃ被害者じゃなくて自業自得だ

無防備に自分や自分の情報を晒したコドモは、薄い1枚のティッシュのように使い捨てられる。

もちろん、携帯を持ったから誰でもいじめられるとか女子は全員犯されるとかではない。
個人情報を自分から公表したり、それ系のサイトに行ったり書き込んだり、よく分からない
メールに相手したりしない限り、とりあえず危険はない。
いじめもなく、上手に楽しくメール交換している子もいくらでもいる。
でもそういう子は、携帯があってもなくてもいじめられたりすることはないんだけどね。

今の携帯の怖いところは、現実社会と同じように暗黒面にも繋がっていることだ。
現実社会で、小中学生がそういうダークな場所に意識せずに迷い込んでしまうことは少ない。
しかし携帯からは、とても簡単に気づかないうちにそっちの世界に行けてしまうのだ。
書き込んだりメールしたりする気がなくても、見たくも読みたくもないエグい画像や文章を
いきなり見せられてしまうことだってあるのだ。

君が手にしている携帯は、地獄にもつながっているどこでもドアだ、ということをお忘れなく。
俺は持つなって言ってるんじゃない。要は、使い方ひとつなんだけどな。

夏休みでふやけている生徒諸君、そろそろ締めていかないと休み明けがきついぞ。
って、そりゃ俺もそうなんだけどな(笑)


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俺は教師の不祥事について書くことはほとんどない。本当にダメな教師なら、ダメ加減を
いちいち解説なんかしても不毛だからだ。俺が出るまでもなく世間の皆様が十分叩いてくれる。
しかし今回は特別に、リクエストにお応えして取り上げてみる。
書くからには前向きにいきたいがどうなることやら。

口止め料:小学校教諭、給食注文ミスで児童に100円 津 (毎日新聞 2007年8月8日)
 津市内の公立小学校で7月、4年生を担任する50代の男性教諭が、給食のおかずを選択できる「リザーブ給食」でおかずの数を間違えて注文し、児童7人に「誰にも言わないように」と100円ずつ渡していたことが8日、分かった。

 津市教委学校教育課によると、教諭は7月13日にあった「うなぎのかば焼き」か「トンカツ」を選択できる「リザーブ給食」で、担当する児童32人に事前に希望を聞いた際、おかずの数を取り違えて注文した。希望に反して「うなぎのかば焼き」を食べることになった児童のうち給食に手をつけなかった7人を後で呼び、自分の財布から100円ずつ渡したという。

 帰宅した児童から話を聞いた保護者が学校に問い合わせて発覚した。学校は当日と翌日にかけて、教諭の担当クラス全員の保護者を訪問して謝罪し、同16日に学級保護者会を開いて説明した。校長の事情聴取に対して、教諭は反省を示し、おかず代を返す意味合いもあったと説明しているという。

 同課は「不適切な指導で、子どもや保護者に迷惑をかけ申し訳ない。教諭の処分は早急に検討する」と話している。


はあぁ~・・・もう脱力。この暑いのにうなぎとかトンカツとか100円とか、何やってんだか。
最初に書いておくと、この教師が一番ダメなのは、子供を腹ペコ状態で帰したことだ。

昼飯抜きではないが、おかず無しではなあ。それも楽しみにしていたトンカツが食えなかった。
もう前の晩からトンカツのつもりで準備していたこの胃は、カラダはどうしてくれる。
直前でうなぎにかえろって言ってもそうはいかない。それに第一、魚はきらいなんだ。
隣の奴はうまそうに食っているのになんでぼくだけ。精神的な腹ペコ度はきわめて大きい。
そしてその代償に100円玉1個握らされた。これでは腹はふくれない。

口止め料が安すぎる、うちの子をバカにしているのかとかいう問題ではない。

食い物のうらみは恐ろしいのだよ

注文の間違い、まあこういうことはあるだろう。学校に限らずどんな仕事でもミスはある。
それをどうフォローするかが問題だ。

「昼飯がないわけじゃない。しかもうなぎの蒲焼なんて上等なモノ、文句言わずに食えよ」

そう思った人は、今時の教師はできない。物の無かった時代はそんな贅沢はとか言っちゃダメ。
うなぎなんか食べたことない、こんなの食べられないと泣いた子もいるかもしれないのだ。

「うわあああっ! ごめん、先生間違えちゃった! どっ、どうしよう(汗)」
「いいよ先生、おれウナギも好きだから。おい鈴木、おれのトンカツやるから泣くな」

こんなのは、よほどうまく運営されているクラスだ。それに今時は、こういう子も少ない。
給食を全部ひっくり返して泣いている子に「わたしの唐揚げひとつあげるから」ではなく、
「先生の全部あげればいいじゃん」という時代だ。実際は余分でなんとかなるのだが。

ではどうするべきだったか。俺は中学校だが、小学校を想定して書いてみる。
ここから先は新卒教師も良く読んでおけよ。ひとごとじゃないからな。

まず、いつの時点で発注ミスが発覚したか。おそらく給食で配膳しているときだろう。
「せんせー、トンカツが全然足りませ~ん」子供達が騒ぎ出す。
ここで担任は数を調べて自分の発注ミスだったことに気づく。
たとえ給食センターのミスだったとしても、その確認や追求は後回しだ。
誰のミスであれ、トンカツが足りないことに変わりない。

ここで担任が取るべき処置はただひとつ。すぐに子供達のおかずを確保することだ。

他クラスや厨房に余分のトンカツがあってそれで足りれば良し。
それでも7人分足らなかったのかもしれないが、詳細は不明。
職員室に走っていって、まだ手がつけられていない教師分のトンカツがあればラッキー。
校長、教頭、専科(音楽とか理科とか)、養護(保健室の先生)くらいは、職員室で給食を
食べているはずだ。
「すいませんっ私のミスでクラスの子がトンカツがなくて腹を減らしていますもうダメです
 パニックです暴動です飢え死にしそうです助けてください、そのトンカツ、ください!」

ここで自分の給食くらいためらいもなく全部差し出すのが、まっとうな教師のやることだ。

さらに、そこにいるのがまっとうな教頭なら、
「よし、すぐに集めて持っていくから、あんたは早くクラスに戻ってやれ」と指示を出す。
教師の昼飯くらい、あとで何とでもなる。たとえ食えなくても、そんなことは珍しくもない。
生徒指導でドタバタしていて食べる暇がないことは日常だ。我々教師には昼休みはない。

もし校内でトンカツが調達できなければ、外へ走る。120人分ではない。7人分だ。
スーパーでもコンビニでもほか弁でも食堂でも、街中ならさほど苦労はしないだろう。
たとえトンカツがなくても、唐揚げでもフライでもハンバーグでも子供達の好きそうな物を
買って帰れば良い。

ここで誰が買いに出るか。「私が行って来ます!」箸を置いて素早く専科が立ち上がる。
偉い人たちは教師の数を減らすことしか考えてないが、こういうときに専科もいない学校では
管理職が走らなきゃならんのだ。パシリの教頭。なんか違うと思うが。

「よし、俺が買ってくるから、あんたはクラスに戻ってやれ」と担任を教室に帰す。または、
「クラスの方は俺が面倒見ておくから、あんたは買いに走れ。けちらずドーンと買って来い」

前者は、担任がしっかりクラスをコントロールできている場合。
後者は担任が少々力不足で、教頭が行ってクラスを落ち着かせる必要がある場合。

さて誰かが買いに行っている間、クラスの方はどうするか。全員揃うまで待たせるかどうか。
これはクラスの雰囲気にもよるし、待たせる時間にもよるのでので一概に言えないが、
明らかに時間がずれてしまうなら、トンカツのない生徒を別室に移すという手もある。
たとえば校長室へ、おかず以外の給食といっしょに連れて行くのだ。
そこで校長とおだやかに談笑しながら、トンカツの来るのを待つ。間違っても校長だけ先に
給食を食べてしまわないように(笑)

そして担任なり専科なり教頭なりが、トンカツの入った袋を提げて戻ってくる。
校長室のテーブルの上に広げられると、十分な量のトンカツだけでなく、唐揚げとか
おにぎりとかちょっとだけ豪華版なのがポイント。そして校長はにっこり笑ってひとこと、
「さあ、それじゃみんなで一緒に食べようか。校長先生もお腹すいたぞ」

ここまでやっておいて、担任は放課後各家庭にお詫びと報告の電話を入れる。
もちろん家庭訪問でも良い。お金を渡す必要は全くない。
トンカツ代はどこから出すかって? 担任のポケットマネーに決まってる。

いかがだろうか。俺ならここまでやる。20年前ならもう少しシンプルにしていたろう。

100円玉7個で済むなら誰も苦労はしない

50代と言えば20数年教師をしていることになり、普通に考えればベテランである。
しかし、残念ながらそうでない奴も淘汰されずに温存されているんだな。
経験が生かされることなく、世情にも疎く、感性だけがどんどん干からびて腐っていく。
ベテランどころか、その腐敗は経験年数分だけ進んでいるから始末が悪い。
こういうダメ教師を処分するのに免許更新制など必要ないというのが、以前からの俺の主張だ。

しかしウナギは人気なさそうだ。中国産だったからとかいうオチじゃないだろうな。

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前回前々回に引き続き、この件でのエントリーは3発目になるが、もう少しお付き合いの程を。
さて、合格実績「水増し」報道だが、朝日はとうとう水増しという語をやめた。

大阪府の私立高、受験料負担31校 合格実績上乗せ問題 (2007年08月07日 朝日新聞)
 私立高校が成績優秀な生徒の受験料を負担して有名私大を受けさせ、合格実績を「上乗せ」していた問題で、大阪府私学課は7日、府内の私立高校99校と6年制の中等教育学校の計100校を対象に実施した緊急調査の結果を公表した。それによると、今年春の大学入試で受験料を負担していた学校は31校にのぼっていた。うち6校は、生徒たちに計100以上の学部・学科を受験させ、中には1人で60も合格していた例があった。
(中略)
 受験料負担のあった31校のうち27校は、大学ごとの合格者数について延べ人数だけを学校案内などで公表。しかも、多くの学校は延べ人数であるとの注記をつけていなかった。大阪府私学課は「高校を受験する生徒に誤解を与えないよう、最低限、延べ人数か実人数かの注記はつけるよう各校に求める」としている。

「水増し」が悪意や不正を連想するのに対して、「上乗せ」は単に数字を増やすイメージだ。
やはり問題点は、記事の最後にあるように表記の明確化、つまりちゃんと但し書きをつけろ、
というところだろう。

受験生に誤解を与えないようということだが、今時一人で複数の試験を受けているのは常識だから、程度問題ということだな。合格延べ数と学年の生徒数と見比べてみるといい。

しかしなあ、前にも書いたけど、1人で60も70も合格って、受験数はもっと多かったんだろ?
こんなことが不正も無く物理的に可能なんだから、とんでもない集金システムだ。

受験料収入はリミッター無しの青天井だ

関連してもうひとつ。

合格者“水増し”問題に不快感 伊吹文科相 (2007/08/07 産経新聞)
全国の私立高校で受験料を学校側が負担して大学の合格実績を水増ししている問題をめぐって伊吹文明文部科学相は7日、閣議後の会見で「私学といえども公教育の一端を担っている。建学の精神とルールは両立しないといけない」と述べ、水増しする高校に不快感を示した。

 伊吹文科相は「高校は野球や運動、進学実績というウリを作らないといけない状況のなかで(水増し問題が)起きている。私学が抱える構造的な問題ではないか」と指摘。その上で「教育機関として考えてほしいという意見もあるし、経営が成り立たない状況があるかもしれない。実態をよく把握してみる必要がある」と述べ、文科省として実態を検証していく考えを示した。


公教育という言葉は、もともと国公立の教育を指していたんだが、最近では公的性格を持つ教育ということで私学も含まれるそうな。
俺もずっと文中では公立学校教育という意味で使っていた。その方が私学と比較するときに
分かりやすいんだけどなあ。

それはともかく、教育再生会議などを含め、公教育(公立教育)に競争原理を導入しろと
しきりに訴えている方々がいる。文科相の言う「ウリを作らないといけない状況」だな。
今回の件は、競争原理がフルに発揮されている好例だと思うのだがいかがなものか。

文科相いわく「私学が抱える構造的な問題」は、公立学校にも着々と導入されつつある。
足立区などでは学力調査テストで校長自ら生徒に答を教えたりして、競争原理の先駆者
たるべく実践がなされているしな。

学校選択制もバウチャー制も行き着く先はこれか? こんなものを目指しているのか?

書けば書くほど情けなくなってくる。この件の続報はもうこれくらいにしておいて欲しい。

理事長辞任は気の毒な気もするが、私学ではそれ以上広がらずに収束していくだろう。
そして来年度も体制には影響なく入試が実施される。大学入試制度が変わらない限り同じことだ。


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私立高校が発表する大学合格実績に関する一連の記事、いわゆる「合格実績『水増し』報道」、
前回のエントリーでは、数字にこだわる私立高校の事情を解説した。
その後も続報があり、この件はもう少し続きそうな気配だ。
新聞各社で微妙に差が出てきて気になるので、今回はちょっと並べて比較してみることにする。

埼玉の狭山ケ丘高でも受験料負担 大学合格「水増し」 (2007年08月04日 朝日新聞)
 私立高校が大学合格実績を上げるため生徒の受験料を負担している問題で、埼玉県入間市にある狭山ケ丘高校(小川義男校長)でも今春の大学入試で、成績優秀な生徒の受験料を一部負担していたことが分かった。1人で13大学38学部・学科に合格した生徒や、10大学28学部・学科に合格した生徒もいたという。

首都圏でも合格実績水増し 埼玉・狭山ヶ丘高校 (2007/08/04 産経新聞)
私立高校が合格実績を“水増し”するため、受験料を負担し優秀な生徒に複数の大学を受験させていた問題で、埼玉県の狭山ケ丘高校(小川義男校長、生徒数1080人)でも同様の負担を行っていることが分かった。中には1人で13大学38学部・学科に合格した生徒もいた。これまで近畿圏と静岡の15校で水増しが判明しているが、首都圏では初めて。関係者は「氷山の一角」と指摘している。

埼玉の私立高も水増し (2007年8月4日 読売新聞)
 私立高校の大学合格水増し問題で、埼玉県入間市下藤沢の狭山ヶ丘高校(小川義男校長)が、複数の有名大学を受験する生徒に受験料の一部を補助していたことが4日、わかった。
 同校では今年度入試の合格実績を早稲田31人、明治、法政、青山学院、立教、中央大に計187人と公表した。補助対象者数や受験大学数、補助額などは明らかにしていないが、この6大学のうち延べ52学部・学科は、補助を受けた2人で占めていたという。センター試験だけで合否判定が出る大学も含まれているという。


合格実績水増し?:埼玉の私立高、2人で合格66人分 学校側、水増し否定 (毎日新聞 2007年8月5日)
埼玉県入間市の私立狭山ケ丘高校(小川義男校長、生徒数1080人)が生徒の受験料を一部負担し、07年度入試では1人で13大学38学部・学科に合格した生徒もいたことが分かった。別の生徒は10大学28学部・学科に合格していた。
 同校は今年度、早大に31人、明治・青山学院・立教・中央・法政の5私大に計187人を合格させたと公表。しかし、この2生徒で早大の11学部・学科、5私大の41学部・学科に合格していた。


この「水増し」という言葉、厳密な意味では正しくない。合格数に嘘はないからだ。
とっつきやすくセンセーショナルな言葉を好んで使うのは報道の血がなせる業で、
それをあれこれ言うのも今さらという気がしないでもない。が、気になるものは気になる。

しかし今回こうして並べてみると、報道が最初の一報で見せた勢いが、一部で弱まっている。
自らクールダウンしているのが感じられるんだな。「水増し」という語の扱い方の違いだ。

まず朝日。見出しでは受験料負担が先にきて、水増しという語には「」がつけられている。
そして本文最初の段落では、もはや水増しという語を使っていない。イチ抜けた状態。
一連の報道で、朝日は最初から「」をつけていたのだが、論調としては、水増し強調から
矛先がだんだん流れてきた。その先が受験料負担。だがそれがズバリ核心にならないので、
まだ様子見をしているのが感じられる。

次に来るのが産経。「合格実績を“水増し”するため、受験料を負担」という表現で、
“”をつけて保険をかけながらも、水増しという語法を否定はしていない。
「氷山の一角」というフレーズを拾ってきたのが売りか。

読売は、水増しという語法を気にせず普通に使っている。
「私立高校の大学合格水増し問題」というくくりになっていて、確かにひとことで言うなら
これが一番分かりやすいだろう。他の表現で歯切れ良くワンフレーズで表すのは難しい。

水増しを一番強調しているのが毎日。見出しは「合格実績水増し?」と、わざわざ?をつけて
始めておいて、「学校側、水増し否定」と落とす。否定するなよ~って言ってるわけ。
もう断固として水増しであるという潔い主張だ(笑)

といった具合。紙媒体でなくネットだと、こういう比較が簡単で具合がよろしい。

今回の件は、数字に関して言えば、水増しというより誇大広告とか不当表示の類だと思う。
合格数の表示と並べて「生徒○○人による」とか「特進コース実績」とか明記すれば済む。
今後はパンフレットの欄外に、小さな文字でいいからひとこと付け加えておけばよい。
受験生は他人事ではなくまさに当事者なので、少々の景気付け数字にまどわされず、
実質を見通す目を持たなければいけない。それも実力のうちだ。

私学が受験費用を出したことが一部で問題視されているようだが、なにも特別なことではない。

そもそも私学には、成績優秀な生徒を優遇する特待生制度を設けているところが多い。
高校の入試の段階で、成績優秀者には、入学金や授業料の免除や減免を行っているのだ。
全額免除ともなると、制服や教科書、旅行積立などの出費だけで私学に行けてしまうのである。
入学してからも手取り足取りでしっかり勉強させてもらって、大学進学にも不安なし。

元々は少子化対策のひとつだが、私学にとって実績となるだけでなく、生徒にとってもこんな
有難いことはない。その一環で、学校が大学受験費用の一部を負担する。ギブアンドテイク。
世話になった分、少々のご奉公もする。ごく自然な流れだと思うがいかがだろうか。

最後に残るのが、どんな名目であれ、生徒の意思に反して受験をさせた場合。
もしそんなことがあったとすれば、費用を出したかどうかにかかわらず、これこそ問題だ。

しかしなあ、そもそも成績優秀な生徒が、ちゃんと納得ずくでやってるのが普通だろうから、
そうなれば傍から口出せないと思うよ。センター試験利用なら本人負担も増えないし、
第一被害者がいないんだもん。今時そんなことでヘマするような私学じゃ、やっていけない。

こうやって消していくと、公立高校で生徒に自己負担させて半ば強制的にセンター試験を
受けさせたりしているのが一番問題なのでは、ということになる。あれ、私学の話じゃないな。
公立高校は「生徒の進学指導の為のデータ取りだ」と主張するだろうが、生徒が日頃の学校の指導を恩義に感じて、その無料奉仕行為に納得しているかどうかだな。誰か取材してみれば?

私立と公立との大きな違いはここらにある

ということでマスコミのみなさん、みんなして同じところを突付いていても面白くないよ。
読者の皆さんも、水増しされた報道にまどわされないよう、よーく読んでいただきたい。

何にしても受験生は立場弱いからなあ。大人がしっかり見てやらないと。

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どの業界でもそうだろうが、その世界では別段めずらしくもないようなことでも、
世間に広く知られると驚きの目で見られることがある。明らかな犯罪行為ならともかく、
法的に問題ないが一般慣習にはそぐわないとか、微妙なグレーゾーンの場合がそうだ。
なにかをきっかけにマスコミに取り上げられると、同業者は「何を今さら」と冷めた目で、
あるいは苦笑しながら見ることになる。当事者は対応に追われてそれどころではないのだが。

大阪学芸系列でも水増し 合格186人分、実は7人 (2007年07月25日 朝日新聞)
 私立高校が大学合格実績を「水増し」していた問題で、1人で73学部・学科に合格した生徒がいた大阪学芸高校(大阪市住吉区)と同じ系列の中高一貫校、大阪学芸中等教育学校(同)も今春、成績が優秀な生徒7人に受験料は学校持ちで「関関同立」と呼ばれる関西の有名私大など6大学の計223学部・学科を受験させ、うち計186学部・学科に合格していたことがわかった。両校とも、今後はこの制度を廃止するとしている。

 大阪学芸中等教育学校によると、昨秋、関西、関西学院、同志社、立命館、東京理科、大阪薬科の各大学の学部・学科のうち大学入試センター試験の結果だけで合否が決まる枠への出願を7人に依頼し、同意を得て学校側が出願手続きをした。受験料の総額約300万円も、同校の「進学奨学金」制度を用いて負担した。同制度は02年春の入試から始めたという。

 同校は今春の4私大の合格者数を延べ218人として説明しており、約8割がこの7人による実績だったことになる。7人のうち5人は国公立大に進学、1人が浪人し、私大への進学は1人だけだった。

 同校は大阪学芸高校に隣接し、同じ学校法人が経営。96年に中高一貫校の大阪学芸中学として開校し、03年に現在の校名になった。井上奠夫(さだお)校長は「当時、世間に学校を知ってもらおうと始めたことだと思う。目的を達した時点でやめるべきだった」と話し、今後、合格者数の公表は実数を併記する形にするという。

 大阪府私学課は「明らかになった数字は誇大広告といえ、著しく教育的配慮に欠けている」としている。


もうひとつ、解説記事。
合格実績上乗せ、関西ならでは? 5府県で14校 (2007年07月28日朝日新聞)

「そうか、水増しって言えば水増しになるのか。・・・なんだかなあ」ポリポリと頭をかく。

しかし、こいつはちょっとやりすぎだわな(苦笑)

俺の感想は以上なんだが、この報道の背景を世間の皆様に分かりやすいように解説する。

高校でも塾でも予備校でも、大学合格者数というのは誰にでも分かりやすいひとつのセールスポイントだ。数字を見れば一目瞭然、圧倒的な説得力である。高校の生徒募集パンフレットに
掲載されるし、最近ではホームページにも載る。

私学にとってはそれらが営業実績つまり生徒集めの武器となるので、昔から大切にされてきた。
もう少し夢のある言い方をすれば、学校の特色、個性だな。
最近は、少子化の中で生き残り戦略として各校特に力を入れている。あー、公立は別な(笑)

都市部の学校乱立地帯では、以前は入試難易度のランキングが比較的安定していた。
それが、ここ何年かの少子化に向けた私学の激しい動きで流動化して、そろそろ再編後の
勢力図が固まってきつつある時期だ。地域差はあるが話題になっている関西圏の話としようか。

昔から進学校としての伝統のある高校は、受験対策のクラス編成に磨きをかけている。
医学系コースとか国公立コースとか難関私学コースとか、実に潔く明快に目標が掲げられる。
習熟度別学習の是非がどうのこうのとグズグズしている公立とは次元が違う。

大学合格者数と並ぶのが部活の成績。全国大会1位とか校舎に垂れ幕や横断幕が掛かる。
スポーツだけではなく、各種の検定やコンテストの成績も花を添える。

しかしスポーツで名を売ってきた高校も、この少子化時代にそれだけでは生き残れない。
きっちり進学クラスを作って、そのクラスはもうむちゃくちゃに勉強させて数字を叩き出す。
数字って、もちろん大学合格者数な。高校入試もその進学クラスだけ難易度が高い。
上手に学校経営をやった私学は、スポーツの成績も維持しつつ進学実績ものばすという
驚異的な化け方をしている。

え? 部活やりながらそんなに勉強できるのかって? 違う違う。世の中そんなに甘くない。

同じ名前の別の高校が同居してると思った方がいい

部活で成績を上げる生徒と進学で数字を出す生徒。きっちり役割分担しているわけだ。
どちらも同じ高校の名の下に頑張っているので、それぞれの成果が相乗効果で学校全体の
実績となりイメージアップにつながる。一般大衆的中間層の生徒もその恩恵にあずかって、
増加した推薦枠などを利用しで進学できるわけだ。

もともと成績中位層の生徒が集まっていた高校では、それこそ企業努力で大躍進も可能だ。
中学校で同じくらいの成績だった友人が公立高校と私立高校にそれぞれ進学し、
3年後、私学へ行った生徒は有名大学に合格、公立へ行った生徒は予備校決定なんて例は
いくらでもある。

しかしそうでない高校は、進学実績をアップさせるのに苦労することになる。
そもそもスタートの時点で生徒の成績が違うのだから、少数精鋭に絞ってよほど密度の高い
効率の良い教育をしないと数字を出すのは難しい。
しかし、少子化の波の中で生徒獲得戦を勝ち抜くには、どうしても武器としての数字が欲しい。
その焦りが生んだのが、一連の「大学合格者水増し」報道というわけだ。
段ボールや古い肉で水増ししたわけではないので不正はなく、嘘もついていないのだが、
イメージ優先の誇大広告だというのが問題点になっている。

少数精鋭に絞り込んだ教育は効果抜群で、7人で186の合格を稼ぎ出してしまったものだから、
あまりの極端な数字が問題になった。一人平均26。不合格も入れると出願数はもっと多いはず。
俺のようなオッサン世代だと、この数字に愕然とするのだが、やろうと思えば難しくはない。

最近の大学受験事情に疎いオッサン達のために説明しておくと、今は受験の機会はめったやたらに多い。■日程、▲日程、自己推薦、OAなど訳分からん用語がとびかい、センター試験を利用して書類審査だけの試験もあり、ひとつの学部学科に受験チャンス数回は当たり前。
俺の頃みたいに、国立1期2期、私学などというシンプルな時代からは考えられない状況だ。

個人でまっとうに受験する場合、ヘタな鉄砲も数撃ちゃ当たるなどという理論は通用しないし、
第一、受験料だけでもバカにならない。20も受けたらそれだけで数十万。
一般家庭の受験生が気軽に出来ることではないし、やる意味も無い。
やはり高校のバックアップがあってこそのものだ。

なぜこういう入試制度になっているか。
受験のチャンスを最大限生かすためとか、センター試験で合理化とか、受験生の個性を重視してとか調子のいいことを言っているが、そんなものは単なるセールストーク。

子供が減った分、受験料で稼ぐシステムに過ぎない

なにしろ大学進学希望者全入化の時代だ。大学にしてみれば学生が減れば収入も減る。
以前は、入学金を前納させておいて他校に行った場合は返さないというシステムで儲けていた。
俺も数十万の入学金を捨てた。保険金だと思って仕方なく払った。実際に払ったのは親だけど。

それが今では、1発3万円を超える受験料で回数を増やして小口で稼ぐようになっている。
一年度の入試でいったいどれだけ儲かるのか、公表してもらいたいものだ。

これは大学だけでなく、受験産業全体に言えることだ。とにかく少子化をどう生き抜くか。
本当なら、子供がどんどん減って私学には入りやすくなるはずだ。中学や高校でも同じ。
公立は生徒総数に合わせて学級数が減っていくが、私学はそれでは困る。
どこでも簡単に入学できるようになったら、予備校や塾も商売にならない。
そこで、私学も含めた受験産業全体で、有名私学の偏差値をキープする必要が出てくる。
受験生みんなが勉強してレベルが上がれば、少子化に関係なく難易度は高いまま。
いわば偏差値のインフレ。一方で公立はゆとり教育のおかげで、学習内容は生活保護レベル。

二極分化はここでも着々と進められている。

こんな入試システム作った奴出て来い

ところで、公立高校が申し訳程度に作っている薄っぺらなパンフレットにも、大学合格者数は
掲載されている。有名進学公立はいいとして、中位からそれ以下の学校では、まさか水増し
受験させる金は無いので、表記には涙ぐましい工夫のあとが見られる。

よくあるのは、現役と浪人と区別せずに掲載すること。これ、公立ではけっこう重要なんだが。
「過去数年間の実績」と欄外に小さく書いてあるところはまだ良心的な方だ。
数字は載せずに、大学の名前だけ「○○大学、▲▲女子短期大学など」と書いてある学校も。
「など」という部分に悲哀を感じてしまう。
潔くパンフレットには掲載せず、別の紙に印刷している学校もある。

公立のこんな細々としたことが問題になることはないだろう。
「その数字を見て期待して高い入学金を払って入ったのに!」ということがないからだ。
なんだかアンチクライマックスな話だが、別に公立に恨みがあるわけではない。
公立と私立はかくも違うものだ、ということを覚えておいていただければそれでいい。

もちろん高校の存在意義は、大学受験だけではない。すべての学校が進学校のスタイルに
あわせる必要などない。二極分化どころか、人生いろいろ、世の中いろいろなのだ。


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