公立中学校教師の辛口教育コラム。一般の方に分かりやすく心がけてます。真面目なだけのセンセは服用に際して十分ご注意下さい(笑)
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教師が答案や成績、名簿などの生徒個人情報を持ち出して紛失する話は、以前にも"仕事を持ち帰る教師はダメ教師か?"で書いた。
不注意による紛失や盗難など、そもそもの原因は、個人情報を持って帰らないと仕事が終わらない勤務状況にあり、それを解決しない限りこの手の事件はいつまでたってもなくならない。
これに対して、教師個人の責任に転嫁することで根本的解決策は先送りするのが、行政の取る常套手段だ。

そして今回、責任転嫁がさらに強化された。

都教委「個人情報含むメールも会話も禁止」新基準作成へ(2007.11.25 産経新聞)
 児童や生徒のテスト結果など個人情報を教員が学校外に持ち出し、紛失するケースが相次いでいることから、東京都教育委員会が個人情報の扱いを詳細に定めた独自のガイドラインづくりに乗り出したことが25日、分かった。新たな管理基準は、教員に個人情報を含むメールの送信を禁じるほか、学校外で児童・生徒の情報を話題にした会話も禁止するなど厳格化した点が特徴という。違反した場合、厳しく処分する方針で検討している。

 都内の公立学校で今年4~10月、児童・生徒や卒業生の個人情報を紛失するミスが5件も発生。いずれも個人情報が入ったメモリーやパソコンを入れたかばんを電車内や飲食店などに置き忘れる不注意が原因だった。

 都教委は、これまで断続的に注意喚起や再発防止を指示してきたが、ミスが絶えない原因を「個人情報保護に対する教員の意識が必ずしも高くない」と分析し、個人情報管理の厳格化が必要と判断した。

 新たな管理基準には、

(1)個人情報の入った電子メールの送信禁止(2)個人情報を記録したメモリーや書類は必ず鍵のかかる引き出しなどに保管(3)私物パソコンの学内使用禁止(4)個人情報が記された書類の裏面をメモ用紙に使用しない-などを盛り込んだ。また、学外で児童・生徒の個人情報を含む会話も慎むように求める。

 緊急時の保護者の連絡網など、校長の許可で持ち出せる個人情報の種類まで定めるとしており、「個人情報の取り扱いをここまで詳細に定めた基準は全国でも例がない」(教育関係者)という。

 都教委は管理基準作成のため、教員の個人情報管理の実態を把握する調査を開始。19日には全教員に個人情報管理について23項目の「自己点検票」を配布し、意識レベルを細かくチェックする。

 都の公立学校の教諭が個人情報を紛失したケースとしては、都立拝島高校の男性教諭(54)が10月下旬、定期試験の結果や調査書など生徒ら1087人分の個人情報を保存したUSBメモリー4本が入ったバッグを、JR中央線武蔵境駅の公衆電話に置き忘れたほか、4月に都立広尾高校の男性教諭(40)が、調査書など生徒ら2757人分の個人情報が入ったメモリーを無断で持ち出し、電車内で紛失したものなどがある。


会話を禁止って、

いったいどこの独裁国家だ。戒厳令下の占領国か?

この記事だけ読んだら、呆れて笑い出した人もいるかもしれない。
しかしこれ、まんざら冗談でもないので、例によって俺が補足解説しておく。

(1)個人情報の入った電子メールの送信禁止

USBメモリを持ち出すのが禁止なら、データだけ送ればいいじゃん、ということで
自分宛にメールして家で読み込んで仕事するわけだ。考えることはみな同じだな。
これなら、物理的な紛失盗難の危険は回避できる。しかし禁止だというなら仕方ない。

先生質問でーす。FAXは、いーんですかあ~?

あー、メールはダメって、ウエブ上のファイル置場はいいのかな~?(笑)
だからだな、「個人情報は、紙媒体・電子的データなどその形態・手段を問わず持出禁止!」
としないとダメなんだよ。

(2)個人情報を記録したメモリーや書類は必ず鍵のかかる引き出しなどに保管

これは当然だろう。指導要録なんかは、昔からちゃんと校長室の金庫に入ってるし。
こんな簡単なことが出来ていない学校は、管理職が無能で危機意識が薄いわけだ。

(3)私物パソコンの学内使用禁止

おおっ! ということは、東京都では、職員全員に備品のパソコンが配られているんだな?
まさか4人に1台とかじゃないよな。各自机上にネットワークPC1台だよな? な? 
だったら、データは全て教育委員会のサーバに置ける。そっちで一括管理してくれよ。

(4)個人情報が記された書類の裏面をメモ用紙に使用しない

経費節約で裏も使えって言われたんだもーん

これでゴミ箱、もといリサイクル箱をゴソゴソあさって書類印刷しなくて済むようになるから、
結構なことだ。メモ用紙も、堂々と白い紙が使えて先生は嬉しいぞっ。
ついこの前まで、廃棄書類をボンドで製本して綴じてメモ用紙にしてたんだから。
あっ、今も教頭がやってるか。電話のメモ用。これじゃチラシの裏と変わらんな(笑)

学外で児童・生徒の個人情報を含む会話も慎むように

はい、これ凄いですね皆さん。何のことか想像つきますか?
これはだな、宴会だ宴会。居酒屋の座敷とか、酔ってでかい声で生徒の名前をわめいて、
保護者にでも聞かれたんだろ。
「1組のシーサーはどうしようもねえクズでさあ、またオカンが若い男と出来てやんの」とか。
密室でないと愚痴もこぼせないよ。校長のことをわざとらしく社長って言ってみたりしてもな。

そうではなくて、駅やらでまわりに聞こえるような声で立ち話していたなら、無神経な話だ。

まあこの職業は昔から、どこに誰の目や耳があるか分からん稼業だからな。24時間常に神経を
使う必要がある。守秘義務だってある。今さらこんな話が出ているようでは、残念ながら教師のモラルや自覚が足りないといわれても仕方がない。

だけどそんなこと、わざわざ明文化しないと徹底しないのかなあ。なんだかなあ。 

ところで教育委員会、特に教師上がりの指導主事連中は、こんなことは何の根本的解決にも
ならないことを重々承知しているはずだ。自分達も現場にいるときは、成績やら答案やら、
さんざんお持ち帰りしていたんだから。

それが教育委員会というお役所に入って偉くなったとたん、掌を返してこういう態度に出る。
締め付けを厳しくするだけで、根本的解決策は何一つ示さない確信犯。

そりゃあんた達は成績出さなくていいもんな

もちろん、答案を車に置いたままパチンコしていたとか、一部の哀れな教師は多少減るだろう。
しかし持ち出すなというなら、毎晩10時11時まで手当てのつかないボランティア残業をしろというのか? ただでさえ激務の教師をさらに疲弊させ消耗させ、力尽きた者からどんどんクビにしようという魂胆か?

やってられんな、もう。どこで手抜き、もとい合理化するか真剣に考えなくては。

せめて部活は5時半まで、とか言ってくれよ

そしたらちょっとは尊敬するからさあ。

ぼちぼち私学みたいにマークシート読取機を導入するか。いや、冗談ではなく。

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全国学力テストの結果が発表されてから1か月たったが、その後この件に関する報道はほとんど見かけない。分析といっても分かりにくく、なかなか記事にならないからだろう。
読者の皆様のご子息が通う小中学校ではどうだろうか。個人票が返ってくるのは当然だが、
本校の結果は云々という発表や分析のプリント配布があっただろうか。

というか、

もうみんなすっかり忘れてるのでは?(笑)

各学校で分析をしていようが放置していようが、別にそんなもの興味ないというのが
本音ではなかろうか。そんなの関係ねぇ状態だ。巨額の費用を投じて実施した側にすれば、
どうでもいいではすまないが、なにしろ初回だし、来年度以降も続いていくわけだから、
今後は分析も進んでいくのだろう。

ところで生徒たちからは「あんな問題、簡単だったよ」という声をよく聞いた。
そこで、どれくらい簡単で、どれくらい良く出来ていたのかを分析してみることにする。

テストの出来具合を見るのに、俺は度数分布表を良く使う。
偏差値は個人の成績を見るには良いが、全体の傾向は見えない。
最近は平均点もあてにならない。正規分布でなく、二極分化の度数分布になっているからだ。
このあたりのことを、グラフを使って解説してみる。

正規分布と二極分化 まず、グラフ1。横が点数、縦が人数を表す。正規分布というのはこんな感じになる。
中間層が多く両極端にいくほど少なくなるという釣鐘型で、山の頂点が平均点になるのが理想。
実際のテストの場合、いつも平均点が50点とは限らず、問題の難易度によって山が左右に動く。実力テストがこんな感じの度数分布になる。

簡単な問題のテストだった場合はグラフ2のようになる。最近は教科書も薄くなっているので、
定期テストの問題もあまり複雑なものは出さない。それに成績も、定期テストだけではなく、
小テストや日頃の授業で評価する割合が多くなっているので、別にこれでもかまわない。
むしろ勉強をしたという満足感達成感を生徒みんなに味わってもらうためには、点が取れるテストの方が好ましいわけだ。まさしくゆとり教育スタンダードである。

逆に、難しすぎる問題だと、山は左(下)の方へ動いていく。
こういうずれを正規分布に換算すると、自分はどれくらいの位置にいるかを示すのが、テストで
使われている偏差値だ。

最近では、グラフ3のように、ふたこぶ型グラフとなり、二極分化を示すことが多い。
特に定期テストだと、範囲も決まっているので、やる子はきっちり勉強してくる。
塾でもテスト対策の勉強をやってくれている。そして問題は簡単。
その気で勉強している子は、当たり前のようにいい点を取れる。

反対に、勉強する気のない者は塾も行かず最初から投げているので、下のコブとなる。
平均点あたりをとっている人数が少ないので、平均点だから真ん中あたりとは限らない。
下のコブが足を引っ張るので、平均点の価値は低くなり、平均点を取っていても順位は
真ん中よりも余裕で下という現象が起こる。だから、平均点にこだわっても意味がないのだ。
また、これは正規分布が上下にシフトした形ではないので、偏差値も意味を失ってくる。

今回の全国学力テストでは、「簡単だった」という声を裏付けるように、グラフ2のような、
山が上に寄った分布が多い。たとえばグラフ4は、中学校国語Aの国・公・私立の正答数分布。
少々見づらいがグラフの形だけを見てもらえばよい。今回使用したデータとオリジナルはこちら。

平成19年度全国学力・学習状況調査 調査結果資料 (国立教育政策研究所)

発表されているグラフを見ると、二極分化の典型的なふたこぶ型グラフは見られない。
国語A、B、数学A、発表されているグラフを見ると、どれも簡単テストのパターンだ。
数学の応用にあたるBでも、簡単パターンとまではいかないが、正規分布ではなく右上がり。
これもグラフをはりつけておくので、形だけみていただきたい。

中学校数学B 正答率ところで、公表されているグラフを見て、俺はなんだか違和感を覚えた。

グラフにやたら余白が多いのである

不審に思った俺は、数値を拾ってグラフを書き直してみた。それが下の色付のグラフ。
縦軸の範囲を狭めてy軸方向を強調し、余白を減らしてみた。

オリジナルでは分からなかったのだが、途中にわずかなコブのような部分が見えてきた。
これは何だ? この程度で二極分化とは言いにくいが、なんだか気になる。

中学校数学B 公立・国立・私学の比較そこで今度は、公立・国立・私立の区別が分かるようにして、数学Bのグラフを描いてみた。
このグラフが今回の記事のメインなので、よーく見ていただきたい。
いかがだろうか。

上の方の正答率の高い部分は、私立と国立が占めている。
青と緑のグラフだけ見ると、明らかに簡単テストのパターンだ。
それに対して、頭打ちで下までダラダラ伸びている黄色いグラフは公立中学校。
黄色だけ見ると、二極分化の傾向が出ているのがお分かりだろうか。
少なくとも正規分布ではない。

わかっていたことだが、公立と私立の差はこれだけあるのだ。

そして、

下のコブもどきの正体は公立だったのだ

私学の参加率は6割だし、おそらく自信のある学校しか参加していないだろうから(笑)、
すべてを言い切ることは出来ない。しかし少なくとも公立は、ほぼ全校が参加しているし、
成績上位では、圧倒的に私学に負けているのは事実だ。

これを見て公立も私学に追いつけとか馬鹿なことを言う教師は、さっさと私学に行けばよろしい。
公立学校は競争原理で成り立つものではないし、私学とは根本から成り立ちが違う。
それは、以前の記事でも述べた。県別の成績に、家庭環境や経済状況が大きく影響している。

公教育がこれではダメだ、と嘆くのは誰だろうか。

まず、金をかけすに子供にそれなりに高いレベルの教育を受けさせたい親。
それから、公立だけでトップから底まですべてカバーできると勘違いしている自惚れ教師。
そして、国は公教育にお金をかけていると国民に思わせておきたい政治家、役人たち。

いいじゃないか、公立がレベル低くても。というか、そっちに合わせてきたんだから当然だろ。
え、こんなことじゃ国が傾く? 大丈夫だってば、そんな心配しなくても。

公立がダメでも上の私学がレベル保ってるだろ

もうね、無駄な金はかける気ないんだよ、国は。コスト重視。だから今回の結果発表だって、
差がついていることが分かりにくいように、妙なグラフでごまかしているとしか思えない。
こんな統計の初歩の細工したって、読める者には無意味なんだけどなあ。

あわてる必要もないというか、もう新聞記事も出ないようなので、こんな感じでぼちぼちと分析していく。

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しばらくぱっとしなかった教育再生会議だが、久しぶりに新ネタを投下してくれた。

魅力ある学校作りに教員にもFA制を導入
政府の教育再生会議(首相の諮問機関、野依良治座長)が、特色ある小中学校づくりに向けた校長の権限強化策の素案が12日、分かった。

 校長の学校運営方針に基づき、教員を公募し配置できる「公募制」導入を盛り込んだのが特徴だ。教員の側から自分の得意分野をアピールし希望校へ転勤できるようにする「フリーエージェント(FA)制」も導入し、魅力ある学校づくりを進める校長の下に意欲ある教員が集まる仕組みとする。

 素案は、13日に首相官邸で開く合同分科会で提示される。年末にも取りまとめる同会議の第3次報告に盛り込む見通しだ。素案はこのほか、校長の発案に基づき、一定の裁量で使える予算を配分するほか、校長の1校当たりの在職期間(現在は2~3年程度)を最短5年程度に延長することも記している。
(2007年11月13日 読売新聞)

公立学校は、私学のように1校独立のスタンドアローンではない。市や町の学校が数多くあり、
職員は校長を含めていくつかの学校を順に転勤で回っていく。たとえば中学校卒業後、10年も
たってから母校を訪れても、知っている先生は一人もいないのが普通だ。

そして皆様よくご存知の通り、教師の質もいろいろ。転勤によって適度にシャッフルされ、
長い期間を通してみると各校の教員の質のばらつきは平均化され、公平に保たれる仕組みだ。
校長教頭も含めた教師の異動は、教育委員会の人事課が行っている。
だから校長には人事権がない。意見を上申しても参考程度に扱われるだけだ。
それどころか、校長自身も、ヒラ教師と同じように動かされる立場なのだ。

その校長に人事権の一部を持たせようというのが、フリーエージェント制だ。
教員が自ら希望して、特定の校長の学校へ転勤できるようにする、というと聞こえはいいが、
要所にとどめる慎重な歯止めと規制をかけておかないと、暴走する危険も含む。

教育再生会議の議事要旨を見る限り、さほど議論が深まった様子もないが、提案としては
長所が強調されるのが常だ。少なくともマスコミには食いつきやすい話題だったのだろう。
興味のある方は、議事要旨よりも資料の方が面白いので、そちらをお勧めする。

FA制が無制限に乱用されるとどうなるか、想定される極端なパターンを考えてみようか。

自信のある教師が手を上げるところから始まると思うのは、日の当たる表街道での話。
教育毒本の走る裏街道では、別の風景が見えている。

まず校長が、気に入った教師に「きみ、うちの学校へ来ないかね」とささやく。それだけで良い。
手続上は、教師が自分で転勤希望を出す形になる。あちこち手を回して、自分の息のかかった
使いやすい教師を集めて周りをかためていけば、校長を中心とした学校派閥が出来上がる。

これは実質的に、校長側からの教師指名制だ

校長の任期も最低5年というから、たとえば10年もひとつの学校に居座れば、完全に自分の
思い通りに染め上げることができる。校長在任期間は、長くて10年というところだから、
今までと違って、校長になって初めて赴任した学校で、退職まで勤め上げることになる。
その何年間に、どこまで成り上がれるかの勝負だ。

これはもう、教頭時代から周到な根回しが必要だな。校長になると同時に自分の傘下に
集まってくれる腹心を、いかに大勢キープできるかだ。教頭時代に出来るだけ多くの学校を
渡り歩いて、めぼしい教師にツバをつけておかなければ。俺ならそうする。
もっとも俺は、管理職みたいな割の合わん仕事する気ないけどな(笑)

出来るヒラ教師の場合は、困難校へ転勤させられるリスクを回避するために、積極的に
FA制を利用するという手もある。強い校長の下、落ち着いている学校に希望を出せばよい。
校長には程々にしっぽを振っておいてやれば、校長在任中はその学校に置いてもらえる。
多少事務仕事が増えようとも、毎日生徒や親が暴れているような学校に比べたら天国だ。

ただしその校長が転勤するか退職した後、身の振りようをよく考えておかないと、
別の派閥の校長に干されることになりかねないので、気をつけなければ。
やり手の校長なら、自分の転勤と同時に手駒もごっそり連れていくだろうな。

そして策士タイプでない校長の下へは、結果的に力のない教師や新任が押し出されてきて
集まることになる。そして弱い校長は、条件の悪い困難校へ回されるという悪循環。

え? だったら生徒も学校を選べばいいって? そのための学校選択制?

フリーエージェント制で転勤先を希望して選べるとなれば、人気のない学校は教師も
行きたがらないし、生徒も来ない。めぼしい教師は力のある校長が手元に集めてしまって
いるので、いい教師が転勤でやってきて活性化することもない。
そして学校はどんどんさびれていくだけ。

学校をつぶす仕掛けがまたひとつ増えた

弱肉強食の私学ならいざしらず、公教育で全面的にこれを許すのは間違いだ。
公教育の平等性や地域差の平均化と、正反対の方向なのは明らかだ。

そもそも学校の質や第三者評価が云々とか言う前に、地域格差は歴然として存在する。
一戸建てばかりの新興住宅地の学校から、生活保護世帯が半数近くになる下町の学校、
英語圏以外の外国人家族の子供がたくさん来ている学校・・・

俺達公立学校の教師は、辞令に従ってどんな学校へも黙々と転勤する。
どんなひどい状態の学校でも、がんばればいつかは好転できるかもしれないし、
たとえ毎日が地獄でも、何年か我慢すればいずれ転勤できる望みがあるからだ。
何も建設的な仕事をしなくても「あの荒れた学校で5年も苦労したから」というだけで、
勤務の評価が上がるという、良く分からない風潮もある。まあ我慢したご褒美だな。
それをお役所的だと叩くのは結構だが、俺達はどんな学校も生徒も見捨てることはない。

FA制乱用は、こういう公立学校教師の公僕たる自覚と良心も崩壊させることになる。

そしてこれらの学校をすべて同条件に扱うとか、競争させろなどと平気な顔をして言う
無知な奴に、公教育を語る資格はない。あまりにも現状が見えていない。
当然、フリーエージェント制の行き着く先も見えていない。
きっと日本の将来も見えていないことだろう。

FA制が実施されている自治体は、特別な学校とか、いいところ取りの段階。
普通の公立の全教員対象にやるのは別問題だ。もっとも地方はまたおきざりだな。


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学校に制服がある限り、いつの時代もそれを変形したり着崩したりすることによって自己主張しようとする者は出てくる。別に思想上の理由などなく、自己顕示の一表現手法に過ぎない。

最近では自己顕示という積極的な意思すらなく、単なる自己流のファッションだったりする。

制服にファッション的な要素があるとすれば、それはデザインされた時点で完結している。
私学に見られるような、有名デザイナーのかわいい制服で入学者を増やすといった例だ。

制服は所定の着こなしを前提としている。着こなしによる個性の発揮は期待されていない。
外見上の個性を消し、見た目を統一することによって、組織の存在を強調するのが制服だからだ。
つまりふつうにきっちり着てこそ制服の意味がある。
社会に出てから、制服を着なければならない職場はいくらでもある。
制服はなくても、スーツの着こなしひとつで仕事が失敗することもある。
学校で、決められた制服をきちんと着るということは、それを学ぶ意味もあるのだ。

シャツを出すとか腰パンとか袖を長く引きずる等という行為は、しつけの出来ていない
幼児のように服をまともに着用できていないだけのことだ。

制服の着崩しなんかファッションではない

だいたい自分のファッションを表現するのに、学校から与えられた制服を素材にしているのが
なんともしみったれている。
制服を否定するどころか依存して、あくまでバリエーションの範囲を越えないのが面白い。

教師に与えられた範囲でしか遊べないコドモなんだな

制服着用に反対して私服を着てきた例がないわけではないのだが、それはごく少数派。
たいていは、ごく手軽な変形を楽しむ程度に収まっている。
スカートの丈を長くしたり短くしたり、ズボンの幅を細くしたり太くしたり、歴史は繰り返す。

男子の場合、気合の入っていたのが長ラン(丈の長い詰襟)やボンタン(太いズボン)だろう。
応援団あたりにルーツがあると思われるが、ツッパリという言葉と共に時代を表す服装だった。
これらの服は、変形というか、学校指定の制服を改造してなんとかなるレベルのものではない。
学生服屋で大枚はたいて買ってくるわけだ。丈が長いだけでなく、明らかに苦しいとしか
思えないハイカラーだったり、特注で裏地に豪華な刺繍を入れたり、かなりの覚悟と金がないと、
こういう格好はできない。男子のリーゼントという髪型も、それなりに手間のかかるものだ。

こういった、金もエネルギーも必要な変形制服は、別の意味でファッションと呼んでもいい。
明らかにドレスアップの範疇だからだ。校内だけでなく校外でも戦闘力を誇示する衣装として
その威力を発揮する。仮面ライダーが変身してパワーアップしているのと同じだ。
「決める」とか「ツッパリ」という言葉(死語だな)がそのエネルギーを象徴している。
どんな形であれ、自分なりのやり方で自分を良く見せる努力を惜しまない行為だ。

腰パンに代表される制服の着崩し、つまりドレスダウンは、実はファッションではない。
低燃費・省エネルギーの脱力系、脱皮しかけたザリガニのような脆弱なものだ。
しかも中途半端に脱皮しかけたままなので、次の甲殻も固まってこない。成長もしない。
口当たりが良く力も覚悟も要らない、ぬるま湯のゆとり環境。変身しようとする気力もない。
服飾という言葉は、服で飾ると書く。自分を飾ろうともしない者には縁のない言葉だ。

こんなものはファッションの名を語ったごまかしに過ぎない。

ヒップホップ系ファッションにしろ、元はスラムの下層貧民から生まれたもので、まさしく
下流そのものだ。それを取り入れ金をかけてアレンジしているものはファッションと呼べるが、
なんとなくその雰囲気だけを真似して、金も手間もかけないのは、単なる寝間着と変わらない。
寝巻きや部屋着のまま外出し学校へ行くのと、本質的には変わらない。
それはまさしく下流志向、二極分化時代の、経済的にも精神的にもドレスアップできない者の為に用意された、似非ファッション、ジャンクファッションだ。

きちんと着れなくてもいい。君達下流はそれで十分だよ

というメッセージなのだ。
そのけだるく甘い誘いに乗ったものは、下流へのだらだら坂を滑り落ちていくだけだ。
二極分化の滝壺にいつまでもよどんで泡立つのが精一杯。
もうどこへも行けない。何も目指さない。
ただケータイという名の阿片を握りしめて、コミュニケーションの幻影を吸って快楽を求め、
そして何もしない。

下流志向似非ファッションのおかげで助かる子供もいる。本当にまともに服を着る能力がない、
以前なら「だらしない」「親はいないのか」の一言で片付けられていた小汚いハナタレ小僧だ。
昔はこういう子供は、いじめられ肩身の狭い思いをしていたが、ありがたいことに今は違う。
まわりに自分のレベルまで落ちて来ている奴がたくさんいるから、目立たないのだ。

世の中、いつのまにか下流に落ちていることに

気づかないように仕組まれているのだ

ただのわがままを個性と呼んでみたり、自分を確立できないならオンリーワンでいいとか、
社会の仕組みに適応できない者に自分探しという幻想を与えてみたりするのが、その一例。

腰パンの似非ファッションもそのひとつだ。

勘違いしてそっちにはまっている奴、いい加減に気づけよ。今なら間に合うかも知れんぞ。

今回はデータ無しの妄想。たまにはこういうのも書かせてくれ。
いや、昔は良かったという話ではなくて(笑)


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最近は、教育関係のニュースというと、全国学力テストや中教審の話題がメインだった。
久しぶりに教育再生会議のニュースが出てきたので、各誌チェックしてみて驚いた。

教育再生会議、「バウチャー制度」を事実上断念 (2007.11.2 産経新聞)
 政府の教育再生会議は1日、官邸で合同分科会を開き、学校選択を進める教育バウチャー(利用券)制度に関し、今後バウチャーとの言葉を使用しないことを決めた。「金券をばらまくイメージでとらえられては困る」(白石真澄主査)との理由からだが、会議を提唱した安倍晋三前首相はバウチャーを使った学校選択の自由による教育効果を目指していただけに、本来のバウチャー制度は事実上断念したことになる。

 分科会では制度の定義について議論した結果、「学校選択を進め、生徒の人数に応じて予算を配分し、がんばる学校に予算がまわり、がんばっていないところが淘汰(とうた)される仕組み」(白石氏)とすることで合意。利用券の活用は除外する方針だ。ただ、過度の学校間競争に対する懸念や、学校選択が限られる地方での導入に批判もあり、今後も議論を続けていく。


教育再生会議:教育バウチャー大筋合意 「全国一律導入」見送り (毎日新聞 2007年11月2日)
 政府の教育再生会議(野依良治座長)は1日夜、首相官邸で合同分科会を開き、学校ごとに予算配分に差をつけて競争を促す「教育バウチャー制」の導入に大筋で合意した。ただ、実施するかどうかは各自治体の判断に任せ、全国一律の導入を提言することは見送る。年末の第3次報告に盛り込む方針。

 教育バウチャー制は、児童・生徒が学区外の学校でも自由に選択し、集まった生徒数に応じて各校に予算を配分する仕組み。生徒獲得に向けた学校間の競争を促すことで教育サービスの質を向上させる狙いがあり、安倍晋三前首相が導入に積極姿勢を示していた。

 半面、人口が少ない地方では学校の選択肢が限られ、制度が十分に機能しないとの批判も根強く、再生会議の委員の間でも賛否が分かれていた。このため、この日の会合では、一律実施を見送ることで地方に配慮する姿勢を示した。

 合同分科会は今後、(1)義務教育に限るか高等教育も含めるか(2)私立学校も対象とするか--などをさらに検討する。【佐藤丈一】


なんじゃこりゃあ! いったいどうなるんだ!?

もう脳みそバーン状態である。ニ誌のうち片方の見出しだけ見た人はどうしてくれるのか。

例によって、教育再生会議のサイトには、本日11月2日時点で議事録はまだ掲載されていない。
資料はこちらに載っているから、興味のある方は読んでみてはいかがだろうか。
新聞なんかより詳しいので、バウチャー制度がどういうものか勉強にはなる。

 ・第9回教育再生会議議事次第 (配付資料)

いくら資料が立派でも、どういう議論になったかが問題なのだが、もともと迷走暴走ありありの
教育再生会議で、報道までこの有様では何がなんだか。
しばらく様子をみないことにはこれ以上コメント不能だが、他誌はどう扱うのやら。
続報があり次第、つづきを書くことにする。

他誌は無視するんじゃないだろうな。それではちょっとかわいそうだぞ。

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