公立中学校教師の辛口教育コラム。一般の方に分かりやすく心がけてます。真面目なだけのセンセは服用に際して十分ご注意下さい(笑)
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学校を舞台にしたドラマは過去にいろいろあったが、マンガとして楽しめるものは別にして、
ある程度のリアリティを持たせた(と製作者が信じている)番組は、関係者としてはなかなか
素直に楽しめないものだ。たとえば金八先生のように。

ドラマはドキュメンタリーじゃないから、ドラマとしての演出効果や娯楽性を否定するつもりはないし、面白くするための嘘も当然ある。ただ、それが俺のような中の人にとって、許容できる範囲なのか、ため息をついてチャンネルを変え二度と見ることがない性質のものなのか、その境界線はデリケートだ。おそらく一般の方には何も気にならないような、些細なことが引っかかって、製作者側の"におい"を敏感に嗅ぎ分けるのだろう。

で、関西テレビ制作フジテレビ系ドラマ「モンスターペアレント」だ。
今回は2回目まで見た時点で、このドラマの正しい見方についてコメントしておく。
最初に言っておくが、いまどきのリアリティを持った設定で、なかなかスムーズにスタートしたな、というのが俺の感想だ。さすがに20年以上昔の学校ドラマとは違う(笑)

それでは登場人物を見てみよう。

まずモンスターペアレント。

なにげにリアルです。はい(-_-;

ドラマとしての誇張でもなんでもなく、あんな親はいくらでもいる。もっとひどいのも。
1,2回に出てきたのは、けっこう裕福な暮らしをしている層の親で、あっさり味だったが、
その他の種類のモンスター親については、今後次々と登場するだろう。まるでウルトラマンだ。
公立学校のドラマだから、今夜のおかずにも困っているような家庭も扱わなければ嘘だ。
あんなお上品な理屈タイプばかりではなく、本能むき出しコテコテの方々もいらっしゃるので、
いずれ登場することを楽しみにしておこう。

次に、モンスターの餌食にされる教師。
1回目のひ弱君、あれはいまどきの教師に向いてない。スキがあるし気が弱すぎる。
自分で撮った遠足の写真で、うちの子供が2枚しか写っていないと突っ込まれた。
サービスのつもりで写真を撮って公開したらこのざまだ。おちおち児童の写真も撮れない。
しかし今時の修学旅行についてくる写真屋なんか、生徒の名簿を持ってチェックしてるけどな。

2回目の教師は、意識せずに口を滑らせた余計な一言が、親のモンスター化を招いてしまった。
もうこうなってしまうと、正しいはずの道理が通らない。親が望むのは解決でなく教師粉砕だ。
保護者に同じことを言うにしても、角の立たない言い方というものがあり、まだまだ経験を
積んでいく必要があるが、決して不適格ではない。というか、若い教師はあんなもんでしょ。
俺もそうだったが、若い頃はまだまだ未熟だ。どんな職種でも当たり前のことだと思うが。

しかし以前は、親にも若い教師を育てるという意識があったからな。今は情けも容赦もない。
だから今の教師は、新任といえども、大学出ていきなり修羅場で身を守るスキルを要求される。

で、この教師が親に悪い噂を立てられて、ある日出勤すると、職員室で他の教師全員から
冷たい目で見られ、ヒソヒソささやかれるシーンがあった。

ないないない。これはないな

中学生のいじめじゃないんだから。この回で一番嘘っぽかったシーンだ。
悪いけど、自分のクラスで精一杯で、同僚とはいえ他人の不幸にかかわっている暇はない。
明日はわが身かもしれない毎日の状況で、犠牲者をあざ笑う余裕などどこにもない。

ところで、どっちの教師も携帯に親からガンガンかかってきていたが、番号とか住所とか、
教師が気軽に自分の個人情報教える時代じゃないと思うがな。
学級名簿(住所録)が消滅した時点で、担任の個人情報も保護されるべきだ。
もっとも俺は、学級名簿があるうちから、自分の住所電話は載せるのをやめてしまった。
イタ電や、親からの中元歳暮の類をシャットアウトするためだ。もう十数年も前のことだ。

校長たち。
あれはちょっとヘナチョコ過ぎ(笑) 逃げるのも含めああいうタイプの対応も嘘ではないが、
あんな弱腰では問題を大きくするだけだ。頭さえ下げてヘコヘコしておけばなんとかなるという、他人の情にすがった知恵の足りない対処も、実際に現場にはいくらでも存在する。
なにしろ教師なんて、元々世間知らずでおとなしい気弱な人種だからな。元気なのは体育だけw
今後のシリーズ展開の中で、一人ぐらい硬派で戦闘的な校長が出てきてもいいと思うが、
現実には、教育委員会の支援もなく、孤軍奮闘でモンスターと共倒れになりそうだ。

そして教育委員会。

まず、市役所庁舎全体に流れ続ける、棒読みのどうでもいい館内放送には笑った。
あのうすら寒さに妙にリアリティを感じてしまった。あれが市役所あるいは行政を象徴する
テーマBGMのように使われるのだろう。なかなかのセンスである。
そして人気のない廊下に張り出された、子供が作ったような掲示物は、教育委員会の説明だ。
このリアリティにも思わず吹き出してしまった。まるでどこかの役所から借りてきたみたいだ。
このあたりのカットだけ見ても、実によく取材しているのが分かる。

教育委員会
1室に数名のスタッフ、続き部屋に応接セットを置いて教育長が一人という構成。
この人数を見て、少ないなと感じた方はどれくらいいるだろう。
実はこれ、全国の教育委員会の中でごく標準的なものだ。実際に市ではこの規模が一番多い。
市役所のワンフロアが全部教育委員会などというのは大都市だけのことで、市でも10万足らずの規模ならこんなものだ。あれをもっと雑然とさせて床に段ボール箱や資料が山積みされた光景を想像してもらうと、さらにリアルになる。
町立の教育委員会となると、委員会全体の約半数をしめるが、スタッフはさらに少なくなる。

スタッフの内訳だが、若い兄ちゃん姉ちゃんたちは行政の事務方。つまり役所に勤務する者で、
たまたま今は教育委員会にいるだけに過ぎない。教師ではないし、学校勤務の経験もない。
去年まで観光課にいたり、窓口で住民票交付していたり、来年は水道局でヘルメットかぶっているかもしれないメンバーだ。

一人、ヒロインの弁護士の敵キャラ(笑)として、「指導主事」と呼ばれるおっさんがいるが、
彼は教師上がりの現場経験者だ。係長も現場経験者だが、教育長もその可能性はある。
この指導主事氏は、いかにも教師の言いそうな優等生理論でヒロインとことごとく対立する。
俺の嫌いなタイプだが、なにやら陰があり、係長共々訳ありで教育委員会に来ているようだ。

現場にいられなくなって教育委員会に来る、というのも実際によくあるパターンだ。
教師の中で優秀な者だけが教育委員会に来たり、管理職になったりするわけではない。
ドラマの中の彼らが教師時代に何があったのか、シリーズの中でいずれ明らかにされるだろう。

ということで、久々にまともな教育ドラマだ。少なくとも初回だけ見て二度と見ないような
ドラマではない。気が向いたらまた解説を書いてみることにする。

このドラマ、結局は、主人公が教師でないのが一番のヒットだ。外部の視点で内部を描き出す。
これが絶妙のバランスを取るジャイロになってくれることを期待しておく。


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