公立中学校教師の辛口教育コラム。一般の方に分かりやすく心がけてます。真面目なだけのセンセは服用に際して十分ご注意下さい(笑)
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7月29日参議院選挙。
年金問題に大臣辞任と、もはや教育再生会議で話題づくりをする必要もないほど話題満載な
安倍内閣だが、今度の選挙で結果はどう出るか。そちらの予想や政治談議は余所に任せて、
俺は自分の専門分野を語ることにする。

ということで、今回は各党のマニフェストから教育関連部分を読んでみる。
ヤフーが良くまとめてくれているのでそちらを使わせてもらうが、原典を知りたい方は
各党のサイトで詳細を確認していただきたい。
各党の歴史や背景や過去の経緯などそのあたりは一切抜きにして、マニフェストに書かれている内容そのものにコメントするので、そのつもりで。

2007参議院選挙特集 分野別マニフェスト概要・教育 Yahoo!JAPAN

●自民党
教員免許更新制や不適格教員を教壇に立たせないシステムを円滑に実施する。24時間の電話相談体制を整備し、いじめの早期発見・対応に努める。
学習指導要領全体の見直し、習熟度別指導の充実などを通じ「確かな学力」を約束するとともに、規範や礼儀を教える。学校評価を一層推進し、教育水準の向上を目指す。


前にも書いたが、教員免許更新性や不適格教員の排除は、マイナスをゼロにするのがせいぜい。
つまり道路に空いた穴を埋めるだけのことで、悪いとは言わないが建設的な意味はない。
特に免許更新制は、膨大な人と時間と金がかかるのが目に見えている。対費用効果は疑問。

指導要領の見直しとか習熟度別指導に目新しさは無く、それが確かな学力を約束できるほどの
決め手とはならない。学校評価も一般へのアピール度が欠け、規範や礼儀という言葉も「美しい日本」を背景とすると一貫して怪しさと胡散臭さが漂うものとなっている。

何にせよ根本にあるのは教育予算と教師数の削減だ。そんな安上がりにいくなら苦労しない。

え? 教育再生会議? 無い方が良かったと言われるとメンバーもあまりに気の毒だが・・・

●民主党
地方公共団体が設置する学校では、保護者、地域住民、学校関係者、教育専門家らが参画する「学校理事会」が主な権限を持って運営する制度に改革する。教員の質と数の充実のため、養成課程は6年制とする。教員の資格、身分の尊重、適正な待遇の保障は、国が責任を持つ。
高等学校は希望者全入とし、無償化する。すべての人が生まれた環境にかかわりなく、意欲と能力に応じて高等教育(大学・大学院など)を受けられるよう、無償化を漸進的に導入し、奨学金制度など関連諸制度を抜本的に拡充する。


あのねえ、学校理事会って言うけど、結局長期にわたって責任取れる人間は誰なのよ?
ずーっとそこにいるのって町内会会長の爺さんだけだよ。保護者は子供が卒業したら終りだ。

教員養成課程を6年にすれば優秀な教師が製造できるなら、一般学部も6年制にすれば
優秀な企業戦士が養成できる理屈になるが本当か?
初任者の年齢が上がり初任給も上がり自治体は予算確保に苦しむことになるのでは?
教員希望者は一般企業へ就職する道は絶たれ、採用試験に受かるまで講師の口を待って
就職浪人を続けることに。それで適性がなかったら悲惨だ。教員への道は厳しい。

そのかわり、なってしまえば国が適正な待遇を補償し、教員を煩雑な事務から解放し、
教育に集中できる環境をつくってくれるそうだから結構なことなのだが。

高校の希望者全入無償化って本気ですか!? 高い入学金払っても中退者が大勢いるのに。
大学院まで無償化って、貧乏で大学行けない世の中じゃないと思うがいかがなものか。
むろん意欲はあるが本当に経済的に困っている者への援助にはおおいに賛成する。
しかし、下流志向とか二極分化とかの時代にポイントはそこじゃないと思うが。

●公明党
新たな少人数教育システムの導入や学校運営協議会の全国展開などにより、教員人事、学級編成の権限を抜本的に地域・学校に移す。小中学校で保護者、地域住民などが授業で教員をサポートする「教員サポーター制」を導入する。
すべての小学生が農山漁村で1週間以上の体験留学ができる機会を提供する。小学校で英語教育を必修化する。子供や親などからのSOSに即時に対応できるように第3者機関による「いじめレスキュー隊」を設置する。


人事権だけを各学校に与えられても、私立じゃないので単独ではどうにもならん。
人事も学級編成も、結局は教員数、つまり給与に関わる予算を自由に動かせないとダメ。
だから全体を見回して統括する意味で行政機関である教育委員会が人事をしてるわけ。
その内容については検討の余地ありありなのが現状ではある。

教員サポーター制、既に実施しているところもあり、予算をつけてくれればOK。
ボランティアを動員なんて甘い考えはダメだぞ。責任が薄くなるだけだから。

村へ体験留学はいいとして、小学校で英語教育って、もうやってるんですけど。

●共産党
国が介入する競争・ふるい分けの教育に反対し、憲法に立脚した教育を進める。少人数学級を実施し、すべての子供が分かるまで丁寧に教える。就学援助への国庫負担金制度を復活し、抜本的に増額する。教職員・保護者・子供・住民が学校運営に参加する。

原典を読んでみると、根本は「貧困と格差から子どもと教育を守ります」というところだと思う。
学校以前に「安心して子育てできる社会」が目標としてあって、そういう方向は結構なことだ。
教育問題は今は学校ばかりが取り上げられているが、教育予算増額で環境が整ったとしても、
次は社会構造の根深い問題が浮き彫りになってくる。ニート、フリーター、派遣、パート。
「勉強やって何になるの?」と生徒に聞かれて、返答が苦しくなってきているのが今の世の中。
「がんばって勉強したらいい暮らしができるぞ」と生徒を励ますことができた時代が懐かしい。

子供が学校運営に参加? 笑止。教えるのは大人だ。児童会や生徒会と一緒にするな。

●社民党
教育予算を他の先進国並みの対国内総生産(GDP)比5%水準に引き上げる。20人学級と教職員の30万人増で、一人ひとりを大切にした教育を実現する。高等教育の無償化を目指す。ソーシャルワーカーを各校に配置する。

概要にしても短いが、もともと社民党のマニフェスト自体も非常にシンプル。
具体的な数字が挙がっているのが目を引く。他党では意外と数字は明記されていないものだ。

20人学級というのはちと少なすぎる気がするが、目標としては豪気で良い(笑)
もし学年の生徒数が21人だったら10人と11人の2クラスになり、クラスと言うより班だな。
学習には良いが社会性を学ぶにはもう少し多い方がいい。必要に応じてその人数でいける程の
教師数を揃えてくれたら言うことはない。教師を含め学校のスタッフは、多ければ多いほど
行き届いた教育が出来るのは誰の目にも明らかである。

●国民新党
ゆとり教育を抜本的に見直し、人間力を鍛える教育、基礎教育の充実を図る。先進国並みの教育費を確保するとともに教員数を大幅に増やし、きめ細かな学校教育を展開する。時代に見合った道徳教育を充実させる。

オリジナルも読んでみたが、どうも網羅的一般的で印象に残る部分がない。あ、いやいや、あったあった。
今日的な武士道精神や礼節を実践する個人や団体を表彰するため、日本版の「フェアプレー賞」を創設する。
うーん、武士道精神って、これだけが目立ってしまっていいのか? それからもうひとつ。

「美しい日本語」の普及に取り組む。
美しい日本ではないので間違えないように。ひょっとして洒落? 皮肉?


●新党日本
教員採用試験の受験年齢制限を全廃し、豊かな人生観を持った社会人を教育現場に積極投入する。専用電話相談のチャイルドライン、児童虐待・配偶者による暴力(ドメスティックバイオレンス=DV)の24時間ホットラインを創設する。

マニフェストには、教育という項目は挙がっていない。「食料自給率を高め、こどもを守る 暮らしの安全保障を」という見出しの中で、長野県知事としての実施実績の延長として教育が語られている。
今は教育が流行りだから、マスコミをにぎわしている単語を並べておけば形は出来上がる。
しかしこのマニフェストは、そういった流れとは違うアプローチを感じる。
文面を見る限りでは「視点を変えて日本を見直す」という言葉も飾りではなさそうだが、
しかしこりゃ、教育はマニフェストの目玉でもなさそうだな。お金かからなそうだし。

               * * *

皆様よくご存知の通り、マニフェストに書いてあることが全て実行されるわけではない。
しかし、そこに書かれてもいないことは、期待するのも野暮というものだ。

街宣車で昔ながらの「お願いします」をわめきまくる候補者はいいかげんうんざり。
それが有効な投票者も確かにいるわけだから、無下に責めるわけにもいかないが、
あれが前の道路通ると授業中断するんだよな。
思わずこっちからもメガホンで怒鳴り返してやろうかと思うことがある。
勘違いされて「授業中の先生生徒のみなさん、ご声援ありがとうございます」って
思いっきり白手袋振って言われたら悔しいからやらないけど。

さて、俺の貴重な一票をどこに入れるかって? それは内緒(笑)

今回で100エントリー達成。去年の夏休みから始めたのでもうかれこれ1年になるが、
書いても書いてもネタは尽きない。読者の皆様、今後とも教育毒本をご贔屓に。


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