公立中学校教師の辛口教育コラム。一般の方に分かりやすく心がけてます。真面目なだけのセンセは服用に際して十分ご注意下さい(笑)
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私立高校が発表する大学合格実績に関する一連の記事、いわゆる「合格実績『水増し』報道」、
前回のエントリーでは、数字にこだわる私立高校の事情を解説した。
その後も続報があり、この件はもう少し続きそうな気配だ。
新聞各社で微妙に差が出てきて気になるので、今回はちょっと並べて比較してみることにする。

埼玉の狭山ケ丘高でも受験料負担 大学合格「水増し」 (2007年08月04日 朝日新聞)
 私立高校が大学合格実績を上げるため生徒の受験料を負担している問題で、埼玉県入間市にある狭山ケ丘高校(小川義男校長)でも今春の大学入試で、成績優秀な生徒の受験料を一部負担していたことが分かった。1人で13大学38学部・学科に合格した生徒や、10大学28学部・学科に合格した生徒もいたという。

首都圏でも合格実績水増し 埼玉・狭山ヶ丘高校 (2007/08/04 産経新聞)
私立高校が合格実績を“水増し”するため、受験料を負担し優秀な生徒に複数の大学を受験させていた問題で、埼玉県の狭山ケ丘高校(小川義男校長、生徒数1080人)でも同様の負担を行っていることが分かった。中には1人で13大学38学部・学科に合格した生徒もいた。これまで近畿圏と静岡の15校で水増しが判明しているが、首都圏では初めて。関係者は「氷山の一角」と指摘している。

埼玉の私立高も水増し (2007年8月4日 読売新聞)
 私立高校の大学合格水増し問題で、埼玉県入間市下藤沢の狭山ヶ丘高校(小川義男校長)が、複数の有名大学を受験する生徒に受験料の一部を補助していたことが4日、わかった。
 同校では今年度入試の合格実績を早稲田31人、明治、法政、青山学院、立教、中央大に計187人と公表した。補助対象者数や受験大学数、補助額などは明らかにしていないが、この6大学のうち延べ52学部・学科は、補助を受けた2人で占めていたという。センター試験だけで合否判定が出る大学も含まれているという。


合格実績水増し?:埼玉の私立高、2人で合格66人分 学校側、水増し否定 (毎日新聞 2007年8月5日)
埼玉県入間市の私立狭山ケ丘高校(小川義男校長、生徒数1080人)が生徒の受験料を一部負担し、07年度入試では1人で13大学38学部・学科に合格した生徒もいたことが分かった。別の生徒は10大学28学部・学科に合格していた。
 同校は今年度、早大に31人、明治・青山学院・立教・中央・法政の5私大に計187人を合格させたと公表。しかし、この2生徒で早大の11学部・学科、5私大の41学部・学科に合格していた。


この「水増し」という言葉、厳密な意味では正しくない。合格数に嘘はないからだ。
とっつきやすくセンセーショナルな言葉を好んで使うのは報道の血がなせる業で、
それをあれこれ言うのも今さらという気がしないでもない。が、気になるものは気になる。

しかし今回こうして並べてみると、報道が最初の一報で見せた勢いが、一部で弱まっている。
自らクールダウンしているのが感じられるんだな。「水増し」という語の扱い方の違いだ。

まず朝日。見出しでは受験料負担が先にきて、水増しという語には「」がつけられている。
そして本文最初の段落では、もはや水増しという語を使っていない。イチ抜けた状態。
一連の報道で、朝日は最初から「」をつけていたのだが、論調としては、水増し強調から
矛先がだんだん流れてきた。その先が受験料負担。だがそれがズバリ核心にならないので、
まだ様子見をしているのが感じられる。

次に来るのが産経。「合格実績を“水増し”するため、受験料を負担」という表現で、
“”をつけて保険をかけながらも、水増しという語法を否定はしていない。
「氷山の一角」というフレーズを拾ってきたのが売りか。

読売は、水増しという語法を気にせず普通に使っている。
「私立高校の大学合格水増し問題」というくくりになっていて、確かにひとことで言うなら
これが一番分かりやすいだろう。他の表現で歯切れ良くワンフレーズで表すのは難しい。

水増しを一番強調しているのが毎日。見出しは「合格実績水増し?」と、わざわざ?をつけて
始めておいて、「学校側、水増し否定」と落とす。否定するなよ~って言ってるわけ。
もう断固として水増しであるという潔い主張だ(笑)

といった具合。紙媒体でなくネットだと、こういう比較が簡単で具合がよろしい。

今回の件は、数字に関して言えば、水増しというより誇大広告とか不当表示の類だと思う。
合格数の表示と並べて「生徒○○人による」とか「特進コース実績」とか明記すれば済む。
今後はパンフレットの欄外に、小さな文字でいいからひとこと付け加えておけばよい。
受験生は他人事ではなくまさに当事者なので、少々の景気付け数字にまどわされず、
実質を見通す目を持たなければいけない。それも実力のうちだ。

私学が受験費用を出したことが一部で問題視されているようだが、なにも特別なことではない。

そもそも私学には、成績優秀な生徒を優遇する特待生制度を設けているところが多い。
高校の入試の段階で、成績優秀者には、入学金や授業料の免除や減免を行っているのだ。
全額免除ともなると、制服や教科書、旅行積立などの出費だけで私学に行けてしまうのである。
入学してからも手取り足取りでしっかり勉強させてもらって、大学進学にも不安なし。

元々は少子化対策のひとつだが、私学にとって実績となるだけでなく、生徒にとってもこんな
有難いことはない。その一環で、学校が大学受験費用の一部を負担する。ギブアンドテイク。
世話になった分、少々のご奉公もする。ごく自然な流れだと思うがいかがだろうか。

最後に残るのが、どんな名目であれ、生徒の意思に反して受験をさせた場合。
もしそんなことがあったとすれば、費用を出したかどうかにかかわらず、これこそ問題だ。

しかしなあ、そもそも成績優秀な生徒が、ちゃんと納得ずくでやってるのが普通だろうから、
そうなれば傍から口出せないと思うよ。センター試験利用なら本人負担も増えないし、
第一被害者がいないんだもん。今時そんなことでヘマするような私学じゃ、やっていけない。

こうやって消していくと、公立高校で生徒に自己負担させて半ば強制的にセンター試験を
受けさせたりしているのが一番問題なのでは、ということになる。あれ、私学の話じゃないな。
公立高校は「生徒の進学指導の為のデータ取りだ」と主張するだろうが、生徒が日頃の学校の指導を恩義に感じて、その無料奉仕行為に納得しているかどうかだな。誰か取材してみれば?

私立と公立との大きな違いはここらにある

ということでマスコミのみなさん、みんなして同じところを突付いていても面白くないよ。
読者の皆さんも、水増しされた報道にまどわされないよう、よーく読んでいただきたい。

何にしても受験生は立場弱いからなあ。大人がしっかり見てやらないと。

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