教師が答案や成績、名簿などの生徒個人情報を持ち出して紛失する話は、以前にも
"仕事を持ち帰る教師はダメ教師か?"で書いた。
不注意による紛失や盗難など、そもそもの原因は、個人情報を持って帰らないと仕事が終わらない勤務状況にあり、それを解決しない限りこの手の事件はいつまでたってもなくならない。
これに対して、教師個人の責任に転嫁することで根本的解決策は先送りするのが、行政の取る常套手段だ。
そして今回、責任転嫁がさらに強化された。
都教委「個人情報含むメールも会話も禁止」新基準作成へ(2007.11.25 産経新聞)
児童や生徒のテスト結果など個人情報を教員が学校外に持ち出し、紛失するケースが相次いでいることから、東京都教育委員会が個人情報の扱いを詳細に定めた独自のガイドラインづくりに乗り出したことが25日、分かった。新たな管理基準は、教員に個人情報を含むメールの送信を禁じるほか、学校外で児童・生徒の情報を話題にした会話も禁止するなど厳格化した点が特徴という。違反した場合、厳しく処分する方針で検討している。
都内の公立学校で今年4〜10月、児童・生徒や卒業生の個人情報を紛失するミスが5件も発生。いずれも個人情報が入ったメモリーやパソコンを入れたかばんを電車内や飲食店などに置き忘れる不注意が原因だった。
都教委は、これまで断続的に注意喚起や再発防止を指示してきたが、ミスが絶えない原因を「個人情報保護に対する教員の意識が必ずしも高くない」と分析し、個人情報管理の厳格化が必要と判断した。
新たな管理基準には、
(1)個人情報の入った電子メールの送信禁止(2)個人情報を記録したメモリーや書類は必ず鍵のかかる引き出しなどに保管(3)私物パソコンの学内使用禁止(4)個人情報が記された書類の裏面をメモ用紙に使用しない−などを盛り込んだ。また、学外で児童・生徒の個人情報を含む会話も慎むように求める。
緊急時の保護者の連絡網など、校長の許可で持ち出せる個人情報の種類まで定めるとしており、「個人情報の取り扱いをここまで詳細に定めた基準は全国でも例がない」(教育関係者)という。
都教委は管理基準作成のため、教員の個人情報管理の実態を把握する調査を開始。19日には全教員に個人情報管理について23項目の「自己点検票」を配布し、意識レベルを細かくチェックする。
都の公立学校の教諭が個人情報を紛失したケースとしては、都立拝島高校の男性教諭(54)が10月下旬、定期試験の結果や調査書など生徒ら1087人分の個人情報を保存したUSBメモリー4本が入ったバッグを、JR中央線武蔵境駅の公衆電話に置き忘れたほか、4月に都立広尾高校の男性教諭(40)が、調査書など生徒ら2757人分の個人情報が入ったメモリーを無断で持ち出し、電車内で紛失したものなどがある。会話を禁止って、
いったいどこの独裁国家だ。戒厳令下の占領国か?この記事だけ読んだら、呆れて笑い出した人もいるかもしれない。
しかしこれ、まんざら冗談でもないので、例によって俺が補足解説しておく。
(1)個人情報の入った電子メールの送信禁止USBメモリを持ち出すのが禁止なら、データだけ送ればいいじゃん、ということで
自分宛にメールして家で読み込んで仕事するわけだ。考えることはみな同じだな。
これなら、物理的な紛失盗難の危険は回避できる。しかし禁止だというなら仕方ない。
先生質問でーす。FAXは、いーんですかあ〜?あー、メールはダメって、ウエブ上のファイル置場はいいのかな〜?(笑)
だからだな、「個人情報は、紙媒体・電子的データなどその形態・手段を問わず持出禁止!」
としないとダメなんだよ。
(2)個人情報を記録したメモリーや書類は必ず鍵のかかる引き出しなどに保管これは当然だろう。指導要録なんかは、昔からちゃんと校長室の金庫に入ってるし。
こんな簡単なことが出来ていない学校は、管理職が無能で危機意識が薄いわけだ。
(3)私物パソコンの学内使用禁止おおっ! ということは、東京都では、職員全員に備品のパソコンが配られているんだな?
まさか4人に1台とかじゃないよな。各自机上にネットワークPC1台だよな? な?
だったら、データは全て教育委員会のサーバに置ける。そっちで一括管理してくれよ。
(4)個人情報が記された書類の裏面をメモ用紙に使用しない経費節約で裏も使えって言われたんだもーんこれでゴミ箱、もといリサイクル箱をゴソゴソあさって書類印刷しなくて済むようになるから、
結構なことだ。メモ用紙も、堂々と白い紙が使えて先生は嬉しいぞっ。
ついこの前まで、廃棄書類をボンドで製本して綴じてメモ用紙にしてたんだから。
あっ、今も教頭がやってるか。電話のメモ用。これじゃチラシの裏と変わらんな(笑)
学外で児童・生徒の個人情報を含む会話も慎むようにはい、これ凄いですね皆さん。何のことか想像つきますか?
これはだな、宴会だ宴会。居酒屋の座敷とか、酔ってでかい声で生徒の名前をわめいて、
保護者にでも聞かれたんだろ。
「1組のシーサーはどうしようもねえクズでさあ、またオカンが若い男と出来てやんの」とか。
密室でないと愚痴もこぼせないよ。校長のことをわざとらしく社長って言ってみたりしてもな。
そうではなくて、駅やらでまわりに聞こえるような声で立ち話していたなら、無神経な話だ。
まあこの職業は昔から、どこに誰の目や耳があるか分からん稼業だからな。24時間常に神経を
使う必要がある。守秘義務だってある。今さらこんな話が出ているようでは、残念ながら教師のモラルや自覚が足りないといわれても仕方がない。
だけどそんなこと、わざわざ明文化しないと徹底しないのかなあ。なんだかなあ。
ところで教育委員会、特に教師上がりの指導主事連中は、こんなことは何の根本的解決にも
ならないことを重々承知しているはずだ。自分達も現場にいるときは、成績やら答案やら、
さんざんお持ち帰りしていたんだから。
それが教育委員会というお役所に入って偉くなったとたん、掌を返してこういう態度に出る。
締め付けを厳しくするだけで、根本的解決策は何一つ示さない確信犯。
そりゃあんた達は成績出さなくていいもんなもちろん、答案を車に置いたままパチンコしていたとか、一部の哀れな教師は多少減るだろう。
しかし持ち出すなというなら、毎晩10時11時まで手当てのつかないボランティア残業をしろというのか? ただでさえ激務の教師をさらに疲弊させ消耗させ、力尽きた者からどんどんクビにしようという魂胆か?
やってられんな、もう。どこで手抜き、もとい合理化するか真剣に考えなくては。
せめて部活は5時半まで、とか言ってくれよそしたらちょっとは尊敬するからさあ。
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