公立中学校教師の辛口教育コラム。一般の方に分かりやすく心がけてます。真面目なだけのセンセは服用に際して十分ご注意下さい(笑)
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京都市、全市立中学で来年度から30人学級導入 (12月06日 読売新聞)
 京都市は6日、全市立中学80校の3年生について、来年度から一律30人学級(現在40人)を導入することを明らかにした。高校受験を控えた義務教育の最終年度にきめ細かな指導を行うのが狙いで、政令市が公立中学校で30人学級を導入するのは初めて。
 桝本頼兼市長が同日の市議会で「学習や進路などの指導充実のため、来年4月から、市の独自予算で実施する」と表明した。
 市教委によると、来年度の中3生は約1万人。30人学級の編成で、学級数は現在より83学級多い368学級になる見込み。1学級の平均生徒数は35・1人から27・2人に減り、生徒に目配りしやすくなるという。
 学級数の増加に伴う新たな教員の確保は常勤講師の任用で補い、人件費は最大で年約3億5000万円増となるが、市費で負担する。市教委は「中3は進路指導の決め手となる学年。いじめや不登校の問題にも対応できるよう、少人数学級できめ細かく指導したい」としている。
 文部科学省によると、中学校で30人学級を導入しているのは秋田、山形、福島3県。同省財務課は「進学指導を狙った最終学年での導入は珍しい。どんな効果があるか見守りたい」としている。



教育に限らず金で簡単に解決できる問題はいくつもあるが、これはいい。
これこそ本当のゆとりで、教室の雰囲気もずいぶん変わる。シンプルで効果大。
どこぞの会議が思いつきでひねり出してくる奇策珍策など足元にも及ばない、根本的対策だ。

教室1室に収容する生徒の定員は国が決めてきた。いわゆる定数法というやつで、
1学級の生徒定員は50人→45人→40人と減ってはきた。
質を求めてと言うより、生徒数が減ってきたのでそれに合わせて縮小させたのが表向きで、
学級数を維持して、大量採用した教員の職を確保するためでもあった。

国はもうこれ以上減らす気はない。自治体に任せるという宣言をしてしまったからな。
「もっと減らしたけりゃお好きにどうぞ。ただし国は金は出さんよ」ということだ。
おまけに教員数はどんどん減らす方向で、実質的にダブルパンチ状態。

大人の皆様は思い出してみてくれ。この定員は決して十分な環境ではなかった。
俺も昔、50人近くで押し込められていたことがあった。教室は前から後ろまで人でびっしり。
それ以前は60人くらい詰め込まれていたこともあったそうだ。

教室の戸を開けるといきなり誰かの机がある。床はほとんど見えない。
自分の席まで行くのに横になって人をかきわけカバンを踏んづけやっとの思いでたどりつく。
席を離れてちょっと油断すると前後から詰められて座る隙間もなくなっている。
掃除ロッカーのすぐ前まで人がいるので、授業中はロッカーを開けられない。
一番前の廊下側なんか黒板が光って天気のいい日はほとんど読み取れない。
自分の占有空間は狭い机と硬い椅子だけ。共有空間は皆無で通路すらまともに確保されない。
教室の後ろで取っ組み合いなんて物理的に不可能で夢の夢。

こうなるともう人間の生活する環境ではないわな。動物園は最近はいろいろ工夫してるし、
ペットショップでももう少しマシだ。

金魚すくい以下、養鶏所並だな

おい、そこのおっさんよ、「俺達はそれでもなんとかやってきた」なんて自慢げに言うなよ。
苦労してきた気持ちは分かるが、国が用意した貧弱な環境に満足してどうするよ。
そんな自虐的負け惜しみなんぞ思い出以外に何の役にも立たんぞ。

こういう過剰な詰め込みを動物実験で再現するとどうなるか。
マウスみたいに普段はおとなしい奴がストレスで攻撃的になってケンカを始めるんだぜ。
こんな例もある。縄張り意識が強くて複数同居させるとケンカする動物の場合、
逆にメチャクチャたくさん詰め込んでやると、感覚が麻痺してなんとかなってしまう。
なんだか悲しいな、これは。

ヒトの場合もこれかもしれんな。学校に行っている間から養鶏場状態で慣らしておいて、
社会へ出たら、個としてのテリトリーなどまったく無い満員電車のラッシュも我慢できて、
職場では小学校時代の倍ほどしかない机で黙々と仕事ができる。そして家はウサギ小屋。

まあそういったわけで、クラスの人数を減らすのには大賛成だ。
俺は1クラスを半分に割って授業をする「少人数授業」を教師として経験している。
実に落ち着いた雰囲気でいい。大きな声を出さなくても、生徒全員の様子が常に分かる。
生徒にしてみれば、単純に考えて2倍の濃度でサービスを受けているわけだ。
質問も気軽にできる。こちらも授業に手応えがあっていいことずくめ。

ただ、京都市の場合、ひとつ気になることがあるので上げておく。

 学級数の増加に伴う新たな教員の確保は常勤講師の任用で補い、人件費は最大で年約3億5000万円増となるが、市費で負担する。

この部分、お気づきだろうか。新たな教員はすべて常勤講師でまかなうんだな。
自治体が独自にやるとこうなる。予算を抑えようと思ったら仕方が無い。

学校はますますパートさんバイト君の世界になる

すべてのパートさんバイト君の質が悪くないのと同様、すべての講師が質が悪いわけではない。
しかし正規教員ですらダメ教師が増えてボロボロだと言うのに、いいのかこれで?
団塊退職後の教師大量採用時代で、すでに講師登録者が底を突いている都市もあるんだけどな。
これからは、安く雇えて簡単にクビにできる講師の多用で公教育をやりくりしていくのか?
費用は下がったが効果も下がったのでは、コストパフォーマンスの追求にはならない。

質を上げるために量を取ったら本末転倒だ

俺は京都市を批判しているのではない。苦肉の策でなんとかやりくりしているのがよく分かる。
こういう懸念を乗り越えて、どうかうまくやって欲しいと願っている。
現場の先生よ、現状を聞かせてくれ。そしたらもっと援護射撃するから。

うまくいった京都市を見て「なんだやっぱり金いらねーじゃん」なんて言うなよ。
あんたのことだぜ>文部科学省


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地域格差
>団塊退職後の教師大量採用時代で、すでに講師登録者が底を突いている都市もある

うちの県は今年の小中学校教員採用試験の倍率は20倍超でした。底をつくどころか・・・
採用の当てもないまま、不合格者の多くが常勤・非常勤の講師に。教諭並みに力もある人が多いんだけど、不遇です。
買い手市場だと教委も一般企業並みにけっこう横暴なことやり始めるし~。
同じ国内でも教育環境ってさまざまですね。

意見がまとまらないで揉めてる会議のエライ人たちはわかってんのかな?
【2006/12/21 Thu】 URL // 甲 #YK3S2YpI [ 編集 ]
そうやって倍率の高いところでは、講師登録者も多いし、自然と質も高いわけですよ。だって同じ人が違う県では楽勝で採用試験に受かるんですから。
逆に言うと、大都市で堂々と正規採用の教師やってる者でも、所変わると講師にすらなれないわけで、本当にこんな状況で全国一律に語れないですよね。

しかしなあ、大都市は教師になんかならなくても他にいい仕事があるってことなんだろうなあ。そういう所では景気は上向きなんでしょうね、きっと。
【2006/12/23 Sat】 URL // シーサー #gJtHMeAM [ 編集 ]

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