公立中学校教師の辛口教育コラム。一般の方に分かりやすく心がけてます。真面目なだけのセンセは服用に際して十分ご注意下さい(笑)
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教育再生会議のメンバーの中で現場を知る者は17人中2人。
1人は百ます計算の陰山英男氏。もう一人が、"ヤンキー先生"義家弘介氏。
義家氏は著書やドラマで有名なので、俺がわざわざ経歴を解説するまでもないのだが、
実はその経歴が今回の話の鍵となるので、ちょっと我慢して読んでくれ。

義家氏は不良少年だった。拒絶と破壊の暴走の果て、彼自身の言葉によれば
「家庭を追われ、学校を追われ、地域を追われ」て、北星学園余市高等学校に編入した。
この学校は全国から高校中退者や不登校生を受け入れ、「日本中の『青少年問題』といわれる
深刻な事柄が、そのまま小さな学校に持ち込まれてくる」ところだ。
卒業後、今度は教師として余市高校に戻ってくる。そこで6年間勤めた後退職。
2005年より横浜市教育委員会の教育委員となり現在に至る。1971年生まれ35才。

これは教師としては特殊な経歴だ。しかも教職経験はわずか6年。
教育再生会議メンバーで現場経験のある有識者、として数字だけ見るといささか心もとない。
ただし彼の場合は、非常に特化した教育環境で密度の濃い経験を積んでいるので、
その範囲に限って言えば経験不足などではなく、スペシャリストだと言える。

・・・ええい、堅苦しい(笑) 

要するにだな、彼は問題生徒との泥まみれのガチンコ勝負では、すげープロだってことだ。
年数の問題じゃない。彼自身も修羅場をくぐってきているので生半可なオーラではない。
教師になってからのヤンキー度も半端ではなく、普通の学校では苦労するだろうな(笑)

問題生徒という言い方は俺は好かんのだが、とにかく暴れる奴や不登校生は全国どこにでもいる。
クラスには、真面目な奴普通な奴優秀な奴いろいろいる。その中で何人かが問題を抱えていて、
その数が多いと俺達教師は苦労するわけだが、余市高校は最初からそういう生徒が集まっている。
生徒も濃ければ教師も濃い。半端ではやってられない。

最近でこそ少子化対策で不登校生を受け入れる私立高校は多くなってきたが、
やる気があれば中学校での出席日数は問わないという形が一般的で、まだまだ余市高校のような
学校は少数派だ。

で、ガチンコの6年間を突っ走った後、彼は唐突に横浜市の教育委員になってしまう。
レコードの針が飛んだように、というたとえが使えないのが残念だ。オッサンにしか分からん。
彼自身の中では唐突でも何でもないのだろうが、教師の経歴として見るとあまりにも異質だ。

ここで皆様に注意して欲しいのは、「教育委員」という役職だ。
教育委員会という名前は知られていても、その仕事や中身はあまり知られていないだろう。
だいたい現場の教師にもその職務内容は理解されていないし、委員会の人間を毛嫌いする
現場の教師も少なくない。なんでそうなったかはいずれ解説する。

教育委員という役職は、現場の教師から順に上がっていくものではない。行政職なんだな。
自治体によって違いはあるが、現場とは何の関係もなかった人間が納まっていることが多い。

教育委員会の中で現場経験者が多いのは、事務局の中の学校指導係とか指導部などと呼ばれる
部署。各学校と直接対応しているのも、世間の皆様からの苦情を受付けているのもここだ。

だから、生徒とガチンコ勝負してなんぼの義家氏が、突然こんな雲の上の行政職に就いて
どうするのよ、という声が出て当然なんだな。教師の経歴としては中抜きもいいところ。
中抜きどころか、誤解をおそれずに言えば上と下の境界領域だ。

さすがにこのあたりは彼自身も分かっているようで、ありきたりの教育委員として
どっかり納まり返ることもなく、さかんに動き回って直接現場に出入りしているようだ。
自分の得意分野でなんとかしようとしているし、またそうでないと彼の居場所もないだろう。
ある意味場違いな自分を自覚して、教育行政を内側からしっかりと観察しているようだ。
そして自ら「それを土台として、私は再び、子ども達の傍らに戻っていく。」と語っている。

このスタンスは、教育再生会議でのこんな発言にも表れている。

「教育委員会の実態を国民に明らかにすることが教育再生会議の重要な使命である。」
(第2回 学校再生分科会(第1分科会) 議事要旨 p.12)

また堅くなってきたのでまとめに入る。

要するに、何かと突っ込まれることも多い"ヤンキー先生"義家弘介氏だが、
教育再生会議の中では、旬の話題が自分の守備範囲とヒットしている。

だから、

体でものを言うヤンキー先生

資料と統計でものを言おうとする百ます先生

という図式になる。興味のある人はそういう観点で両氏の発言を見てみてくれ。

この2人の守備範囲を合わせても、残念ながら教育全般を広く浅くカバーすることはできない。
キャッチャーとセンターだけで野球はできないわな。そういうことだ。

2人とも「先生」と呼ばれるがどちらもすでに先生(教師)ではない。
ふつうの義務教育の現場を良く知る現役教師を連れてこいって?
優秀な奴ほど忙しくてそんな会議なんて出てる暇ないんだよ。


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単純な話なんですが・・・
小学校で実績を上げた教師。
高校で鳴らした教師。

・・・いじめ問題やら給食費滞納やらで全ての面でホットな中学校を指導した経験のある人が混じってないんですよね。
いじめ問題とか本気で語る気があるなら中学校現場を知る人間が不可欠でしょうに。なんともバランスを欠いた人選ですね。

もっとも現職の公立学校教師を持ってきても、あまり思い切った発言は出来そうもないですけどね。教育委員会が頭にあると思えば、あまり現状を否定するようなことは言えないでしょうから。
【2007/02/02 Fri】 URL // 甲 #a7gum4DI [ 編集 ]
Re:単純な話
そうそう、直球ど真ん中の公立中学校が抜けている。
ひょっとすると肝の部分は外部の意見など聞かず決めてしまうつもりかも。

ヤンキー先生の母校にしても私学ですしね。お金ないと最後のチャンスもつかめないんだな。いずれにしても、また誤解を恐れず言うと、上も下も公教育がカバーできない部分を私学が引き受けているのが現実ですから。
【2007/02/03 Sat】 URL // シーサー #gJtHMeAM [ 編集 ]

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