公立中学校教師の辛口教育コラム。一般の方に分かりやすく心がけてます。真面目なだけのセンセは服用に際して十分ご注意下さい(笑)
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教育に市場原理を持ち込むという考えは、教育再生会議に限らずよく耳にする。
たとえば競争原理。受験で生徒間の競争があるのは当たり前だが、最近語られているのは、
学校間の競争、教師間の競争によって教育の質を向上させようというものだ。

これは確かに一部では当てはまる。私学では、学校そのものが経営抜きには成り立たない。
少子化で都市部では生徒の奪い合いになり、生き残りをかけて統合や提携も行われている。
制服やカリキュラムなど、生徒にアピールしやすい面で企業努力が必要なのは言うまでもなく、提供される教育の質を保つためには、教師の品質を上げることも重要だ。

ただし、こういう状況が公教育にもそのまま当てはまるかと言うと、それは違う。
まず私学は倒産したら困るわけだ。つぶれたら一族郎党路頭に迷う。もちろん生徒も迷惑。

公立はつぶれても教師は別に困らない

生徒数減少により廃校、で終り。そもそもそれ以外の理由での廃校はあり得ない。
生徒は不便になるが、教師は公務員なので粛々と他の学校に異動していく。
教師は県、市、町など自治体の職員だ。私学のようにその学校に雇われているわけではない。
たまたまその学校で勤務しているだけ。だから倒産のような危機感はない。根本が違いすぎる。
それを分かっていないと、ワタミ社長のように教育再生会議で勘違い発言を繰り返すことになる。

競争原理の他に、効率の追求という視点もある。

第4回 教育再生会議 議事録 p.21より抜粋
○伊吹文部科学大臣
国会でずっと審議をやっておりまして私が感じたことは、抽象的な言い方ですが、教育には効率の視点が欠けているということです。市場原理という言葉はあまり適切ではないと思いますが、国民の税金を預かって、義務教育に国と地方と合わせて10 兆円のお金を入れている限りは、そのお金を効率的に使うという意識がないとだめです。今は残念ながら効率は最後にどこで保たれているかというと、供給者側が努力をしているのではなくて、需要者側が、受験競争という形ですべて背負わされていて、供給者の方にどれだけの努力があるか。そこの効率を維持していくためにはフェアネスをはっきりと持っていかないといけない。今回の未履修の問題などを見ていますと、これは教育界の率直に言えば村上ファンドといえるでしょう。ありていに言えば。それをだれが、公正取引委員会という立場、あるいは証券取引委員会という立場で効率のフェアネスを維持してあげるかということを考えると、今の教育行政は責任の所在が明らかでない。


後半何を言ってるんだか良く分からなくなってくるが、まあ確かに金をかけているんだから、
それを効率よく使えというのは間違いではない。具体的にはどういうことなんだろうか。

「需要者側が受験競争という形ですべて背負わされていて」というところを見ると、
伊吹文科相が指摘しているのは、受験のため塾や予備校に金がかかって仕方がないから、
公立小中学校でもっと受験勉強をさせろということらしい。

なんだかピンとこないと言うか、本当にそんなこと世の需要者(保護者)が望んでいるのか?
そもそも競争させてでも高度な教育を受けさせたかったら、最初から私学に行かせるだろ。
有象無象魑魅魍魎のお子様がいっぱい来てる公立なんかに期待しないわな(笑)

俺が仕事をしている地域では、公立小学校の成績上位者は中学進学でほとんど私学に抜けて、
その残りが公立中学校に上がってくる。上は私学と相場が決まっているんだな。
金とアタマがあればとりあえず私学へ行く。その私学も全国レベルから地域密着型まで様々。
公立中学からの高校進学になると、下位の生徒は公立高校に行けなくて私学に行く地域もあるし、
私学公立入り乱れてその中から自分の成績に合わせて自由に選べるところもある。

こんな感じで、都市部では学校それぞれの特色で棲み分けが行われている。
受験産業も含めてお互いが共存していくには、多様なニーズに応えて多様なサービスが不可欠。
だからたとえ公立中学校でも、複雑な教育生態系の中で、自分の学校のポジションを
よく分かっていないとダメだ。どんな層の保護者・生徒が何を求めているかだな。

しかし、人口密度の低い地方では全く事情が違う。
学校を選ぼうにも、通学可能な範囲に公立中学が1校だけという地域はいくらでもある。
ひとつの学校がその地域の教育をすべて握っている。上も下もない。
地域の子供たちは、全員同じ小学校に通い、全員同じ中学校に上がる。
高校で初めて進路が分かれるが、選択肢は私学と公立それぞれ1校だけだったりする。

こういう地域と都市部と同列に語れるわけがない

いい悪いはともかく、事実、地域格差は圧倒的だ。
伊吹文部科学大臣がどちらを想定しているのかは不明。受験競争を持ち出してくるあたり、
都市部の話のような気もするが、地方では学校だけで完結するレベルの高い教育も必要か?
いや、そもそも地域格差など何も考えていないのかもしれない。

いちいち突っ込んでいても突っ込み甲斐がなさそうなので、「効率」というキーワードで
俺なりに思いつくことを書いてみることにする。もちろん義務教育公立校に限定しての話だ。
前置きが長くなったので、本題は次回ということでよろしく。

未履修問題が教育界の村上ファンドって、・・・やめとこ(笑)

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初めまして。
 初めまして、くずはと申します。
 今回、「地域と都市とは一律には語れない」、「そもそも効率化を保護者が望んでいるのか」、というところに、至極ごもっとも! と思ってしまいました。
 文科省の調査によると、学校に望むことというアンケートに対して、親が望むことは確かに「学力面」等が一位に来るようですが、児童生徒たちは、「物事の善悪を学校で教えて欲しい」というのが一位になるようですね。
 このような現状の中で「効率」のみを求めてどうするのだろう? と首を傾げずにいられません。
 また、高校も義務教育化させようという案も出ていたようですが(民主党から)、商業系の学校だったり、夜間定時、昼間定時、通信制の学校等色々あるのを、どうするんだろう? と考えるだに、教育再生会議というかお役所の考えていることはわからないな~って思います。
 現場の声を知らずに(現場の声だけじゃあ改革もできませんが)、色々ほざいてると、現場の方は苦労しますね。お疲れ様です。
 それでは、まとまりのない長文コメント、失礼しました。
【2007/03/11 Sun】 URL // 樟葉 #aWgXb152 [ 編集 ]
いらっしゃいませ>くずはさん
地方と都市部との差、たとえばくずはさんのブログに書かれていたように、北海道の教員採用146倍かと思うと、こちらでは3倍切って講師までさらえてしまっているという現状があるんですよね。とんでもない話です。親の望みも差があって当然。
地方ではバウチャー制なんて笑い話にもならない。学校が1つしかない所で選ぶも何も(笑) 再生会議の現場に行って「それどこの地方の話だ!?」っていちいち突っ込みたくなります。

文科相の「効率」発言も、結局は時流に乗ったつもりのピンボケにすぎないです。
今度続編で書くつもりをしているのは、ちょっと別の効率の話。教育再生会議の方々には見えてない、公教育が背負っているものとか。
意外性もあるかもしれないので、楽しみにしててください。
【2007/03/11 Sun】 URL // シーサー #gJtHMeAM [ 編集 ]
そもそも生徒の間で受験の競争はさせても先生の間や学校の間ではないというのはアンフェアだと断じて思います。(せこいということ)
私はそういった理不尽は大嫌いであります。

小泉総理のフレーズで民でできることは民で!といったものがありましたが、教育行政でも民でできることは民でやってほしいものです(市場原理の風をふかす! 文部科学省が学校の運営にいろいろと干渉しているわけだし)
【2009/06/19 Fri】 URL // 個人主義者 #- [ 編集 ]

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