公立中学校教師の辛口教育コラム。一般の方に分かりやすく心がけてます。真面目なだけのセンセは服用に際して十分ご注意下さい(笑)
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春休みから年度始めの多忙が延々と続き、やっと連休で一息ついている。
ほっと一息は俺だけでなく新入生の諸君も同じだろう。
そんなわけでブログは4月に入ってから一度も更新していない。
このままだと忘れ去られてしまいそうなので久しぶりに書いておく。

ということで全国学力・学習状況調査。いわゆる全国学力テスト。

まあしかし、ほとんどの現場は平静で保護者からの苦情も特になく、修学旅行中だったとか
一部で多少のドタバタはあったものの、実際問題なんということはなかったというのが
正直なところだろう。
個人情報が云々とか実施の是非とか地域や学校ごとの格差が分かるとかの話は、
他でいくらでも読めるので俺がいちいち解説を書く必要はない。
それでは愛想が無いので、巷で言われている突込みにちょっとだけコメントしておこうか。

・日頃、模試で名前を書いて試験受けるのが当たり前という状況で、何が個人情報か。
・地域格差学校格差? そんなものあって当然。今までなかったとでも言うのか白々しい。
・ええっ!? 文部省は43年間、本気の学力調査もせずに教育方針決めてきたの?(@o@;)

以上終り(笑)

さて、今日の本題はここから先だ。
今回の検査では、学力検査の他に「生徒質問紙」というのもあった。
中身は生活や学習に関するアンケートで、朝食を食べているかとか塾に行っているかとか
家での勉強時間とか、かなり細かいところまでたずねている。

たとえばこうだ。

1 あなたは,生活の中で次のようなことをしていますか。
(1)朝食を毎日食べている
(2)学校に持って行くものを,前日か,その日の朝に確かめている
(3)身の回りのことは,できるだけ自分でしている
(4)毎日,同じくらいの時刻に寝ている
(5)毎日,同じくらいの時刻に起きている
(6)勉強する時間を自分で決めて実行している
(7)テレビを見る時間やゲームをする時間などのルールを家の人と決めている
(8)運動・スポーツをして体を動かしている(学校の保健体育の授業は除きます。)

2 次のことは,あなたにどれくらい当てはまりますか。
(9)ものごとを最後までやりとげて,うれしかったことがある
(10)難しいことでも,失敗をおそれないで挑戦している
(11)自分には,よいところがあると思う
(12)将来の夢や目標を持っている


こんな感じの質問が100問ほど続き、「調査問題は簡単でしたか」で終わっている。
詳細は下記参照のこと。問題も解答も解説も全部掲載されている。

平成19年度全国学力・学習状況調査の調査問題について (文部科学省)
全国学力調査の問題と解答 (朝日新聞)

そもそもアンケートというものは、やりさえすれば新しい何かが天から降りてくるものではない。
最初から言いたいことがあって、それを裏付けるために数字を集めているに過ぎない。

だから今回の生徒質問アンケートは、学力検査の単なるおまけではない。
学力検査と同時に実施したことが重要なのだ。つまり、

すべての質問は学力との関連を語るためにある

だからこの質問の結果なんて俺は楽しみにしているのだが。

(21)学校の授業時間以外に,普段(月曜日から金曜日),1日当りどれくらいの時間,勉強をしますか。(学習塾で勉強している時間や家庭教師の先生に教わっている時間も含みます。)

前に中学2年生の4割は家でまったく勉強していない、という調査結果があっただろ?
あれの全国レベルで信頼性の高いデータが出てくるわけだ。成績との関連ももちろん分かる。
まあ勉強しない奴が成績悪いのは当たり前の話なんだが、成績だけでなく、たとえば上記2番の質問と組み合わせて関連付けるとさらに面白い。中学生の実態がこんな感じで浮き彫りになる。

『不規則な生活で朝食も食べず、夢も目標もなく挑戦もせず達成感を味わったこともない。
もちろん家庭での学習時間はゼロ。しかしなぜか自分には良いところがあると信じて疑わない』


こんな中学生が4割もいたら頭抱えるけどな。その相手するのが俺達公立教師の仕事なんだけど。
いずれきちんと書くが、これからの公教育の重要なキーワードのひとつは「下流」だ。
競争原理で公教育が良くなる等と寝言を言ったり学力低下を教師の責任にしている暇があったら、
もちっとそっちに目を向けないといけないんだがな。

何にせよ、この調査の結果を元にして、文部科学省はあらかじめ言いたかったことを言うだろう。
統計結果を思う方向へ導くには嘘をつく必要などない。クローズアップする部分と関連付けを
上手に取捨選択するだけでいい。設問の時点で、すでに半分は誘導できているのだから。

いったいどんな生徒像が出てくるのか、文部科学省はどんな生徒像を想定していたのか、
楽しみにしておこう。

生徒質問紙、よく読むとなかなか面白いのでまた続編を書くことにする。
「蜘蛛の糸」を読んだことない人はそれまでに読んでおくように(笑)


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すごいですね、質問。
いちいち文科省に解説してもらわなくても良いから、さっさと生の数字を教えて欲しいですね。それをみて、親がどう捉えて子どもに何が出来るか?って考えたら、世の中変わりそうだけど…そんなのスルーしちゃう親の方が多そうだなあ…。
しかし、あんな問題を100問もやらせておいて、簡単か?って…簡単かもしれないけど、メンドクサイって…。
【2007/04/30 Mon】 URL // いわさき #- [ 編集 ]
(*´艸`)ぷぷ
ほーんと、シーサーさんは
忘れた頃にやってくる山下達郎みたいな人だなぁはおいといて、

我が子に聞くと、テストもアンケートも
「わざわざ受ける価値もない問題。」
とのことだったのですが、なるほど。そんな質問だったんですか。
県によっては、他教科の一斉テストを付け加えちゃったところもあるみたいですけどね。
しかし、食育の香ばしい香りが微かに漂ってきますね。耳にたこができるぐらいに言われてきた、朝食と学力の関係を裏付けようとしているのは間違いないにしても、あの食育を提唱する背景は何でしょう。

ウィンタースポーツやソフトボールを小学校の体育に取り入れるときも、その手の協会連中が裏でやっきになって動いていたっていうじゃないですか。
う~ん、朝食食わせて儲かる人って、誰だろう。神田川先生かな。
【2007/04/30 Mon】 URL // 握ボン #- [ 編集 ]
調査データ
お久しぶりです。

ちょっと本職に絡む内容なので一言。
非常に興味深いアンケートですが、通常のテストの後にこのようなアンケートは結構負担ですね。全部見たわけではないけど、以下、気になる点がございます。

1.回答精度
・100問も続ける(しかも無償)ことで、回答者のモチベーションに疑問。ロジックエラーになるような設計はなされていないみたいですが・・・。

2.統計処理
・この手の定量調査の分析はあくまで相対評価が重要です。「70%の生徒が朝食を取っている」だから?重要なこと相対性です。「前年との増減」とか、「塾にいっている子(誰もが納得できる信頼性のあるベンチマーク)より多い」などの分析が必要で、「70%」と言う絶対値に意味は無いのです。

3.多変量解析
・シーサ先生のおっしゃる通り、回答内容と成績、回答内容同志の相関関係は非常に興味があります。かなり有効なデータになるでしょう。
・更に、この回答に基づいて、生徒を類型化(クラスター化)して、キメの細かい教育指導の基礎資料とする等、しゃぶりつくす価値はあります
ね。

まあ、でも経験上、シーサ先生のおっしゃる通り調査データは企画者の意図に合ったものだけが採用され、都合の悪いものは無視されることになっております。残念ですが・・・。
【2007/04/30 Mon】 URL // ゴンザレス #ZekvV3lo [ 編集 ]
>いわさきさん
質問も、当初予定されたよりもかなりシンプルになったようなんですが、それでもまだひっかかるのがいろいろありますので、第2弾で書いていきますね。

しかし、最後の「簡単でしたか?」は、人をくったというか、やらせといてそりゃないだろというか、作った方はどう思っているのか、逆にこっちが聞きたいです。

>握ボンさん
ふむ、この名前なら呼びやすいな。ちなみに爆弾投下後の座布団って知ってますか(^_^;?

そうそう食育。私も感じてます。なんか異様ですよね。いったい何なんだと。そりゃ子供は朝メシ食った方がいいに決まってますが、食ったからって全員かしこくなるわけでもなかろうに。誰が儲かるのか? 学校で朝マックならぬ朝給食とか。

>ゴンザレスさん
統計はちゃんと勉強したことはありませんが、そんな私でも、まわりを見るとあまりにも稚拙な統計もどきが多くて辟易することがあります。オトナがやってるのに、小学校の学級新聞アンケートからひとつも進歩してないとか、「誰を対象に何人取ったんだあ~!?」と叫びたくなるような怪しいのとか、「俺の選択肢がねーよ!」とか。

回答どうしの相関は本当に興味あるので、文部科学省の発表よりも生データ欲しいです。しかし絶対に公開なんかしないですね(笑) せいぜい予想される相関の組み合わせを考えて楽しむことにします。

【2007/05/02 Wed】 URL // シーサー #gJtHMeAM [ 編集 ]

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