公立中学校教師の辛口教育コラム。一般の方に分かりやすく心がけてます。真面目なだけのセンセは服用に際して十分ご注意下さい(笑)
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教育再生会議第2次報告から、「学校現場の創意工夫による取組」について。

この提言は形としてまともだ。なぜならどれも予算や人事面の配慮を明記しているからだ。
もちろん、実際に予算がつくかどうか、その出所、どんな規模のものになるのかは別問題だが、
とりあえず評価できる。
5月28日の教育再生会議合同分科会議事要旨でも、塩崎官房長官が、
「数値目標、期限、どこで誰がやるか等も明確に示していただきたい。」と語っている。(p.4)
明確に示しても「それはできません」で終わりかもしれんけどな(笑)

提言5 学校現場の創意工夫による取組を支援する
【学級編制基準の弾力化や習熟度別指導の拡充、学校選択制を広げる、教材開発など教員のチームによる取組】
○国は、学級編制基準を大幅に弾力化し、実態に即した教員配置ができるようにする。国、教育委員会は、小学校高学年での専科教員、習熟度別指導・少人数指導の拡充、図書の充実など、学力向上のため、教職員の加配措置や重点的な予算措置を行う。地域の人材等の登用を促進する。


教師の数を増やしてくれたら学校は良くなる、という話を前にした。
この提言にある少人数指導というのがその具体例だ。
1クラス40人に1人の教師が教室で授業をするのを一斉授業という。
昔からおなじみの授業風景だが、これをたとえば20人×2クラスに分けて行うのが少人数指導。

俺も経験あるが、これは効果絶大だ。数学でも英語でも、寺子屋授業に近づいて目が行き届く。
ひと目で全員のノートが見渡せる。誰がつまづいているか一発で分かる。
普通の声で話しても十分聞こえるので、生徒も教師も落ち着いて静かな雰囲気で学習できる。
クラスの人数が半分になると、指導の密度は2倍ではなく、3倍にも4倍にもなる。

ただし、教師の数を増やさずにやろうとすると、授業数が過密になって余裕がなくなる。
また、受け持ち時間数を優先して担当者を決めるので、体育の教師が数学を見ていたりする。
体育の教師といえども中学校は出ているから、基本的なところなら教えられるが、
やはり教科の免許を持った専門の教師が教えるのが筋だろう。

習熟度別指導というのは、成績別で生徒を分けて授業をすること。
3年1組は優秀クラス、3年4組はアホクラスなどという大胆なわけ方ではなく、
数学や英語の時間になると、成績別に分かれて授業を受けるもの。
同じくらいの学力の生徒が集まっているので、それに合わせた授業が出来て能率がいい。

これと少人数指導を組み合わせて、たとえば基礎クラス(低学力クラスとは言わない)は
10名以内の生徒に教師が2人くらいついて九九や分数から勉強するわけだ。
家庭教師はもちろん塾も行ったことのないような生徒が、マンツーマンに近い状態で
ていねいに勉強を見てもらえる。勉強なんか親にも教えてもらったことのない生徒たちだ。
普段の授業中にはあきらめて寝ているような生徒も、たっぷりかまってもらえて喜ぶし、
なにより目に見えて成果が上がるので、俺達教師もやりがいがある。これぞ公立だな。

え? そんな子はふだんから放課後にでもみてやれって?

放課後は部活と生徒指導でそんなヒマありませんから

逆に勉強出来る子のクラスになると、「先生、塾の宿題やっていいですか? やったー(^o^)/」
などという状態になる。自分達で高度な問題を教えあったり、一斉授業よりはるかに密度の高い時間をすごしている。質問あったら聞いてね、と、学習の緊張感漂う教室内を巡回したり。
問題の解説も、普段の授業とは違うレベルの高い言葉でやってもみんな反応良くついてくる。

って、喜んでちゃいかんのだけどな。この子達は日頃いかに我慢してくれてるかってことだ。

こんな感じで、教員数に余裕があればあるほど、少人数・習熟度別で学力アップは保障付だ。
ただし、保護者や生徒がこんな寝言を言って足を引っ張っていたのではどうにもならない。

全員が同じ授業を受ける権利がある

うちの子はアホクラスに入れてもらったら困る

まさか教師でこんなこと言う奴は、このブログ読んでないよな? いたら帰ってよし(笑)

この他に、40人の一斉授業に2人や3人の教師が入って行うティームティーチングてのもある。
1人は前で授業をし、他は生徒の間を回って「はい、教科書出しましょうね」とか「この問題はこうやって」とか補助していく。これも目が行き届いていい。授業補助員さんだな。
小学校のティームティーチングなんか、地域の人に協力してもらっているところもある。

という具合に、教師やスタッフの数が多ければいくらでもきめ細やかな指導ができる。
塾では、マンツーマンとか生徒2人に先生1人とかを売りにしてる所もあるじゃないか。
公立でそこまでは無理としても、英数国だけでも生徒20人で授業できる体制が欲しいものだ。

○学校は、教材開発など教員のチームによる授業改善への取組を積極的に行い、国、教育委員会は、そのような学校の取組を予算・定数などの面で支援する。

教員のチームって、これも普段の授業と生徒指導と部活で手一杯ではどうにもならない。
予算もそうだが、まず人的に余裕をくれ。支援してくれるそうだから期待しておこう。

学校選択制については前にも少し書いたが、これは教育再生会議以前に実施されているので、
これからまだまだ成り行きをウォッチして考えてみたい。

この1週間、第二次報告で書いてきたが、ちょっとここでひと段落。
年金問題やら何やら世の中騒々しく、教育どころじゃなくなってきたかも。


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…結局は、人の数ですよね。

もちろん、玉石混合ではありましょうが、教員の数に余裕があれば、チームティーチングをとおして教員の間で教員を教育する時間も取れますもんねぇ…。会社組織では、ある程度は先輩後輩の間で仕事の引継ぎの場面を入れれば、それなりに新人にノウハウを継承する時間って取れてますけど、教員って、国家資格を取っていますから、新卒でいきなり担任持たされたりしますものね…。それについても良いも悪いもあるんだろうけど、学年主任や教頭、副校長がその新人に着きっきりって言うわけにも行っていないだろうし…(もちろん、独力で解決するのも体験だけど…)でもさ、教育実習で保護者とのやり取りなんて体験しないよね?

本当に、ワーキングプアやフリーター対策として、教育とか介護とかの現場に国はもっと目をむけて、人手をつぎ込めるように予算化したほうが、長期的に日本を立て直すと思うんですけどね。道路工事ばかりが経済対策な時代はもう終わったと思うし、教育と介護に国債をつぎ込むんだったら、国民の理解も得やすいと思うんだけどねぇ。
【2007/06/11 Mon】 URL // いわさき #- [ 編集 ]
チームティーチングをとおして教員の間で教員を教育する、まさにその通りです。
お互いが刺激になるし、協力して相談して授業をするし、普段は一人でやっていて、なかなかそんなゆとりがないですからねえ。

新卒がいきなり担任いきなり授業、というのも確かに強烈です。しかも教室に一人っきりですから。さらに美術や音楽や技術家庭科、そして養護(保健室の先生ね)なんか、同教科の先輩が職場にいないんだから、これで上手くいってるほうが不思議です。
だから最近では、専任の指導教官がぼちぼちついてきてるんですよ。まだまだ不十分ではありますけど。

教育実習、あれは一日署長さんみたいなもので(笑)
保護者なんてもちろん近づけませんし、生徒や保護者のプライバシーにかかわる打ち合わせになると、実習生は席をはずさせます。職員会議なんてもちろん出席させません。子供達は「せんせー」なんて呼びますが、実習生の生は生徒の生ですから。

教育と福祉に人材を! 教師じゃなくても専門家じゃなくても、できる仕事はいくらでもあります。人手も余っている。それに予算をかけていったら、本当の意味で豊かな国になると思うんだけどなあ。偉い人達は、儲からないものや目に見えにくいものは苦手なんでしょう、きっと。
【2007/06/12 Tue】 URL // シーサー #gJtHMeAM [ 編集 ]
予算が足りないのなら。。。
職を辞め、家庭に入っている人はたくさんいさっしゃいます。
その方々の手をうまく活用するというのはどうでしょう。
ようは非常勤です。ちゃーんとシステム化して。
小学校に子供が入学するとそれまでと違い、半日で子供たちが帰ってきてしまいます。そこで、週3日とか、2限から5限の間の授業のみとか、企業のパートのように一部の仕事を手伝ってもらうというのはどうでしょうか。。。もちろん、非常勤の先生方にはパートとしてではなく、お給料をいただいている以上、教員としての自覚をしていただかなくてはいけませんが。。。そんなに難しいことではないと思います。そんなこともできない人しかいない国では日本の行く先は心配で仕方がありません。その場合にはどの国民にも意識を変え、成長してほしいと切に願います。
【2007/07/11 Wed】 URL // 免許保持希望者 #- [ 編集 ]
事務作業限定パートの採用
うん、こちらの話はまだ現実味がありますね。
ただし、常勤、非常勤の講師は現場にはすでに大勢いて普通に仕事をしてます。

教師でなく、事務作業限定でパートさんを雇うというのなら、もう明日からでも来てもらったら助かります。まあこちらも問題は予算です。予算さえつけば制度の整備は大したことありません。
って、それは行政の仕事ですけど。

授業のお手伝いをしてくれる授業補助員さんは、すでに実施されている地域もあります。

パートさんが中心になって授業をするのは、よほどのスキルがないと無理。

それこそ大手予備校の名物先生ぐらいの超絶技巧を持ったプロ教師ならスポット授業も可能ですが、子育てもひと段落でヒマだしぃ、という人が簡単に出来るほど甘い世界ではありません。
【2007/07/11 Wed】 URL // シーサー #gJtHMeAM [ 編集 ]

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